ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「イソジン吉村」と「雨ガッパ松井」と「ミヤネ屋」と

2020年08月12日 | 日本とわたし

吉村府知事〝インサイダー騒動〟 関連銘柄の株価上昇で風説の流布、株価操縦に当たる可能性も
【東スポWeb】8.12.2020
引用:
府政関係者:
問題なのは一部の者しか知らないはずの情報が漏洩していること。
府庁内では、職員に情報管理をうるさく言う一方で、自らが民放と組んで、あおるような生中継をしてるから、あまりにも露骨で開いた口がふさがらない。
当の『ミヤネ屋』に、知事は会見の翌々日に出演し、司会者やコメンテーターにヨイショされてましたけど、振り回された側の府民や医療関係者は、どんな気持ちで見ていたのでしょうか。

『ミヤネ屋』は、「コロナ治療効果が期待できる薬発表へ」とテロップを打ち、事前に知っていた以上、維新関係者から支援者まで知っててもおかしくはないとも推認できる
知事の周りが“シロ”だという説明にはなっていません。

株式市場関係者:
関連銘柄の株価は会見後に上がっており、医学的に効果がないと今後判明した場合、効果があるように記者会見で呼び掛けたこと自体、市場を混乱させた風説の流布、株価操縦など法に触れる可能性もある。

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コロナ禍をいい加減な対応でやり過ごそうとしたり、混乱を利用して、自分たちの思惑通りの政策を通そうとしたり…。
安倍政権下の首都・大都市の知事や市長の中に、けしからん言動を繰り返す者がちらほら見受けられます。
その一例。
都構想の住民投票をいまだに実施しようとしている大阪…。

吉村知事の説明の中に出てきた『はびきの医療センター』。
問題の会見では、松井大阪市長が、「大阪府市とはびきの医療センターで、5月から研究した成果を黙っとけっていうの?」と言ってたのですが…。

で、この臨床実験ですが、コロナ感染者の宿泊療養施設にいた軽症者41人を対象に、4日かけて実験したもので、成果を公言するには人数も回数も少な過ぎます。



結局市中からはイソジンが消え、医療現場でも枯渇し、大変な騒ぎに発展してしまいました。
そしてこの件を生中継した『ミヤネ屋』は、実に生中継らしくない下準備をしています。
例えば、番組が始まる午後1時55分の時点で、すでにこんな予告テロップを出していました。
「【速報】”コロナ”治療 効果が期待できる薬発表へ 大阪吉村知事&松井市長会見」
会見は2時20分頃から始まり、その15分後の2時35分には、手書きではなくきちんとデザインされたフリップ(「ポビドンヨードとは」「ポビドンヨードが感染対策に有効な理由」「重症化を防ぐ特効薬か?」「世紀のスクープ?」)が次々に出されました。
『ミヤネ屋』のスタッフ、そして司会者の宮根氏、その日の出演者にも、イソジンをイチオシしようという吉村&松井コンビの意図は伝わっていたはずです。

この会見後、シオノギの株価が一気に上昇しました。
知事や市長、臨床実験関係者、そして番組スタッフや出演者、例えその中のたった一人でも、ポビドンヨード関連株を買える立場にあったとしたら…。
そして冒頭の、テリー伊藤氏のインサイダーコメント。
インサイダー取引(犯罪的行為)の可能性が無きにしも非ず、と思うのはわたしだけではないでしょう。

兎にも角にも、大阪は大変な状態になっています。
なのにまだ、都構想を何がなんでもやろうとしていて、その財政シミュレーション修正が行われました。
こんな予算の組み方をしているのを見ると、府民、市民のことなど何にも考えていないのだなと思います。
自民党そっくりです。

① コロナ影響前の3月公表データで試算 
② コロナでごみ収集労働の重要性がわかったのに、いまだ人件費削減で、69億円(10年間)の改革効果を強調 
③ 府と市の病院の予算を大幅に削減

一体何を考えているのでしょうか?




