ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

放射線が怖い?いいえ本当に怖いのは、あなたのような無知な人が今だにウジャウジャしてるということ!

2012年03月13日 | 日本とわたし
徳島県のホームページの、『とくしま 目安箱』というページがあります。
そこに送られてきた、60歳の男性の意見に対しての回答を、ここに転載させていただきます。

ご意見
登録・更新日:2012-03-13
60歳 男性
タイトル:放射線が怖い?いいえ本当に怖いのは無知から来る恐怖

東北がんばれ!!それってただ言葉だけだったのか?
東北の瓦礫は今だ5%しか処理されていない。
東京、山形県を除く日本全国の道府県そして市民が瓦礫搬入を拒んでいるからだ。
ただ放射能が怖いと言う無知から来る身勝手な言い分で、マスコミの垂れ流した風評を真に受けて、
自分から勉強もせず大きな声で醜い感情を露わにして反対している人々よ、恥を知れ!!
徳島県の市民は、自分だけ良ければいいって言う人間ばっかりなのか。
声を大にして正義を叫ぶ人間はいないのか? 
情け無い君たち東京を見習え。


回答

【環境整備課からの回答】
貴重なご意見ありがとうございます。
せっかくの機会でございますので、徳島県としての見解を述べさせていただきます。
 
このたびの東日本大震災では、想定をはるかに超える大津波により、膨大な量の災害廃棄物が発生しており、
被災自治体だけでは処理しきれない量と考えられます。

こうしたことから、徳島県や、県内のいくつかの市町村は、協力できる部分は協力したいという思いで、国に対し、協力する姿勢を表明しておりました。

しかしながら、現行の法体制で想定していなかった、放射能を帯びた震災がれきも発生していることから、
その処理について、国においては、1kgあたり8000ベクレルまでは、全国において埋立処分できる、といたしました。
(なお、徳島県においては、放射能を帯びた震災がれきは、国の責任で、国において処理すべきである、と政策提言しております)

放射性物質については、封じ込め、拡散させないことが原則であり、
その観点から、東日本大震災前は、IAEAの国際的な基準に基づき、
放射性セシウム濃度が、1kgあたり100ベクレルを超える場合は、特別な管理下に置かれ、低レベル放射性廃棄物処分場に封じ込めてきました。(クリアランス制度)

ところが、国においては、東日本大震災後、当初、福島県内限定の基準として出された8000ベクレル(従来の基準の80倍)を、
その十分な説明も根拠の明示もないまま、広域処理の基準にも転用いたしました。
(したがって、現在、原子力発電所の事業所内から出た廃棄物は、100ベクレルを超えれば、低レベル放射性廃棄物処分場で厳格に管理されているのに、事業所の外では、8000ベクレルまで、東京都をはじめとする東日本では埋立処分されております)

ひとつ、お考えいただきたいのは、この8000ベクレルという水準は、国際的には、低レベル放射性廃棄物として厳格に管理されている、ということです。

例えば、フランスやドイツでは、低レベル放射性廃棄物処分場は、国内に1カ所だけであり、
しかも、鉱山の跡地など、放射性セシウム等が水に溶出して外部にでないように、地下水と接触しないように、注意深く保管されています。


また、群馬県伊勢崎市の処分場では、1キロ当たり1800ベクレルという、国の基準より大幅に低い焼却灰を埋め立てていたにもかかわらず、
大雨により、放射性セシウムが水に溶け出し、排水基準を超えた事件がございました。


徳島県としては、県民の安心・安全を、何より重視しなければならないことから、
一度、生活環境上に流出すれば、大きな影響のある放射性物質を含むがれきについて、十分な検討もなく受け入れることは難しい、と考えております。


もちろん、放射能に汚染されていない廃棄物など、安全性が確認された廃棄物まで、受け入れないということではありません。
安全な瓦礫については、協力したいという思いはございます。

ただ、瓦礫を処理する施設を、県は保有していないため、受け入れについては、施設を有する各市町村、及び県民の、理解と同意が不可欠です。

われわれとしては、国に対し、上記のような事柄に対する、丁寧で明確な説明を求めているところであり、
県民の理解が進めば、協力できる部分は協力していきたい
と考えております。


※回答文については、提言者にお返事した際の内容を掲載しております。
その後の事情変更により、現在の状況と異なる場合がありますので、詳しくは担当課までお問い合わせください。
この件に関するお問い合わせ
環境総局環境整備課 ゴミゼロ推進室・ゴミゼロ推進担当
電話番号:088-621-2259
ファクシミリ:088-621-2846
メールアドレス:kankyouseibika@pref.tokushima.lg.jp



『徳島県としては、県民の安心・安全を、何より重視しなければならないことから、
一度、生活環境上に流出すれば、大きな影響のある放射性物質を含むがれきについて、十分な検討もなく受け入れることは難しい、と考えております』


こんな素晴らしい、真っ当なことをきっぱりと言える人が、環境整備課に居はる県の住民さんは、
今みたいな日本では、極楽に住んでるみたいな心持ちになれるやろね。

この答を大判の紙にコピーして、各県の、環境整備課の窓口に貼って欲しい。
この答をプリントアウトして、各紙の第一面に掲載して欲しい。
この答を録音して、各局のニュースで放送して欲しい。

それが普通のこととしてできる人が、もっともっと増えてきて欲しい。
そのためにも、わたしら市井の人間は、毎週のように町の通りに出て、応援してることを伝えなあかんよね。
黙ってたら、応援してることも伝わらへんから、勇気のモトが作られへん。
今の日本では、まともなことをするには、相当の勇気が要るんやから。
その勇気のモトを、必要としてる人達にあげよう。
それがわたしらのできること。
それがわたしらにしかできひんこと。 
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5 コメント

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幸せな県民。 (9ちゃん)
2012-03-14 12:51:35
読んでて、これだけ、まっとうなことを自信をもって、コメントしてくれる、我が徳島県環境整備課に、震災以来感じたことの無かった安心感と何ものにもまさる勇気、を感じずにおれないです。
ほんま、この県のコメントを読んでいて、あまりの嬉しさに身震いが止まりませんでした。

徳島県の旗振り役が、こんなにまっとうな考えを持っていることを、もっと、もっと、
我が徳島県民にアピールして、みんなで意識や知識を高めていくために、もっともっと、こういう貴重なコメントや部署を褒め称えていかなと思います。

この1年、表には、どこにも真実の言葉が無かったのに、この1年を境に、ちょっとずつですが、“表で”正しいことを聞く場面が垣間見れていることを感じます。

そうですよね。

諦めず行動していけば、必ず、何か変わるんですね。

それで、思い出した、昨年年末の日経のコラムで、
中島岳志北海道大学准教授が書いてはったことが今、ハッキリと蘇って来ました。

“世界に一発逆転の奇跡は起こらない。
 人間が不完全である以上、世界は永遠にまどろっこしい。
 この「片付かなさ」に耐えきれなくなったとき、
 人間は攻撃性を強め、無謀な破壊へと傾斜していく。”

“世界は漸進的にしか変わらない。
 しかし、同時に間違いなく変わっていく。
 大切なものを守るためには、少しずつ、着実に
 変えていかなければならない。
 この一歩一歩の地道な努力を手放してはいけない。
 インド独立運動の指導者マハートマー・ガンディーは
 かつて次のように言った。
『よいものはカタツムリのように進むのです。』
 私たちはカタツムリの堅実さに耐えられるか。
 カタツムリの非攻撃性を抱きしめることができるのか。
 2012年は私たちのあり方が問われる。” 

まさに、3.11から1年経った今、私のあり方が問われているのだと肝に銘じたいです。

ほんま、こんな恵まれた旗振り役がいる県民であったことを一杯感謝して、声上げてかなあかん。
頑張るなら今しかないねんで~!(自分に対して。)
返信する
9ちゃんへ (まうみ)
2012-03-15 01:01:07
この記事を書いてる時、9ちゃんの「やった~!」が聞こえてくるような気がしてました。
まだ会うたこともないのに、めっちゃ嬉しそうな顔も……がはは!

