前回に引き続き、鑑識、鑑定、鑑別の話をします。
5) 補修、改変を見分ける
陶磁器は、壊れ易い性質がある為、使用中や、不注意により、割れたり、欠けたりします。
(発掘品では、ほとん無傷の物は、ありません。)
① 価値の低い安価な物ですと、破棄しても、さほど苦には成りませんが、貴重な物や、思い入れの
ある作品では、補修して使う事も、稀では有りません。
② 又、後世に、作品を自分好みに、改変する事も有ります。具体例は、後で述べます。
③ 新作物を、古い時代の作品に、見せかける、時代付けを、行った作品も有ります。
以上の様な、作品を見分ける必要が有ります。以下詳細を述べます。
① 補修
破損した品物は、補修する事により、表面的に元の状態に、戻す事が出来ます。
) 補修は、ほとんどの場合、割れた破片を使います、他の物と置き換える場合も、有りますが、
再焼成しないで、修繕する方法です。
補修は、一見して直した所が、判りますので、鑑定の必要は、有りません。
但し、補修が適切に行われているか、の問題は別です。
) 二度焼き
割れた物を、誤魔化す為に、釉を付けて再度焼成する方法です。
又、擦り傷や、色褪せた作品に、同種類の釉を掛けて、傷を隠したり、色を綺麗にする
場合も、有ります。この方法ですと、ニ度焼きしたものかどうか、判別は難しいです。
・ 江戸時代には、釉付け又は、釉継ぎと言い、割れた陶磁器を、釉を塗り、再焼成する商売も
有ったそうですので、一般的な方法であったと、思われます。
骨董の世界では、補修した物も結構多く、無傷の物の方が、稀かも知れません。勿論骨董価値は、
無傷の物の方が、高いですが、補修されている事を、承知でしたら、何の問題も有りませんが、
無傷と思った物が、補修品だと判ると、「がっかり」するかも知れません。
② 改変
元々無地や、下絵付け(染付け)された作品に、後世に上絵付けを施す、後絵付けが有ります。
当然、最初の作者と、上絵を付けた人(又は注文した人)は、別人です。
改変した作品が、元の作品より良くなったかは、評価が分かれる所ですが、作品の雰囲気が
大幅に変化する事は、確かです。
) この後絵付けを、鑑定する事は、その道に詳しい人ならば、それなりの方法も有ると思いますが、
小生には、残念ながら判りません。
) 呼び継ぎ
割れた破片が無く、補修できない場合、類似した作品を、探し出し、加工して 継ぎ足し、
一つの作品に、仕上げる方法を、呼び継ぎと言います。
釉の色合いの差などや、接合部の不自然さなどで、見分ける事が、出来る場合も多いです。
・ 補修の為だけでなく、本来そこには無かった物を、後から継ぎ足し、別の形にしてしまう
改変も有ります。
(余談ですが、昔土器の復元で、見栄えの為に、本来無かった蛇を、後付けして、問題に成り
新聞で報道された事がありました。)
③ 時代付け、調子付け、色付け
古い時代の物に見せる為、作品に細工する事です。
) 土の中に埋める
発掘品の様に見せる為や、古い時代に見せる為に、土の中に埋めて置きます。
土の中では、ガラス質の釉は、風化し、やや変色して、濁った感じに成ります。
) 酸に漬ける
土の中に埋めて、目的の色にするには、時間が掛かりますので、より短時間で効果が出る
様に、酸液に浸し、ガラス質を変化させ、古色に仕上げる方法もあります。
) 新作を、使い古した物に見せる為、わざと、擦り傷を付けたり、釉の表面を、僅かに削り
取る方法、表面の貫入部分に、汚れなどを付ける方法など、あの手この手で、
古く見させ様とします。同時代に、同じような作品が、無い場合などは、特に注意する
必要が有ります。
何れも、偽装工作であり、詐欺ですので、色艶だけで判断するのは、危険です。