いっぱい我慢させられてきた子どもたち、必死で治療に当たってる医療関係者さん、腹立つやろなあこんなことする人らに

2020年08月10日 | 日本とわたし
クラスターフェス。
一体なんのこっちゃと思って調べたら…。
国民主権党の平塚正幸が主宰したそうで、マスクもソーシャルディスタンスも三密を避けることも自粛も必要が無い、という主張に賛同した人たちが集ったようです。




こちらでも、トランプ大統領の主張に賛同して、マスクも三密もソーシャルディスタンスも自粛もしない、アメリカ人の誇りを取り戻せ!などと言って集会を行った人たちが感染拡大の元になり、大変なことになっている州が少なくありません。

マスクの効果は実証されています。
どうやってもリスクゼロにはなりませんが、感染を抑えるための態度を取り続ければ効果が出ることも実証されています。

やめてください!

安倍首相が広島と長崎で晒した、前代未聞のふざけっぷりと記者のふぬけっぷり

2020年08月10日 | 日本とわたし
これはニュージーランドのアーダーン首相が、広島原爆の日に寄せたメッセージです。
世界が新型コロナウイルスに対応するチャレンジに直面し続けるなか、広島と長崎への原爆投下から75年を迎え、世界で起きた出来事の破滅的な影響を思い起こさせます。
1945年8月、世界は核兵器が何をもたらすのかを初めて目にしました。
最悪の結果を生み、爆撃の衝撃で亡くなっただけではなく、その後も長く続く放射能の後遺症で、人々に想像もできない苦しみや被害をもたらしました。
それ以降も、太平洋などでの核実験による悲惨な影響を目にしてきました。
現存する1万3000個以上の核弾頭の一つ一つが、広島や長崎で目の当たりにしたよりも強大な破壊力を有しています。
たった一つの爆弾が、破滅を意味します。
そして、核戦争がそこで終わるとは誰も信じてはいません。
数百万人の命を一瞬にして奪い、環境に取り返しがつかないダメージを与えます。
専門家は、いかなる国家や国家の集団、国際的な組織も、核戦争の影響に備えたり、対処したりすることはできないと警告しています。
備えることができないのなら、食い止めるしかないのです。
国連のグテーレス事務総長も言うように、国際的なコミュニティは、核の非武装化に向けた取り組みを再度活性化させなければなりません。
人間性を守ると呼んでいます。
他人や将来の世代に残すことのできる課題ではありません。
ですからニュージーランドは、大多数の国連加盟国とともに、核兵器禁止条約を採決したのです。
私は、核兵器根絶に向けて必要不可欠なステップとして、そして全ての核保有国の核兵器ゼロの達成を含めた地球規模の交渉を求めて、他国もこの動きに加わり、このランドマークな条約を広めることを要請します。
このことが唯一、広島と長崎への原爆投下や、太平洋などでの核実験によって苦しめられた人たちに対する報い、レガシーとなるのです。

そして以下は、日本の安倍首相が記念式典に参列し、そこで述べた挨拶文です。


左が広島、そして右が長崎です。
字が細かくてよく読めませんが、水色の部分のみが変えられているだけの、ほぼ同じ文章であることがわかります。
本文を読みたい方は、こちらで読めます。

そしてあろうことか、こんな事が判明しました。

これはひどい、ひど過ぎます。
どの記者会見もこの調子で、自らが答える文章のみならず、記者が質問する内容まで一言一句書き記されています。
これがどんなに異常なことか。
ここまでふざけたことをする人間が政治の頂点に居座っているから、ここまで国が壊れてしまったと思います。
これを見て、フリガナ抜きで読めてるじゃん😅と、かなりやけくそになってる意見もちらほら。
いつの間にここまで政治家に対する許容点が低くなってしまったのでしょう?
記者も記者です。
共犯者のような態度を一向に止めようとしません。

そして…。

1日も早く安倍政権を政治の世界から引きずり下ろし、
核の非武装化に向けた取り組みを再度活性化させ、大多数の国連加盟国とともに、核兵器禁止条約の採決に日本も参加しなければなりません。
世界で唯一の、二度にもわたる原爆被爆国なのですから。

