銅を添加した釉について述べます。
・ 銅(酸化銅)を1~15%加える事により、鉄釉以上に、変化に富んだ色を出す事が出来ます。
・ 酸化焼成と還元焼成では、その色も大きく変わります。
酸化焼成では、やや青味掛かった、深みの有る緑色が特徴で、還元では、赤、赤黒
又は、乳濁した紫色に成ります。
1) 織部釉について
・ 桃山時代に現れた、綺麗な緑色した釉薬です。
・ 茶人の古田織部に由来する名称で、奇抜な形と、奇抜な文様を部分的に鉄絵で描き、
施釉した作品です。
・ それ故、緑色を使わなくても、織部の名前が付いています。
・ 青織部、総織部、鳴海織部などは、緑色の釉(織部釉)を使います。
・ 赤織部、黒織部、志野織部、伊賀織部は、一般的に緑色は使いません。
① 調合例(青織部釉)
a) 長石: 50、 木灰: 50、 酸化銅: 5
b) 長石: 50、 木灰: 30、 藁灰: 20、 酸化銅: 8
c) 陶石: 32、 木灰: 35、 藁灰: 25、 酸化銅: 8
② 酸化銅が15%を超えると、還元でも緑色に、発色します。
③ 酸化焼成すると、綺麗な青緑色に発色します。
・ 作品(器など)の形は、其れまでに無い、バラエティーに富でいます。
・ 作品の半分程に、鉄(鬼板、弁柄)で奇抜な文様を描き、この部分を透明釉などで施釉し、
残った部分に、織部釉を掛けます。
これを酸化焼成すると、文様部分は、黒~褐色に、織部部は、緑色に発色します。
④ 総織部 ・・ 鉄絵の文様が無く、全体に織部釉薬を掛けたものです。
尚 総織部の技法には、印花紋、櫛目、線刻、貼り付け文様などの細工をした後、
作品全体に、織部釉薬を施す方法が、有ります。
⑤ 鳴海(なるみ)織部・・ 素地に白土と赤土を使い、両方を上手に継ぎ合わせ作品で、
白土には、織部釉を、赤土には、白泥で文様を描き、更にその上に、鉄絵を施します。
作品は、板造りにいる方法が多いです。
当然収縮率の似通った土を使います。
⑥ 織部釉の注意点を、幾つか述べます。
a) 釉はやや透明性が有ります。それ故、白い土の場合には、明るい緑に、赤土では、
深い緑色に成ります。
b) 一般にこの釉は、流れ易いです。(流動性が有る。)
白土でも厚く施釉すると、深緑色に成りますが、厚くするとより流動性が増し、
棚板まで流れてしまい勝ちなので、注意の事。
c) 厚く施釉した場合、釉の表面が幕を被った様に濁った色に成ります。
この幕は、希塩酸などの酸で洗えば、取れます。
(但し、塩酸は強い酸ですので、取り扱いに注意して下さい。)
2) その他の織部に付いて
① 赤織部・・ 素地に赤土を使い、白土で一部化粧掛けし、鉄絵を施した物で、
茶碗、皿、鉢、向付などが有ります。織部と言っても、緑色とは限りません。
② 黒織部・・ 一部白い素地を残し、黒い釉を部分的にかけます。
白い部分に鉄(鬼板、弁柄)で文様を描いたり、黒釉の一部を搔き落としたて、文様をつけます。
・ 織部黒・・ 文様が無く、黒釉薬一色の物をこう呼びます。
・ 両織部共、沓茶碗などの作品に多いです。
③ 志野織部・・ 志野焼きと殆ど区別が付き難いですが、繊細な鉄絵に志野釉を掛けた物で、
志野に比べて、皿、鉢、向付けなど、食器類が多いです。
④ 伊賀織部(美濃伊賀)・・ 器の一部に、白化粧を施したり、鉄釉を流し掛けたりします。
作品は主に、花生と水指に限られ、豪快な造りが特徴です。
陶芸の釉薬 織部釉