ほんまにこれ、これでしょ!
これが当たり前の意見でしょ!
やのに、なんでこれを読んだ時、あれほど胸が震えるほどの感動を覚えるのか……、
それほどに日本が、おかしくなってしもてるってことやんね。

9ちゃんがコメントで教えてくれた北大の教授の言葉、またいつか、記事で紹介させてね。
『よいものはカタツムリのように進む』
あ~真実!
ガンジーの闘いの人生が生んだ真実!
わたしなんかには、とてもやないけど、ガンジーのような生き方はできひんと思うけど、
せめて、カタツムリのように、堅実に、非攻撃的に、ヌルヌルと前に進んでいきたいと思います。

9ちゃん、あの答、あっちゃこっちゃに伝えてや~!!
返信する
よっしゃ~! (9ちゃん)
2012-03-15 08:58:56
了解!
実は、徳島新聞にも2日連続で、環境総局長さんの対応が載ってたんですよ!
はやくブログに載せて、褒め称えたいと思ってた所だったんです。
頑張りますね。
返信する
Unknown (しゅう)
2012-03-17 03:53:44
まうみさん

こんばんわ、2度目のコメントさせていただきます。

先日、自分のブログのお友達(山形県の方です)が、
「受け入れしてくれないの、悲しくなる。
自分の住んでいる山形は協力しているのに・・・
絆っていうのは、言葉だけだったのかなぁ」と
かかれていて、
とても辛くなりました。
きっとこの質問者の方のようなお気持ちだったと思うんです。
たしかに気持ちはわからなくはないんです。
ただのガレキだったら、揉めないんですよね。

でも、この徳島県の方の回答は、まさに、言いたいことを言ってくれた、代弁してくれたという気持ちになりました。
とても丁寧で真摯な回答ですね。
こんな風に、きちんと考えてくれるお役人さんもいるんですね。

以前、ツイッターで流れてきた、
神奈川のどこかの市だったか、
市長が、地元の方々に受け入れをお願いする説明会に参加された方のレポートを読みました。
説明会では、安全性への説明を求める参加者たちとかみ合わない答弁をしておきながら、
マスコミへのインタビューでは
「反対派の方々をなんとか説得していきたい。
助け合っていくということをご理解いただければ」
というような、まるで反対派の人たちが
やみくもに自分大事で反対している自己中心的な人たちで、
それを説得する自分、でも負けません、
というようなコメントでした。

やはり、あいまいな基準のまま
「絆」「ささえあい」という耳辺りの良い言葉で押し通そうとする雰囲気が
蔓延していますよね・・・

本当に、久しぶりに筋のとおった問答を見た気がしました。
返信する
しゅうさんへ (まうみ)
2012-03-17 09:28:04
しゅうさん、こんにちは!

そうですか、友人さんがそんなふうに言わはったんですか。
ほんとに、今回のことでは、わたし達ひとりひとりが、問題から目を背けずに、
そして誰々が言うてるから、誰々がこう思てるから、ということではなく、
自分自身の心にしっかり問うて、その上で判断することを求められてるのやと、
だからこそ、そこには意見の相違も生じるし、
生じたからというて、話し合いが切られてしまうのではなく、
そこから根気良く続けていかなあかんのやということを、
日本の大人達はしっかり学ばなあかんと思います。

この徳島県の役所の方は、今のこの日本の中では、光のような存在に思えてしまうほど、
本当にバカげたことがあちこちで頻繁に起こっています。
あまりにも頻繁で、変に慣れてきてしまったり……。
でも、それも多分向こうの作戦だと思うので、
とにかくこういうまともな姿勢を貫いてくださってる方々を、支援する行動を起こすことが大切ですよね。
徳島はとても今、追いつめられているのだそうです。
役所として県として、追いつめられるということがどういうことなのか、わたしにはよく想像できないのだけど、
ならば我々で、とにかくその、萎えそうになる正しい態度を、支えたいと思うのです。

しゅうさんの友人の方も、この徳島の解答を読んで、少しでも心が落ち着かれることを祈っています。
返信する

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