米国「真夏の長い長い停電」事情

2020年08月09日 | 米国○○事情
78時間に及ぶ長い長い停電が終わった。
ハリケーン「イサイアス」が、うちの近辺を通過したのが火曜日。
予報は出ていた。
なので裏庭のテントを畳んだり、地下室への扉や窓の点検も済ませた。
雨はさほど酷くは無かったけど、風がだんだん強まってきて、お昼過ぎからは大きな木が根元から横倒しになるほどの強風が、何度も何度も吹き荒れた。
救急車や消防車が何台も走っていた。
そのうちの何台かは、かなり近くにまでやって来て止まった。
外に出るのは危険なので、部屋の窓から離れたところで様子を見ていた。
いつもは空を覆い隠している雑木が、一瞬視界から消えて、ぽっかりと青空が見えたのにはびっくりした。
すぐにまた戻ってきて空が見えなくなったと思ったらまたぽっかり…凄まじい強さの風だった。
カエデの爺さん、大丈夫かな…。

3時間ほど経って、やっと風がおさまった。
やれやれと思ったら、急に電気が消えた。
あ、停電だ。
アメリカに越してからびっくりしたことは色々あるけど、停電した時の復旧の遅さがそのひとつだった。
1〜2時間だったら超速、半日は普通、1〜2日は許容範囲で、何年かに一度は3日以上待たされる。
今回はその何年かに一度の大被害だった。

うちの庭続きの家のカエデの枝がフェンスに落ちた。


同じ木の違う枝が、うちの一階の屋根にも落ちた。

うちは枝だけだったけど、根元から丸ごと倒れた木に家の半分を破壊されたり、車が2台ぺしゃんこになった所もあったそうな。
カエデの爺さんは枝一つ落とさずに踏ん張ってくれた。
 
ちょっと可笑しかったのがこれ。自動で便器を掃除してくれるノズルが、ちょうど出てきたところで停電したっぽい。

夏場の停電は、冷凍冷蔵庫の中の食材が気になって気になって…ひとまず料理できそうなものは片っ端から料理して、と思ったけど、よく考えたら作り置きもできない。
ちょうどオーガニックの卵を2パック買ってしまってあったので、ゆで卵と出汁巻きを作った。

夫が酒店から氷の大袋を買ってきて、それを冷凍庫と冷蔵庫に分けてぎゅうぎゅうと入れた。
これでどれだけの時間がもつのかはわからないけど、何もしないよりはマシだろう。
けれども、目の端で見た夫の詰め込み方に一抹の不安を覚えた。
その不安が的中したのは、次の日に冷蔵庫の扉を開けた時だった。
しっかりと役目を果たしてくれた氷が水と化し、それがしっかりと閉じていなかったビニール袋いっぱいに溜まっていたが、辛うじて流れ出るのを邪魔していた扉が開いたのだからさあ大変。
いきなりジャア〜ッと音を立てて、大量の水が床に流れ落ちてきた。
ひゃ〜っと叫んで扉をバンと閉め、あちこち駆け回ってタオル集めて拭いたのだけど、今度はそのタオルを洗って干さなければすぐに臭くなってしまう。
使ったタオルは大小入れて20枚近くあった。
できるだけ乾くようにとぎゅうぎゅうと雑巾絞りをしているうちに、手のひらの皮がめくれてきた。
それがもう痛いのなんのって。
こういう時は手袋使えよな〜自分…。

おかずを作っては食べ、暗くなったらロウソクに火を灯す。
ありがたいことに、嵐が去った後は湿度も気温も下がり、電気の力を借りなくても朝晩は快適に過ごせた。
昼間もその朝晩の冷気がほどよく残り、家の中に居てさえすれば暑いと感じることは無かった。
コンロも温水器もガスなので、電気が使えなくても不便ではない。
問題は仕事だった。
オンラインレッスンが続いているので、インターネットが使えないとレッスンができない。
携帯電話を使おうにも、利用可能データが少な過ぎて話にならない。
夫のオフィスは停電していなかったので、二部屋ある診察室の小さい方を借りて、そこでレッスンができたらと行ってみたが、ストリーミングはしないで欲しいと言われて退散。
携帯電話を無制限パッケージに切り替えようかとも思ったけれど、停電中の地域に住んでいる生徒たちも居て、グズグズと思案していたら、「もういっそのこと夏休みにしたら?」と夫が言い出した。

さてさて、こういう場合にどういう行動に出るのが自分には一番良いのだろうか。
考えがなかなかまとまらない。
というか、電気と一緒に心も止まってしまったみたいな感じ。
冷凍冷蔵庫の中の食材がやけに気になって、なんとかしないとと考えてはため息をつく。
電力会社からの停電終了予想が、日曜の午後というトンデモな長さだったので、それでさらにため息が出る。
思考が集中したのは携帯電話とタブレットの電池補充のことだけで、建設的な展望も何も、散歩と庭の畑の野菜を採りに行く時以外は、ひたすら家の中に閉じこもっていた。

夫が提案する近場旅行(移動規制がかかっている州には行きたくない)にも、プチ贅沢外食(つい最近、店外での飲食は可能になった)にも、まるで心がなびかない。
家の中で座ったり歩いたりする他は、料理と読書と携帯電話でのSNS。
夜は真っ暗になるので、タブレットにダウンロードしておいた小説をひたすら読み続けた。

夕方に散歩すると道がやけに暗い。
どの家も真っ暗で、たまにジェネレーターを使っている家から灯りが漏れているぐらい。
まさかもう眠っているわけがないので、多分どこかに避難しているか旅行に出かけているかなんだろう。
夫は頑固に家の中に居座り続けるわたしに、かなりストレスを感じていたようだった。

まだあと2日あるね。
家の前の歩道に出ると、痺れを切らしたご近所さんたちと、何日の何時ごろに電力会社に文句の電話を入れたかの話になる。
もちろんソーシャルディスタンスは万全だ。
この通りに引っ越してきてから、何か困った事が起こったら、互いに救いの手を差し伸べる隣近所に恵まれたことを、何度感謝したかわからない。
まさかアメリカの、ニューヨーク郊外の住宅街で、こんなご近所付き合いができるとは思ってもいなかった。
食材が足りなかったり、余分に作ったおかずがあったり、病気や治療で痛い思いをしてたり、何か不穏な音が聞こえたり、そんな時に助けてもらったり助けたりできるご近所がある。
お国も人種も職業も年齢も宗教も生き方も、みんなてんでバラバラだけど、自分ちだけが良かったらとは思わない、けれども干渉もしない、とても心地良い付き合いがある。

同時にでっかくなったキュウリをせっせと採って、みんなにも食べてもらおうと渡していたら、いきなり電気がついた。
え?
まだ金曜日だけど?
40代50代60代の大人が、両手を上げてぴょんぴょん跳ねた。
そりゃ嬉しいよね。

今回の停電は長かったけど、電気の無い暮らしにはすぐに慣れた。
真っ暗な夜の中に、普段聞こえないいろんな音や、普段は見過ごしているいろんな光が交錯してた。
もちろん電気は便利でなくてはならない物だし、無かったらとても困るけど、この真っ暗闇の夜は心のデトックスになったかもと思う。

おまけ写真
一体どうしたいのかさっぱりわからなかったこの大型トラックさんの通せんぼ。
信号を5回見過ごしたけど、その間誰一人クラクションを鳴らさなかった。


アメリカ人のレジスター待ちと、こういうハプニング時の解決を待つ忍耐力はかなり高い。
よくアメリカ人は待てないとか辛抱しないとか言われるけれど、意外とみんな文句一つ言わずに待つ。
それもかなり長い時間でも。
もちろんズルする人や車には容赦しないけどね。

焼き場に立つ少年

2020年08月06日 | 日本とわたし

昨日のハリケーンの余波で停電になってから24時間。
復旧予定日は明日の夜中、ということですが、被害地域がかなり広いので、さてさてどうなるかは全くわかりません。
そして残念なことに、パソコン以外で記事を書いた事がないので、停電中は記事の更新ができません。

この日には毎年必ず、上記の記事を読み直します。
新しく読みにきてくださる方もちらほらいらっしゃいます。
ありがたいことです。

今日の広島の記念式典には、国会をどうしても開かない憲法違反の常習者、安倍首相が参列するそうですね。
またいつもの使い回しと評判の式辞をたらたら読んで、私は十分慰霊したとアピールするつもりなのでしょうか?

ところで、アメリカ人の核兵器についての考えが変わってきました。
75年も経たなければならなかった…のですが。

10年ほど前に、当時小学生だった生徒のケヴィン(彼は自分の前世は日本人だったと言った子です)が、社会のクラスで原爆のことを学び、大変なショックを受けていたのを思い出します。
「アメリカは絶対にやってはいけない間違いを犯した」
そう言って涙ぐみながらピアノを弾いていた姿が忘れられません。
そういう教育が小学校で行われていることを嬉しく思いました。
引用:
・アメリカの18歳から34歳を対象に、インターネットでアンケート調査を行った。
・核兵器を保有するアメリカでも70%余りが「必要ない」と答えた。
・その理由
「多くの人が死傷する」
「破壊的過ぎる」
「ほかにも問題を解決する方法がある」
核兵器の威力の深刻さを懸念する考えが多く見られた。

また、75年前にアメリカが原爆を投下したことについてアメリカ人に聞いたところ、「許されない」と答えた人は41.6%だった。

「キノコ雲の下で何が起きたか、ことばでは言い尽くせない地獄を経験させられたことを知ったうえで、『これはだめだろう』という人間としての感情がアンケートの数字に反映されている。
原爆投下によって戦争を終えることができたという神話がアメリカで長く続き、今でも受け入れられているが、この10年ほどで認識が大きく変わってきている。
これはアメリカでの教育の効果で、この問題が大事だと思ったときに、もっと本当のことが知りたいという精神が根付いている人が多い」

被爆国として日本はどう行動していくべきか、記念式典の時だけ思い出すのではなく、学校での教育でもどんどん取り入れていって欲しいと思います。


母の笑い声

2020年08月04日 | 家族とわたし
北アメリカ東海岸の真反対側、西海岸在住の、厄介な癌にかかった弟を、毎日電話することで支えている夫の姿を、よくまあ続くわと傍観すること早4年。
ふと気がついて、わたしも真似してみようと、頸椎の整形手術を受けてもなお足腰の痛みに苦しんでいる母に、インターネット電話を毎日かけるようになって1ヶ月半が経った。
始めた頃のことは、ここに書いた。

この頃から今までの間、痛みの軽減に効くと思われる健康機器や食品、そしてお茶や漢方を調べては伝え、色々と試してもらった。
母は85歳で足腰が弱り、トボトボとしか歩けない(母はそれが嫌で嫌でたまらない)のだけど、首から上は実に明晰で、最近になって手に入れたスマートフォンと新しいiPadを駆使している。
だからインターネットでの会話も検索も難なく出来るので、遠く離れたところに居るわたしでも何とか役に立たせてもらえるので助かる。
毎日話しているうちに、言葉や声の調子がだんだんと変わってきた。
「こんな人生もうイヤ!」とか、「何のために生きてるかわからん!」とか、何かというと口にしていた台詞を言わなくなった。
そうはいっても、治療ごとに、「変なとこばっかりに刺す」だの、「やってもらった方がしんどくなる」だのと、良いことは全く無いような口ぶりで、「それは経絡を考えて刺してるんやで」、「好転反応やで」と言っても聞く耳を持たない。
ここはとにかく、「もう止める」と母が言い出さないように気をつけながら話を聞いていたのだが、わたし以上に根気が良い先生のおかげで、文句が少しずつ減っていった。

2週間ほど経って、通うのが大変になってきたので、在宅治療に切り替えてもらった。
「保険適用にすると一回の治療費が安くなるので、少なくとも週に3回受けられますよ」と先生から提案があったのだけど、母はすぐに返事が出来なかった。
その保険を使うには、病院の診察と薬を断たねばならなかったからだ。
でも、痛みが激しいときに使っていた座薬の効き目が悪くなってきていたので、今が決め時かもしれない。
わたしは密かにそう思いながら、けれども母は自分で決めたい人なので、わたしからは何も言わずに待つことにした。
結局母は鍼灸治療のみを受けることにして、週3回の在宅治療が始まった。
鍼の先生のところには、遠い所から訪ねてくる人もいて、治療も鍼灸だけでは無いことがだんだんとわかってきた。
自分の話を3時間、延々と語っては泣き、また語っては泣いて、すっきりして帰っていく患者さんもいるらしい。
アプライドキネシオロジー(マッスルテスティング)を使ってアレルギーの有無を調べたり、母に合う楽な歩き方を教えてくれたりもする。
「あなたは栄養失調だ」と言い切って、母を憤慨させたりもする。
この件に関しては、東洋医学的に診てっていう話だからと、説明するのにかなり時間がかかった。
母にとっては初めてのことばかりで、いつもの母だったら毛嫌いしたり拒絶したり信じなかったりするのだけど、ありがたいことに今回は面白がっている。
きっと相性が合ったのだと思う。
なかなか無いことだから本当に嬉しい。
鍼灸と漢方、それから遠赤外線マットと矯正ベルトの着用、そして同じ姿勢を1時間以上続けないことを守ってもらううちに、突き刺さるような痛みが薄らいできた。
けれども、そんなふうに調子が良くなったと思ったらまた悪くなる。
全く眠れないまま夜が開けたり、トイレに行こうとしてバタンと倒れたり、痛みで目が覚めたり。
そんな時でも、絶望的な気持ちにならずに、また楽になる日が来ると思えるようになった。

♪〜幸せはー歩いて来ない、だーから歩いていくんだよ。一日一歩、三日で三歩、三歩進んで二歩下がる〜♪

これ、水前寺清子さんのヒット曲「365歩のマーチ」なんだけど(きっと昭和のど真ん中生まれでないと知らないかも)、母と話しているときにいつも歌う。
「もうええわ〜」って言われても歌う。
「三歩進んでも二歩下がったら一歩だけしか進まんかったってことやん」
「違うよ、二歩下がる時も歩いてるやん」
「なんで下がったかをよく考えると、その意味やら理由やらがわかってきて、次の一歩進むときに励みになったり役立ったりするかもしれんやん」
「そやし、歩みっていうのは進もうが後退しようが、全部大事で意味があることやねん」
えっへん!
と、ピアノ教師歴40年超えのプチ説教を始める。
いつもならそんな時は途中から話を変えたり邪魔したりする母が、最後まで聞いてくれるのでびっくりする。

室温や湿度が上がってきて、遠赤外線マットや矯正ベルトが使い辛くなるだろうと思い、除湿機や寝室用のエアコンを色々と探したのだけど、除湿機は全く役立たずで返品、エアコンは壁付け工事が不可能で却下、床置きクーラーも排熱ができないので諦めた。
居間のエアコンの設定温度を普通より低くして、部屋続きの母の寝室に扇風機で冷気を送ってこの夏は凌いでみよう。
それが今日の話のメインテーマだった。
こうやって毎日話していると、母は相談したいことが次々に出てくる人なんだということがわかる。
そんなこと聞かんでもわかるやんと言いたくなるようなことから始まって、わたしも一緒に頭を抱えるようなことまで、本当に次から次へと話題が出てくる。
でもその声が、一日一日明るく軽やかになってきて、それが本当に嬉しい。
最近では、母に邪険にされて縮こまっている事が多い義父も一緒に、よく笑ってる声が聞こえてくる。
また二歩下がる時もあるだろうけれど、365日、一緒に歩いて行こうと思う。
こんなので孝行なんていうのは厚かましいかもしれないけれど、わたしにほんわかとした嬉しさを感じさせてくれる母に心から感謝している。

タイトルの写真は、随分前の母の作品。
酉年のわたしにと銅板を彫ってくれた。

ニューヨークで手術看護師をしている友人が話してくれたAbbott ID検査のこと、ワクチンのこと

2020年08月03日 | 日本とわたし
娘と言ってもおかしくないぐらい年下の友人ジェーンは、ニューヨーク市内の病院で手術看護師をしている。
もう10年来の付き合いで、すごくいいピアノ弾きでもある彼女とは何度も連弾を演奏した。
久しぶりの電話の第一声は「無事?」。
「そっちこそ無事なの?」と質問で答える。

