2) 陶芸の作家が、一個一個手造りした作品だから、貴重なものに成っているのかも知れません。
現在では、手造りと言うだけで世界に一つしかない物と、見なされる場合も多いです。
① 我が国では、歪んだ(ひしゃげた)作品が持て囃される傾向が強いです。
② 大きく割れた平皿であっても、堂々として売られ、しかも高価な値段が付いている場合も
あります。
以上が前回までのお話です。
③ 釉の剥がれ、釉の斑(むら)、窯変のある作品も売買されています。
一般に釉の剥がれや斑のある作品は、欠点とされ市場に出回る事はほとんどありません。
特に大量生産された焼き物では、均一に掛けられた釉であり、斑があるのは見る事もありません
しかしながら、陶芸家の作品では、堂々と展示販売される事も稀ではありません。
) 自分の窯を持ち作品を焼いている人にとって、常に釉の擦れ(かすれ)や釉剥げ、斑の
無い作品を作る事は中々難しい事です。釉を掛ける方法は色々ありますが、基本的には一個
づつ手で釉を掛ける事が多いです。その際、釉の掛け方及び手順によっては、斑に掛かる事も
ありますし、釉の濃度の差によって斑模様に成る事も多いです。更に、釉は直ぐに沈殿して
しまいますので、攪拌しながら、施釉しなければ、作品間に釉の濃淡の差が出る事に成ります
攪拌のタイミングによっては、釉の濃度に差が出てくる訳です。
) 釉が良く磨り潰されている場合と、磨り潰しが不完全の物では、焼き上がった作品の表情
に差が出ます。又磨り潰した粒子が粗い場合には、十分熔けきらずに点々とした状態で表面に
浮き出てくる事もあります。これも失敗と見るか、景色と見るかは判断が分かれます。
) 釉の一部が擦れる場合もあります。大量生産の作品ではほとんど見る事はありません。
施釉時に作品の一部を濡れたスポンジで拭いたり、水に漬けるなどすると、その部分の釉は
薄くなります。一般に釉が極端に薄くなると、どんな釉でも光沢の無い赤味掛かった茶色、
又は褐色に発色します。施釉した部分の釉が、各種の作業中に薄くなる場合もあります。
釉の種類にもよりますが、窯詰めや作品の底の釉を剥がす際など、施釉した部分を手(指)で
触る必要があります。触った部分の釉の厚みが剥がれたり、薄くなる場合もあります。何度も
持ち替える、一層釉が薄くなり、焼成後には斑に成ってしまう場合もあります。
更に、何らかのアクシデントによって、窯詰めの際やそれ以前に釉が剥がれる事があります。
この段階では修復可能ですが、何らかの理由で見逃す事も多いです。剥がれた状態で本焼き
すれば、当然釉剥げとなります。
) 特に炎の出る窯の場合、窯焚きの仕方によって釉の発色の仕方が変化します。
ご存知の様に、酸化焼成と還元焼成では、釉の色が違う釉も多いです。特に銅を使用した釉に
多いのですが、石灰系の透明釉でも、酸化、還元焼成とでは色が異なります。
即ち、還元ではグレー掛り、酸化焼成では明るいベージュ色になります。
更に、窯の雰囲気を一定に保ちたいのですが、容積の大きい窯程、窯の中では一定にする事は
難しくなります。それ故、同じ釉であり同じ窯で焼いたとしても作品の色は微妙に変化します
) 思いがけずに良い色に仕上がった場合、「窯変」と呼ばれる現象が起こる事もあります。
窯内の作品全体が「窯変」する事は少なく、一部の作品に起きる事が多いです。偶然性が
大きく、再び同じ様には出来ないのが、「窯変」の悩みでもあります。
以下次回に続きます。
現在では、手造りと言うだけで世界に一つしかない物と、見なされる場合も多いです。
① 我が国では、歪んだ(ひしゃげた)作品が持て囃される傾向が強いです。
② 大きく割れた平皿であっても、堂々として売られ、しかも高価な値段が付いている場合も
あります。
以上が前回までのお話です。
③ 釉の剥がれ、釉の斑(むら)、窯変のある作品も売買されています。
一般に釉の剥がれや斑のある作品は、欠点とされ市場に出回る事はほとんどありません。
特に大量生産された焼き物では、均一に掛けられた釉であり、斑があるのは見る事もありません
しかしながら、陶芸家の作品では、堂々と展示販売される事も稀ではありません。
) 自分の窯を持ち作品を焼いている人にとって、常に釉の擦れ(かすれ)や釉剥げ、斑の
無い作品を作る事は中々難しい事です。釉を掛ける方法は色々ありますが、基本的には一個
づつ手で釉を掛ける事が多いです。その際、釉の掛け方及び手順によっては、斑に掛かる事も
ありますし、釉の濃度の差によって斑模様に成る事も多いです。更に、釉は直ぐに沈殿して
しまいますので、攪拌しながら、施釉しなければ、作品間に釉の濃淡の差が出る事に成ります
攪拌のタイミングによっては、釉の濃度に差が出てくる訳です。
) 釉が良く磨り潰されている場合と、磨り潰しが不完全の物では、焼き上がった作品の表情
に差が出ます。又磨り潰した粒子が粗い場合には、十分熔けきらずに点々とした状態で表面に
浮き出てくる事もあります。これも失敗と見るか、景色と見るかは判断が分かれます。
) 釉の一部が擦れる場合もあります。大量生産の作品ではほとんど見る事はありません。
施釉時に作品の一部を濡れたスポンジで拭いたり、水に漬けるなどすると、その部分の釉は
薄くなります。一般に釉が極端に薄くなると、どんな釉でも光沢の無い赤味掛かった茶色、
又は褐色に発色します。施釉した部分の釉が、各種の作業中に薄くなる場合もあります。
釉の種類にもよりますが、窯詰めや作品の底の釉を剥がす際など、施釉した部分を手(指)で
触る必要があります。触った部分の釉の厚みが剥がれたり、薄くなる場合もあります。何度も
持ち替える、一層釉が薄くなり、焼成後には斑に成ってしまう場合もあります。
更に、何らかのアクシデントによって、窯詰めの際やそれ以前に釉が剥がれる事があります。
この段階では修復可能ですが、何らかの理由で見逃す事も多いです。剥がれた状態で本焼き
すれば、当然釉剥げとなります。
) 特に炎の出る窯の場合、窯焚きの仕方によって釉の発色の仕方が変化します。
ご存知の様に、酸化焼成と還元焼成では、釉の色が違う釉も多いです。特に銅を使用した釉に
多いのですが、石灰系の透明釉でも、酸化、還元焼成とでは色が異なります。
即ち、還元ではグレー掛り、酸化焼成では明るいベージュ色になります。
更に、窯の雰囲気を一定に保ちたいのですが、容積の大きい窯程、窯の中では一定にする事は
難しくなります。それ故、同じ釉であり同じ窯で焼いたとしても作品の色は微妙に変化します
) 思いがけずに良い色に仕上がった場合、「窯変」と呼ばれる現象が起こる事もあります。
窯内の作品全体が「窯変」する事は少なく、一部の作品に起きる事が多いです。偶然性が
大きく、再び同じ様には出来ないのが、「窯変」の悩みでもあります。
以下次回に続きます。