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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

窯の種類と歴史 6 (登窯1)

2010-10-22 22:07:31 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
5) 登窯 (のぼりかま)

  登窯では、薪を使用する為、自然の炎による、釉の変化が現れ、予想外に、すばらしい焼き物が、

  出来ますので、今でも使用している、窯元もあります。

  ①  登り窯は、斜面に数個の焼成室を、連続させて築いた窯で、手前から胴木間(どうぎま)と言う

    「焚口」、「第1、第2、第3・・・燃焼室(燃成室)」と続きます。燃焼室は、小型の窯で3~4室、

     大型の窯では、12~13室程度有りました。最上段の室には、煙突が付けられています。

   ・ 燃成室(房)の多い窯は、共同窯として、使用されていました。

  ② 最前部の燃焼室で、炙(あぶり)焚きをして、順に上にある燃成室に、炎と熱が伝わりますので、

    廃熱を上手に、再利用した、熱効率の良い窯です。 

  ③ 連房式の窯は、焼成室(房)を、隔壁(狭間=さま)で仕切り、連続させた長大な窯で、窖窯

    より経済的で、熱効率も良く、大量生産が、可能に成ります。

  ④  登窯の特徴

   ) 登窯の特徴は、同時に、多品種の製品が、焼ける事で、下の間は磁器を、上の間は陶器や、
 
     「器」を焼く事も、可能です。 又、室ごとに、酸化、還元が設定できる事です。

   ) 廃熱を、有効に使用する事

     窯焚きは、最下段の窯から、行いますが、倒焔窯である為、第一室の焔は、天井に上った後、

     壁に沿って下降し、隔壁(狭間=さま)を通り、次の室に流れます、この廃熱は、次の室の製品を、
 
     暖める、所謂、焙り(あぶり)を行う事に、成ります。
    
  ) 短所

   a) 窯の中の温度差が、大きい

     天井の部分(天と言う)と、窯底の部分(根という)では、約50℃程度の開きが、有る事も、

     珍しく有りません。勿論窯の傾斜角度によって、差は変化します。

   b) 窯の両横方向から、薪を投げ入れるので、側炎と成ります。「差木(さしき)口」と言う。

     その為、焼成は、不均一に成り易いです。 温度を均一にする為、さま(狭間)穴の大きさを

     変えたり、穴の数や、位置を変えて、調節していた様です。

   c) 燃料は薪ですので、上手に空気を、送り込まないと、不完全燃焼と成り、温度が上がりません。

      又、燃えた後に、灰やおき(燃えカス)が残り、取り除く等の、作業が必要に成ります。

      即ち、窯焚きは、難しい作業で、窯焚き専門の、職人が居ました。

   d) 一度窯に点火すると、昼夜を問わず、焼き続ける事に成ります。大きな窯では、一週間以上

      掛かる事に成ります。それ故、窯を焚く人数も、多数必要に成ります。
 
  ⑤ 登窯の構造

以下次回に続きます。

 登窯
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