前回からの続きです。
4) 同じ釉でも電気窯、ガス窯、薪窯では焼き上がりの色や光沢に違いがあります。
陶芸では窯は、熱を閉じ込め、温度を上昇させる為に必要不可欠な物です。
窯にはガスや灯油、薪などの燃料を必要とする窯と、燃料を必要とせず、電力のみで熱量を
供給する窯があります。一般には焔(ほのお)の出る窯と焔の出ない窯と言われています。
窯を築くには、いずれも耐火レンガを使います。但し、構造には大きな違いがありますので
一つの窯で代用する事は、かなり難しいです。
これらの窯の大きな違いは、空気(特に酸素)以外の要素が関与するかしないかの差です。
即ち、燃料に含まれる成分も重要な役割を担います。
更に煙突の有無にも関係して、焼き上がりの色や光沢にも大きく関係する要因です。
① 本焼きの焼成では、火の温度が何度であるかよりも、作品自体が何度に保たれているか
が重要です。これを熟成温度と言います。
即ち短時間でどんどん温度を上昇させ、所定の温度にしても、品物が焼成される訳では
ありません。ある一定の温度をある程度の時間保持し続ける事が必要です。
焼成とは、原料である粘土や長石、珪石、絹雲母などが加熱によって化学変化を起こし
これらの組成鉱物の変性作用とみる事ができます。
釉の熟成には釉の均一な調合と、釉の組成原料や原料粒子の細かさも重要です。
但し楽焼では短時間で温度を上げ、表面の釉を熔かすだけですので、焼成時間も短くなり
ます。
② 燃料に含まれる成分とは?。
電気窯の場合、空気に含まれる酸素のみですが、ガスには、酸素以外に炭素、水素が含ま
れ、薪の場合には、更に水分と微量な植物成分(有機物や微量な金属類)を含み、焼成の
残渣となる灰類も含まれます。
これらは、窯の中で化学変化を起こし、炭酸ガスや一酸化炭素を発生します。
これらは窯焚き中に連続して供給され続けます。又焼成には水分も大切な役目があると云
わています。
都市ガスやプロパンガスは、炭化水素が主原料の為、焼成中に水素と酸素が化学変化を起
こし、水を発生するとも言われています。施釉の際、水分も含まれますが、高い温度に
なると、ほとんど蒸発してしまう為電気窯では、水分は無くなっていると思われます。
③ 電気窯は炉内は余分な燃料成分が無い為、雰囲気は清浄に保たれていますので、磁器の
焼成に向いています。雰囲気は酸性又は若干の還元になり、炉内が一定になり易い為、
安定した色合いを得る事が出来ます。更なる還元を掛けるには、外部よりガスや炭を供給
する必要があります。近年、マイコンを搭載した窯が増え、ほとんど自動的に焼成できま
すので、焼成は比較的容易に成り、盛んに使用されています。
但し色合いを要求される陶器では、余り望ましくないと見なされる事もあります。
④ 薪窯は焼き締めを行う事が多く、施釉陶器は少ないです。
施釉せずとも、薪窯独特の色に仕上がります。特に薪窯に適する粘土も市販されています
薪の成分の他に灰(赤松)も関係し、更に、藁(わら)などを用いて火襷(たすき)模様
を作り出す事もできます。この様な色は他の窯でも工夫すれば出ますが、完全に同じ様な
色合いにはならないそうです。
この方法に付いては、陶芸の技術書などに掲載されている物を見かけますので、それらを
参考にして下さい。
⑤ 電気窯とガス窯の作品の色合いの違い。
以下次回に続きます。
4) 同じ釉でも電気窯、ガス窯、薪窯では焼き上がりの色や光沢に違いがあります。
陶芸では窯は、熱を閉じ込め、温度を上昇させる為に必要不可欠な物です。
窯にはガスや灯油、薪などの燃料を必要とする窯と、燃料を必要とせず、電力のみで熱量を
供給する窯があります。一般には焔(ほのお)の出る窯と焔の出ない窯と言われています。
窯を築くには、いずれも耐火レンガを使います。但し、構造には大きな違いがありますので
一つの窯で代用する事は、かなり難しいです。
これらの窯の大きな違いは、空気(特に酸素)以外の要素が関与するかしないかの差です。
即ち、燃料に含まれる成分も重要な役割を担います。
更に煙突の有無にも関係して、焼き上がりの色や光沢にも大きく関係する要因です。
① 本焼きの焼成では、火の温度が何度であるかよりも、作品自体が何度に保たれているか
が重要です。これを熟成温度と言います。
即ち短時間でどんどん温度を上昇させ、所定の温度にしても、品物が焼成される訳では
ありません。ある一定の温度をある程度の時間保持し続ける事が必要です。
焼成とは、原料である粘土や長石、珪石、絹雲母などが加熱によって化学変化を起こし
これらの組成鉱物の変性作用とみる事ができます。
釉の熟成には釉の均一な調合と、釉の組成原料や原料粒子の細かさも重要です。
但し楽焼では短時間で温度を上げ、表面の釉を熔かすだけですので、焼成時間も短くなり
ます。
② 燃料に含まれる成分とは?。
電気窯の場合、空気に含まれる酸素のみですが、ガスには、酸素以外に炭素、水素が含ま
れ、薪の場合には、更に水分と微量な植物成分(有機物や微量な金属類)を含み、焼成の
残渣となる灰類も含まれます。
これらは、窯の中で化学変化を起こし、炭酸ガスや一酸化炭素を発生します。
これらは窯焚き中に連続して供給され続けます。又焼成には水分も大切な役目があると云
わています。
都市ガスやプロパンガスは、炭化水素が主原料の為、焼成中に水素と酸素が化学変化を起
こし、水を発生するとも言われています。施釉の際、水分も含まれますが、高い温度に
なると、ほとんど蒸発してしまう為電気窯では、水分は無くなっていると思われます。
③ 電気窯は炉内は余分な燃料成分が無い為、雰囲気は清浄に保たれていますので、磁器の
焼成に向いています。雰囲気は酸性又は若干の還元になり、炉内が一定になり易い為、
安定した色合いを得る事が出来ます。更なる還元を掛けるには、外部よりガスや炭を供給
する必要があります。近年、マイコンを搭載した窯が増え、ほとんど自動的に焼成できま
すので、焼成は比較的容易に成り、盛んに使用されています。
但し色合いを要求される陶器では、余り望ましくないと見なされる事もあります。
④ 薪窯は焼き締めを行う事が多く、施釉陶器は少ないです。
施釉せずとも、薪窯独特の色に仕上がります。特に薪窯に適する粘土も市販されています
薪の成分の他に灰(赤松)も関係し、更に、藁(わら)などを用いて火襷(たすき)模様
を作り出す事もできます。この様な色は他の窯でも工夫すれば出ますが、完全に同じ様な
色合いにはならないそうです。
この方法に付いては、陶芸の技術書などに掲載されている物を見かけますので、それらを
参考にして下さい。
⑤ 電気窯とガス窯の作品の色合いの違い。
以下次回に続きます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます