ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

ニューヨークで手術看護師をしている友人が話してくれたAbbott ID検査のこと、ワクチンのこと

2020年08月03日 | 日本とわたし
娘と言ってもおかしくないぐらい年下の友人ジェーンは、ニューヨーク市内の病院で手術看護師をしている。
もう10年来の付き合いで、すごくいいピアノ弾きでもある彼女とは何度も連弾を演奏した。
久しぶりの電話の第一声は「無事?」。
「そっちこそ無事なの?」と質問で答える。

彼女は夫の両親とも同居しているので、COVID-19の治療に関わっている間の2ヶ月間は、ずっとホテル住まいをしていた。
ニューヨーク市で感染が発覚した3月初旬の10日間は、もう二度と経験したくないほどの混乱だった。
当時はクオモ知事もまだ手探りで、何から手をつけたらいいのかわからなかったから、医療現場への補助や支援も届かなかった。
だからその間彼女たちは、自分で自分の身を守るしかなかった。
3月の中旬ごろから、COVID-19の感染者を受け入れている病院や医療関係者に、ホテル代や特別臨時ボーナスが支払われるようになった。
けれどもそれは米国特有の複雑な健康保険制度が絡んでいるので、COVID-19患者を受け入れた全ての病院や医療関係者に、その補償が同じように与えられたわけではない。

「その点日本はいいよね、すごく安定した国民健康保険があるから、医療の現場は十分に補償してもらえてるだろうし、検査も混乱なくできてるんでしょ?」

ちょっと言葉が出なかったので数秒の間が空いた。

「かなりはっきりした症状が出ても、検査がなかなか受けられずに困っている人が少なくない」
「え…まさか今の話じゃないよね?」

また間が空いた。

「日本はまだ、こっちでいうと3月初旬の時点で時間が止まってるのかな…」
「それよりタチが悪いと思う」
「でもすごく残念だよね。人口密度の高い先進国の中では一番うまく感染が抑えられてたんだから、その時にきちっと対応できてたら、世界でも稀な優良モデルになれたのに」
「ははは、そりゃ無理だよ、アベノマスクとGoToキャンペーンしかやってなくて、どっちも利権取りのための愚策だったし、経済守るったって補償はほとんど届いてないし、医療関係者だって現場任せで放っときっぱなしなんだから」
「それってもう暴動起こって当たり前のレベルだよね」
「そうなんだけど、もっと辛いことがあって、感染したことを謝ったり、感染した人の家に石が投げられたり、村八分にされたり、ネットで非難されたり…」
「もう全然意味がわからない…」

彼女は昨年末に、初めての日本旅行をした。
それでいっぺんに日本のファンになって、また絶対に行きたいし、今度は新幹線乗りまくって全国各地のセブンイレブンに行く!と言っている😅
日本の電車とコンビニにいたく感動したそうだ。

ため息と苦笑いの後、わたしの仕事の話になった。
「学校が生徒の登校を許可したら多分、わたしもリモートレッスンから普通のレッスンに切り替えるつもり」と言うと、「ちょっと専門的な話になるんだけどきっと興味あると思うから」と言って、こんな話をしてくれた。
確かに、今のニューヨーク市では、検査は無料で、どこでもいつでも何回でも、受けたいと思えば受けられる。
でも問題が出てきた。
感染が増幅している30以上もの州の検査が急増していることから、検査をしても今までのようにすぐ結果が分かるのではなくて、少なくとも10日から2週間かかるようになった。
待っている間に発症したり、他人にうつしたりする可能性はゼロではないので、こんなにかかったら検査の意味が無い。
なので今後は検査する人の選別をし、軽症者は家庭で様子を見るというふうにする方がいいのではないか、という意見も出始めている。

それとは別に、秋からの登校を再開するのかどうか、そのことが今あちこちで検討されている中で、検査と登校をうまく組み合わせるアイディアが出てきた。
今の検査の主流は精度が高いPCR検査だが、これには費用が約1万円かかり(ニューヨーク市は無料だが)、結果が出るのに3日から9日かかる。
これでは頻繁に検査ができないし、結果が出るのにそんなに日数がかかっては、今日どうするのかという判断ができない。
そこで、Abbott IDという試験紙に唾液をつけると30秒で結果が出る検査を、児童や学生が毎朝実施して、登校の有無の目安にしてはどうかというアイディアが浮上している。
この検査の費用は一回100円から200円程度。
精度が50%と低いので、あまり評価が良くない。
けれども、これまでの病理検証で、陽性といっても感染の心配の有無がわかる値があることがわかった。
精度が50%でもその値が出るので、行動判断の目安になる。
精度の高低よりも頻繁に検査をし、その日の行動を決めるという行動の方が、実際の暮らしの中においての感染規模の拡大対応の整合性が取れている。

これは眼から鱗の考え方だった。

もうちょっと細かく説明すると、感染の有無がわかる値の名前はCT値。
0から40の数値で表される。
この数値が40から30までだとほぼ感染しないことが実証されている。
Abbott ID検査では、CT値の30台前半程度まで検査可能なので、今日は学校に行ってもいい、行かない方がいいという判断が十分できる。
ちなみにPCR検査の陰性サンプルは、単純にCT値が40(この場合は検出限界)で示されている。
安価で迅速で、規模の拡大に対応できる検査が、登校するかしないか、出勤するかしないか、という判断決定に役立つんじゃないかっていう話。

興味のある方はこのビデオ(英語ですが)を観てみてください。
ジェーンからのイチオシお勧めです。
彼女の話の半分は、このビデオの内容でした。
Coronavirus Pandemic Update 98: At Home COVID-19 Testing - A Possible Breakthrough




「また会って話したいね、元気でね」
そう言って電話を切った。
1時間半も喋っていたことに気づかなかった。
またいろんなことを教えてもらった。
最後にワクチンの話になって、アメリカが躍起になって開発に前のめりになっていることや、日本もオリンピック開催のためにワクチン接種を年末にも始めそうだという話になった。
「狂ってるよね。ワクチンなんて少なくとも数年かけて臨床試験を繰り返して初めて実施すべきものなのに、政治やら経済やら、一部の権力者の意向で前倒しするなんて絶対にやってはいけないよ」
「受けろって言われても絶対に受けない」
「ワクチンなんかより免疫力を高める方が絶対にいい」
「だよね」

ということで、みなさん、地獄を見た現場で働いている手術看護師からのお話でした。

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