施釉陶磁器の場合、施釉する前に、素焼きを行うのが一般的な方法です。
施釉陶器きでも、素焼きをせずに本焼きを行う作家さんもいます。
又、施釉しない陶磁器、即ち「焼締」と言われる陶磁器では、原則素焼きを行いません。
1) 縄文や弥生式土器は、素焼き程度の温度で焼成されています。
当時は、熱を閉じ込める窯が発明されてなく、温度の上昇も高くはありませんでいた。
但し、使用に耐える工夫がなされていました。
2) 現在素焼きを代表する例として、素焼きの植木鉢があります。
施釉した植木鉢より、水を吸い込んだり吐き出したりして、呼吸する為、過湿や乾燥から植物を
守り、植物の成長に良い環境を与えます。但し、機械的強度が弱いのが難点です。
3) 素焼きしてから施釉する方法は、大陸から伝わった技術と言われています。それまでは「生掛け」
の方法が取られていました。 素焼きは施釉する際や、その後に起こる乾燥時や、本焼き中の
作品の破損を予防する為に行います。
① 施釉する際に破損し易い。
素焼き前の状態を「生(なま)」と呼んでいます。「生」の状態では素焼きに対し機械的強度
が劣ります。少しの衝撃で破損する事は稀ではありません。強度的に不安定な状態での施釉は
神経を使いますし、大きな作品では持つ事すら怪しくなります。
② 施釉時に破損し易い。
) 施釉は完全に乾燥した後に行いますが、乾燥した土は「もろく」、更に強い吸水性が
あります。施釉の方法にもよりますが、一般的な「漬け掛け」や「流し掛け」などでは、
泥漿(でいしょう)化した釉を使い、作品に水を吸収させる事で一様に釉を掛ける事に成り
ます。
) 水を吸った「生の土」は確実に膨張します。また表面の一部は水で溶かされます。
水を吸った土は、強度的に弱くなり、膨張の影響で破損の原因に成ります。
)素焼きをせずに釉を掛ける事を「生掛け」と言います。釉との密着度が良いと言われ、
この技法を、積極的に取る人もいます。又釉の発色も若干異なるとも言われています。
③ 施釉後の破損。
上記作業が無事に完了しても、時間を置くと破損する場合が出てきます。
施釉は短時間で終わりますが、釉の水分は徐々に作品の中に浸透して行きます。
土の内部まで、水が浸透すつと土全体が溶け始め、自分の重さに耐えられなくなり、崩壊します
以上の事柄は、粉引き(こひき)でも同様な作業に成りますので、粉引きの失敗原因として良く
取り上げられています。
④ 焼成時の破損。
水を大量に含んだ土を、焼成する時は特にゆっくり温度上昇をしなければ成りません。
温度上昇と共に、大量の蒸気が発生し、土が膨張し破損し易いです。更に窯の中に水滴が溜まり
施釉した作品の上に落下し、汚いシミを残す場合があります。
以上の様な事を予防する為、素焼きの方法を採用する事で、焼成による失敗率は大きく低下したと
言われています。(作品の歩留まりが良くなります。)
以下次回に続きます。
施釉陶器きでも、素焼きをせずに本焼きを行う作家さんもいます。
又、施釉しない陶磁器、即ち「焼締」と言われる陶磁器では、原則素焼きを行いません。
1) 縄文や弥生式土器は、素焼き程度の温度で焼成されています。
当時は、熱を閉じ込める窯が発明されてなく、温度の上昇も高くはありませんでいた。
但し、使用に耐える工夫がなされていました。
2) 現在素焼きを代表する例として、素焼きの植木鉢があります。
施釉した植木鉢より、水を吸い込んだり吐き出したりして、呼吸する為、過湿や乾燥から植物を
守り、植物の成長に良い環境を与えます。但し、機械的強度が弱いのが難点です。
3) 素焼きしてから施釉する方法は、大陸から伝わった技術と言われています。それまでは「生掛け」
の方法が取られていました。 素焼きは施釉する際や、その後に起こる乾燥時や、本焼き中の
作品の破損を予防する為に行います。
① 施釉する際に破損し易い。
素焼き前の状態を「生(なま)」と呼んでいます。「生」の状態では素焼きに対し機械的強度
が劣ります。少しの衝撃で破損する事は稀ではありません。強度的に不安定な状態での施釉は
神経を使いますし、大きな作品では持つ事すら怪しくなります。
② 施釉時に破損し易い。
) 施釉は完全に乾燥した後に行いますが、乾燥した土は「もろく」、更に強い吸水性が
あります。施釉の方法にもよりますが、一般的な「漬け掛け」や「流し掛け」などでは、
泥漿(でいしょう)化した釉を使い、作品に水を吸収させる事で一様に釉を掛ける事に成り
ます。
) 水を吸った「生の土」は確実に膨張します。また表面の一部は水で溶かされます。
水を吸った土は、強度的に弱くなり、膨張の影響で破損の原因に成ります。
)素焼きをせずに釉を掛ける事を「生掛け」と言います。釉との密着度が良いと言われ、
この技法を、積極的に取る人もいます。又釉の発色も若干異なるとも言われています。
③ 施釉後の破損。
上記作業が無事に完了しても、時間を置くと破損する場合が出てきます。
施釉は短時間で終わりますが、釉の水分は徐々に作品の中に浸透して行きます。
土の内部まで、水が浸透すつと土全体が溶け始め、自分の重さに耐えられなくなり、崩壊します
以上の事柄は、粉引き(こひき)でも同様な作業に成りますので、粉引きの失敗原因として良く
取り上げられています。
④ 焼成時の破損。
水を大量に含んだ土を、焼成する時は特にゆっくり温度上昇をしなければ成りません。
温度上昇と共に、大量の蒸気が発生し、土が膨張し破損し易いです。更に窯の中に水滴が溜まり
施釉した作品の上に落下し、汚いシミを残す場合があります。
以上の様な事を予防する為、素焼きの方法を採用する事で、焼成による失敗率は大きく低下したと
言われています。(作品の歩留まりが良くなります。)
以下次回に続きます。