陶磁器の補修、改変
5) 補修、改変を見分ける
陶磁器は、壊れ易い性質がある為、使用中や、不注意により、割れたり、欠けたりします。
(発掘品では、ほとん無傷の物は、ありません。)
① 価値の低い安価な物ですと、破棄しても、さほど苦には成りませんが、貴重な物や、思い入れの
ある作品では、補修して使う事も、稀では有りません。
② 又、後世に、作品を自分好みに、改変する事も有ります。具体例は、後で述べます。
③ 新作物を、古い時代の作品に、見せかける、時代付けを、行った作品も有ります。
以上の様な、作品を見分ける必要が有ります。以下詳細を述べます。
① 補修
破損した品物は、補修する事により、表面的に元の状態に、戻す事が出来ます。
) 補修は、ほとんどの場合、割れた破片を使います、他の物と置き換える場合も、有りますが、
再焼成しないで、修繕する方法です。
補修は、一見して直した所が、判りますので、鑑定の必要は、有りません。
但し、補修が適切に行われているか、の問題は別です。
) 二度焼き
割れた物を、誤魔化す為に、釉を付けて再度焼成する方法です。
又、擦り傷や、色褪せた作品に、同種類の釉を掛けて、傷を隠したり、色を綺麗にする
場合も、有ります。この方法ですと、ニ度焼きしたものかどうか、判別は難しいです。
・ 江戸時代には、釉付け又は、釉継ぎと言い、割れた陶磁器を、釉を塗り、再焼成する商売も
有ったそうですので、一般的な方法であったと、思われます。
骨董の世界では、補修した物も結構多く、無傷の物の方が、稀かも知れません。勿論骨董価値は、
無傷の物の方が、高いですが、補修されている事を、承知でしたら、何の問題も有りませんが、
無傷と思った物が、補修品だと判ると、「がっかり」するかも知れません。
② 改変
元々無地や、下絵付け(染付け)された作品に、後世に上絵付けを施す、後絵付けが有ります。
当然、最初の作者と、上絵を付けた人(又は注文した人)は、別人です。
改変した作品が、元の作品より良くなったかは、評価が分かれる所ですが、作品の雰囲気が
大幅に変化する事は、確かです。
) この後絵付けを、鑑定する事は、その道に詳しい人ならば、それなりの方法も有ると思いますが、
小生には、残念ながら判りません。
) 呼び継ぎ
割れた破片が無く、補修できない場合、類似した作品を、探し出し、加工して 継ぎ足し、
一つの作品に、仕上げる方法を、呼び継ぎと言います。
釉の色合いの差などや、接合部の不自然さなどで、見分ける事が、出来る場合も多いです。
・ 補修の為だけでなく、本来そこには無かった物を、後から継ぎ足し、別の形にしてしまう
改変も有ります。
(余談ですが、昔土器の復元で、見栄えの為に、本来無かった蛇を、後付けして、問題に成り
新聞で報道された事がありました。)
③ 時代付け、調子付け、色付け
古い時代の物に見せる為、作品に細工する事です。
) 土の中に埋める
発掘品の様に見せる為や、古い時代に見せる為に、土の中に埋めて置きます。
土の中では、ガラス質の釉は、風化し、やや変色して、濁った感じに成ります。
) 酸に漬ける
土の中に埋めて、目的の色にするには、時間が掛かりますので、より短時間で効果が出る
様に、酸液に浸し、ガラス質を変化させ、古色に仕上げる方法もあります。
) 新作を、使い古した物に見せる為、わざと、擦り傷を付けたり、釉の表面を、僅かに削り
取る方法、表面の貫入部分に、汚れなどを付ける方法など、あの手この手で、
古く見させ様とします。同時代に、同じような作品が、無い場合などは、特に注意する
必要が有ります。
何れも、偽装工作であり、詐欺ですので、色艶だけで判断するのは、危険です。
陶磁器の補修、改変