わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

釉薬の種類(分類)

2008-12-04 23:27:20 | 釉薬に付いて 釉薬の種類 熔融剤
釉薬は、楽焼用の800℃程度~高温の磁器釉の1500℃まで、目的に応じて、

適宜選択使用されます。

 陶器では、1180℃(SK5a)~1280℃(SK 9)位の範囲の釉薬が使用されます。

 特に1200℃(SK 6a)~1250℃(SK 8)の釉薬が一般的です。

 釉の分類

 1) 釉の外観からの分類

   ① 透明釉・・下絵付けをした時や、練りこみ模様(マーブル模様など)など、釉薬の下の

      色を出したい場合などに、多く使います。

   ② 艶消し釉(マット釉)・・光沢の無い釉薬です。

      光沢の有る釉薬の方が、種類は多いです。マット釉を好む方も、多いです。

   ③ 色釉・・透明釉(光沢有り、又は無し)を基礎にし、酸化鉄や酸化胴などの金属を

      混ぜ合わせ、白、黒、褐色、緑、青、黄、赤、紫色を発色させます。

    どんな金属が使われているか、詳細を述べます。

   a)  白: 酸化錫、酸化亜鉛、骨灰など

   b) 黒(黒天目、瀬戸黒など): 酸化鉄、酸化クロム、酸化マンガン(その化合物)、酸化銅など

   c) 褐色: 酸化鉄(弁柄、鬼板、黄土、黒浜、その他鉄さび等)、二酸化マンガン、酸化クロム

   d) 緑(織部釉、青磁など): 酸化銅、炭酸銅、酸化クロムなど(何れも、酸化焼成)

   e) 青:  酸化コバルト、炭酸コバルト、呉須(ゴス)など

    f) 黄色(黄瀬戸など): 酸化チタニュウム、酸化ウラン、酸化鉄、重クロムサン加里、灰など

   g) 赤(辰砂など): 酸化銅(還元)、酸化クロム(還元)、酸化鉄、塩化金、塩化マンガンなど

      ピンク: 酸化錫と酸化クロムの混合物

   h) 紫: 酸化マンガン(還元)、酸化銅(還元)、金など

   同じ金属でも、その使い方,焼成の仕方によって、発色が異なります。

 ④ 結晶釉・・窯を除冷却(1100℃程度の温度を長く保ち、ゆっくり冷やす)し、金属の結晶を

    析出させ、その模様が美しい釉薬。亜鉛、鉄、金などの結晶釉がある。

 ⑤ 亀裂釉・・ひび釉とも言い、釉に大きな貫入が出た釉薬

   (そのひびに、鉄や、墨などを入り込ませ、亀裂を強調する技法もあります)

 ⑥ 窯変釉・・変化に富んだ釉薬で、焼成の仕方や、その他の要因で、色や模様の出方が、

    変化する釉薬です。

 ⑦ その他、油滴天目など色々な釉薬があります。

2) 施釉の状態からの見た分類

 ① 生釉(生かけ釉): 原材料を調合し、水に溶いて、そのまま施釉する物。

 ② フリット釉: 水に溶けやすい原料(ソーダ塩、ホウ酸など)や鉛を使う場合、

   一度高温で溶かし、ガラス化した物を、水に入れ急冷し、ガラス粉末にした物(フリット化)を

   主成分とし、他の原料を混ぜ合わせた釉薬です。

   代表的な物は、楽焼用の釉薬の白玉(フリット50%以上使用)です。


以下次回に続きます。
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