彼女は夫の両親とも同居しているので、COVID-19の治療に関わっている間の2ヶ月間は、ずっとホテル住まいをしていた。
ニューヨーク市で感染が発覚した3月初旬の10日間は、もう二度と経験したくないほどの混乱だった。
当時はクオモ知事もまだ手探りで、何から手をつけたらいいのかわからなかったから、医療現場への補助や支援も届かなかった。
だからその間彼女たちは、自分で自分の身を守るしかなかった。
3月の中旬ごろから、COVID-19の感染者を受け入れている病院や医療関係者に、ホテル代や特別臨時ボーナスが支払われるようになった。
けれどもそれは米国特有の複雑な健康保険制度が絡んでいるので、COVID-19患者を受け入れた全ての病院や医療関係者に、その補償が同じように与えられたわけではない。

「その点日本はいいよね、すごく安定した国民健康保険があるから、医療の現場は十分に補償してもらえてるだろうし、検査も混乱なくできてるんでしょ?」

ちょっと言葉が出なかったので数秒の間が空いた。

「かなりはっきりした症状が出ても、検査がなかなか受けられずに困っている人が少なくない」
「え…まさか今の話じゃないよね?」

また間が空いた。

「日本はまだ、こっちでいうと3月初旬の時点で時間が止まってるのかな…」
「それよりタチが悪いと思う」
「でもすごく残念だよね。人口密度の高い先進国の中では一番うまく感染が抑えられてたんだから、その時にきちっと対応できてたら、世界でも稀な優良モデルになれたのに」
「ははは、そりゃ無理だよ、アベノマスクとGoToキャンペーンしかやってなくて、どっちも利権取りのための愚策だったし、経済守るったって補償はほとんど届いてないし、医療関係者だって現場任せで放っときっぱなしなんだから」
「それってもう暴動起こって当たり前のレベルだよね」
「そうなんだけど、もっと辛いことがあって、感染したことを謝ったり、感染した人の家に石が投げられたり、村八分にされたり、ネットで非難されたり…」
「もう全然意味がわからない…」

彼女は昨年末に、初めての日本旅行をした。
それでいっぺんに日本のファンになって、また絶対に行きたいし、今度は新幹線乗りまくって全国各地のセブンイレブンに行く!と言っている😅
日本の電車とコンビニにいたく感動したそうだ。

ため息と苦笑いの後、わたしの仕事の話になった。
「学校が生徒の登校を許可したら多分、わたしもリモートレッスンから普通のレッスンに切り替えるつもり」と言うと、「ちょっと専門的な話になるんだけどきっと興味あると思うから」と言って、こんな話をしてくれた。
確かに、今のニューヨーク市では、検査は無料で、どこでもいつでも何回でも、受けたいと思えば受けられる。
でも問題が出てきた。
感染が増幅している30以上もの州の検査が急増していることから、検査をしても今までのようにすぐ結果が分かるのではなくて、少なくとも10日から2週間かかるようになった。
待っている間に発症したり、他人にうつしたりする可能性はゼロではないので、こんなにかかったら検査の意味が無い。
なので今後は検査する人の選別をし、軽症者は家庭で様子を見るというふうにする方がいいのではないか、という意見も出始めている。

それとは別に、秋からの登校を再開するのかどうか、そのことが今あちこちで検討されている中で、検査と登校をうまく組み合わせるアイディアが出てきた。
今の検査の主流は精度が高いPCR検査だが、これには費用が約1万円かかり(ニューヨーク市は無料だが)、結果が出るのに3日から9日かかる。
これでは頻繁に検査ができないし、結果が出るのにそんなに日数がかかっては、今日どうするのかという判断ができない。
そこで、Abbott IDという試験紙に唾液をつけると30秒で結果が出る検査を、児童や学生が毎朝実施して、登校の有無の目安にしてはどうかというアイディアが浮上している。
この検査の費用は一回100円から200円程度。
精度が50%と低いので、あまり評価が良くない。
けれども、これまでの病理検証で、陽性といっても感染の心配の有無がわかる値があることがわかった。
精度が50%でもその値が出るので、行動判断の目安になる。
精度の高低よりも頻繁に検査をし、その日の行動を決めるという行動の方が、実際の暮らしの中においての感染規模の拡大対応の整合性が取れている。

