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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

楽焼 1

2010-09-06 21:45:39 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
陶器には、本焼きと楽焼が有ります。

これは、土の違いと言うよりも、焼成温度の違いが、最も大きいです。

本焼きでは、一般に1200℃以上で焼成しますが、楽焼では900℃以下で焼成します。

・ 楽の意味は、作品を作るのに、容易で楽である、気楽である、楽しい、幸福であり、

  道具も使わずに、手捻りで、簡単に楽しく出来る事から、この名前が付いた様です。

・ 創始者は、楽家、初代長次郎と言われています。

  千利休の指導の下、抹茶茶碗を作り、織田信長等に、献上しています。

  二代目の、弟の常慶(つねよし)の時、太閤秀吉に献上した際、「楽」の金印を授かり、以後姓を楽に

  改め、作品に「楽」の印が押される様に成ります。

・ 焼きが甘い、楽焼では、茶碗を第一とし、他に、水指、香合等、特別の用途に、使用される

  場合が、多いです。

1) 陶土について

   本焼き用の陶土を、使う場合も有りますが、楽焼用の土を使う方が、安全です。

  ① 楽焼用の土は、粗目の土が良く、「ざんぐり」した焼き上がるに、特徴が有ります。

    やや肉厚に成形しても、重さが感じられない、土が理想的です。

    それには、粗目の土や、砂を混入させて、調合する場合もあります。

    勿論、陶芸材料店で、楽焼用の白い土と、鉄分が多く、赤味に焼き上がる、赤土が有ります。
  
  ② 急熱急冷で焼成する楽焼では、温度変化に対して、十分耐える必要が有ります。

    粒子の粗い土は、この条件に適うものです。

    粘土は、900℃位で焼成すると、熱膨張が非常に少ないそうで、割れや亀裂が入り難いです。

    ・ 可塑性の大きな粘土に、シャモット(焼粉)を1/3程度混入すると、急熱急冷に適する土を

      作る事が出来ます。

  ③ 赤楽は、白素地を用い、「泥しょうした黄土」を掛け、焼成すると、黄土の酸化鉄が発色を、

    助け赤くなると、言われています。

2) 楽焼の成形や、加装飾方法は、本焼きと同じですが、手捻りの方が、面白味のある、

   味わい深い、作品に仕上がります。

3) 素焼は、本焼きより、若干温度を高くします。本焼きが700℃以上なのに対し、800~1000℃は

   必要です。これは施釉後の焼成が800℃程度ですので、本体が焼き締まらず、弱い為、素焼の

   段階で、少しでも、強度を出す為です。

4) 絵付け

   観光地などで、絵付けの体験コナーを、良く見かけます。素焼された小皿や、湯呑みなどに、

   用意されている、数種の顔料(下絵の具)で、思い思いの絵柄や、文字を筆で塗っていきます。

   絵が完了すると、店員が直ぐに施釉し、30分も経たない内に、完成品となって、受け取る事が

   出来ます。

   絵付けは素人でも、それ成りに、失敗が少なく、描く事が出来ます。

5) 楽焼の釉について

以下次回に続きます。

楽焼

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