・ 銅(酸化銅)を1~15%加える事により、鉄釉以上に、変化に富んだ色を出す事が出来ます。
・ 酸化焼成と還元焼成では、その色も大きく変わります。
酸化焼成では、やや青味掛かった、深みの有る緑色が特徴で、還元では、赤、赤黒
又は、乳濁した紫色に成ります。
1) 織部釉について
・ 桃山時代に現れた、綺麗な緑色した釉薬です。
・ 茶人の古田織部に由来する名称で、奇抜な形と、奇抜な文様を部分的に鉄絵で描き、
施釉した作品です。
・ それ故、緑色を使わなくても、織部の名前が付いています。
・ 青織部、総織部、鳴海織部などは、緑色の釉(織部釉)を使います。
・ 赤織部、黒織部、志野織部、伊賀織部は、一般的に緑色は使いません。
① 調合例(青織部釉)
a) 長石: 50、 木灰: 50、 酸化銅: 5
b) 長石: 50、 木灰: 30、 藁灰: 20、 酸化銅: 8
c) 陶石: 32、 木灰: 35、 藁灰: 25、 酸化銅: 8
② 酸化銅が15%を超えると、還元でも緑色に、発色します。
③ 酸化焼成すると、綺麗な青緑色に発色します。
・ 作品(器など)の形は、其れまでに無い、バラエティーに富でいます。
・ 作品の半分程に、鉄(鬼板、弁柄)で奇抜な文様を描き、この部分を透明釉などで施釉し、
残った部分に、織部釉を掛けます。
これを酸化焼成すると、文様部分は、黒~褐色に、織部部は、緑色に発色します。
④ 総織部 ・・ 鉄絵の文様が無く、全体に織部釉薬を掛けたものです。
尚 総織部の技法には、印花紋、櫛目、線刻、貼り付け文様などの細工をした後、
作品全体に、織部釉薬を施す方法が、有ります。
⑤ 鳴海(なるみ)織部・・ 素地に白土と赤土を使い、両方を上手に継ぎ合わせ作品で、
白土には、織部釉を、赤土には、白泥で文様を描き、更にその上に、鉄絵を施します。
作品は、板造りにいる方法が多いです。
当然収縮率の似通った土を使います。
⑥ 織部釉の注意点を、幾つか述べます。
a) 釉はやや透明性が有ります。それ故、白い土の場合には、明るい緑に、赤土では、
深い緑色に成ります。
b) 一般にこの釉は、流れ易いです。(流動性が有る。)
白土でも厚く施釉すると、深緑色に成りますが、厚くするとより流動性が増し、
棚板まで流れてしまい勝ちなので、注意の事。
c) 厚く施釉した場合、釉の表面が幕を被った様に濁った色に成ります。
この幕は、希塩酸などの酸で洗えば、取れます。
(但し、塩酸は強い酸ですので、取り扱いに注意して下さい。)
2) その他の織部に付いて
① 赤織部・・ 素地に赤土を使い、白土で一部化粧掛けし、鉄絵を施した物で、
茶碗、皿、鉢、向付などが有ります。織部と言っても、緑色とは限りません。
② 黒織部・・ 一部白い素地を残し、黒い釉を部分的にかけます。
白い部分に鉄(鬼板、弁柄)で文様を描いたり、黒釉の一部を搔き落としたて、文様をつけます。
・ 織部黒・・ 文様が無く、黒釉薬一色の物をこう呼びます。
・ 両織部共、沓茶碗などの作品に多いです。
③ 志野織部・・ 志野焼きと殆ど区別が付き難いですが、繊細な鉄絵に志野釉を掛けた物で、
志野に比べて、皿、鉢、向付けなど、食器類が多いです。
④ 伊賀織部(美濃伊賀)・・ 器の一部に、白化粧を施したり、鉄釉を流し掛けたりします。
作品は主に、花生と水指に限られ、豪快な造りが特徴です。
陶芸の釉薬 織部釉
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