これは眼から鱗の考え方だった。

もうちょっと細かく説明すると、感染の有無がわかる値の名前はCT値。
0から40の数値で表される。
この数値が40から30までだとほぼ感染しないことが実証されている。
Abbott ID検査では、CT値の30台前半程度まで検査可能なので、今日は学校に行ってもいい、行かない方がいいという判断が十分できる。
ちなみにPCR検査の陰性サンプルは、単純にCT値が40(この場合は検出限界)で示されている。
安価で迅速で、規模の拡大に対応できる検査が、登校するかしないか、出勤するかしないか、という判断決定に役立つんじゃないかっていう話。

興味のある方はこのビデオ(英語ですが)を観てみてください。
ジェーンからのイチオシお勧めです。
彼女の話の半分は、このビデオの内容でした。
Coronavirus Pandemic Update 98: At Home COVID-19 Testing - A Possible Breakthrough




「また会って話したいね、元気でね」
そう言って電話を切った。
1時間半も喋っていたことに気づかなかった。
またいろんなことを教えてもらった。
最後にワクチンの話になって、アメリカが躍起になって開発に前のめりになっていることや、日本もオリンピック開催のためにワクチン接種を年末にも始めそうだという話になった。
「狂ってるよね。ワクチンなんて少なくとも数年かけて臨床試験を繰り返して初めて実施すべきものなのに、政治やら経済やら、一部の権力者の意向で前倒しするなんて絶対にやってはいけないよ」
「受けろって言われても絶対に受けない」
「ワクチンなんかより免疫力を高める方が絶対にいい」
「だよね」

ということで、みなさん、地獄を見た現場で働いている手術看護師からのお話でした。

強欲で怠慢、税金の私物化するのが十八番の棄民党に、今度こそ本物のさよならを!

2020年08月01日 | 日本とわたし
このサイト、とても分かりやすい。
NHKの特設サイト『新型コロナウイルス』



日本の夏は気温も湿度も高くなるので、ウイルスの感染は落ち着くだろう。
こんなことを言っていた世襲の、やたらと態度が悪い政治家がいた。
その当時から、気温や湿度が高い地域や国で、感染拡大が起こっていたのにもかかわらず。
オリンピック延期で儲けが入らなくなった連中と、そこからの金や票がもらい辛くなった政治家たちが、それじゃーとばかりに悪巧みを企て、数兆の税金がまた消えた。
自民党という党は、何事にも利権ありきで、国民を助けるだの守るだのに興味がない。
そうやって企業団体とつるみ、互いに利益を貪り、巨大な権力と金を手に入れてきた。

この感染拡大の原因の一つに、安倍自公与党政府の、強欲で怠慢な政治があることはもう誰の目にも明らかだ。

この期に及んで臨時国会を開こうとせず、ろくな対応も取らずに「注視する」だけの首相など、今すぐ蹴り飛ばして他の者に仕事をさせないと、日本は本当に深傷を負う。

国会や会見は開かないが、料亭に仲間内で出かける阿呆。

その翌日にこんなどうしようもないこと言ってて、それをまた非難もせずに『速報』扱いで伝えるマスコミ…。

しかもNHKは、わざわざこの一番大事な部分を切り取って報道した。

東京の感染者数は463人になり、

地獄の111日を闘ったニューヨーク市の新規感染者は312人、東京より少なくなった。

名古屋市は市長が自市の所在する県の知事をリコールすることにうつつを抜かしていて、危機管理能力も資質も無いのでどんどん悪化。

もちろん在阪メデイアと吉本に持ち上げられていちびってた首長二人のせいで、大阪もえらいことに。

なのにこの二人は、大阪都構想の住民投票だけは何がなんでもする、らしい。

止めないと。

後遺症について。

もう任せるわけにはいかないと、独自に立ち上がる県や地域の首長たちが出てきた。当然だ。

7月30日に開かれた「未来投資会議」(第42回)の配布資料の冒頭と結びの一文に愕然😱