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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 13 衣類や部屋の汚れ

2014-10-28 21:52:03 | 素朴な疑問
粘土を取り扱っていると、衣服と作業部屋や周囲が汚れます。

この様な状態ではどの様に、改善したら良いのでしょうか?

 粘土は微細な粒子の集合体です。それ故、空中に舞い上がり、自然落下により部屋に降り注ぎます

 又、轆轤作業などでは、大量の水を使い泥(どべ)を発生させる必要があります。

 更に、釉には着色材として、酸化金属などが含まれています。

 これらの鉱物類は単体として、有毒なものは少ないのですが、塵となって空気中に漂い、人の

 呼吸と伴に、体内に吸い込む事になると、問題が発生する場合もあります。特に粘土は元々岩石が

 風化して出来たものですので、大量に吸い込むと有害です。塵肺(じんぱい)と言う職業病が

 あります。以前は主に石工達や、汚れた空気の中での作業で掛かった病です。即ち、石の粉塵が

 肺に溜まる病ですが、陶芸に於いても同じ様な環境ですので、塵肺を発祥する恐れがあります。

1) 細かい塵は、長い間空気中を漂います。石の粉ですが直ぐには落下しません。

 部屋の換気を良くし、空気中の塵を外に出す事も大事ですが、常日頃の掃除も大切です。

 一晩おくと、空気中の塵は床に落ちますので、翌朝綺麗に掃除する必要があります。

 結構の量が確認されます。当然、掃除の際には、水や霧を吹いて塵を巻上げない事です。

 轆轤挽きは別名「水挽き」と言われ、粘土の表面を水で濡らし泥を出して、手指が良く滑る様に

 します。それ故、手や指の他、衣類は確実に汚れます。

 ① 轆轤は回転していますので、泥は外側に飛び散る事になります。

  轆轤には「ドベ受け」と呼ばれる物が付随し、飛び散る泥を受け止める装置が付いています。

  但し、これで完全に泥の飛び散りを防げる訳ではありません。「ドベ受け」よりも大きな大皿

  などの場合は、「ドベ受け」が使えません。又背の高い作品の場合も、ドベ受け」の外に、

  泥が飛び散る事もあります。 泥の飛び跳ねを少なくする事はできますが、完全に無くす事は

  できません。

 ② 削り作業で細かい粉が、飛び散る事になります。水挽きの状態では、粘土は濡れています

  ので、空気中に漂う事はありませんが、削り作業では、完全ではないが、乾燥状態ですので、

  飛び散った粘土の粉は空気中に漂う事に成ります。

2)衣類の汚れ。衣類に泥が付いた時の処置。

 ① 泥が付いたからといって、直ぐに水拭きする方法は最悪です。肌理の細かい泥は、水拭き

   する事で、薄く伸ばす事になりますので、汚れの範囲を拡大させる事に成ります。

 ② 衣類に付いた泥は、布目の間に入り込みます。それ故簡単には取れません。

   乾燥させてから、手で揉む事と更に、それをはたく事で取る事ができます。

   乾燥させると、多くの粘土は白っぽくなりますので、乾燥している状態を知るのは容易です。

   エプロンなどを着用する事が多いですが、轆轤作業では、意外と足元や靴が汚れ易いです。

 ③ 最終的には、水洗いする事に成りますが、他の衣類と一緒に洗う前に、泥で汚れた衣類は

   単独で水洗いした後に、一緒に洗う事になります。

   但し、幾度も「すすぎ」をおこなっても、汚れが出て澄んだ水には成りません。

3) 釉による汚れ。

  釉には酸化金属を含むものが多いです。特に酸化鉄(赤錆=あかさび))は強烈です。

  それ故、白い衣類は敬遠した方が無難です。

 ① 釉による汚れは、容器に入っている釉を掻き混ぜる際に発生し易いです。

  釉は固まり易いですので、施釉する際、攪拌する事に成ります。その際勢い余って釉を跳ね

  飛ばす事が多いです。

 ② 大きな作品に施釉する際にも、釉が周囲に飛び散り易いです。それ故、近くに施釉が完了

  している作品を置かず、遠くに移動させる必要があります。

  施釉方法では、浸し掛けは比較的安全ですが、吹き付け方法は一番条件が悪いですので、それ

  なりの設備が必要です。

 ③ 床に飛び散った釉は、床に「こびり付いて」いて乾燥しています。ブラシ(歯ブラシ)などで

  浮き上がらせてから吸い取ります。

いずれにしても、粘土や釉の微粉末は、健康に害になりますので、掃除の際には「マスク」を着用

する事を薦めます。
 
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