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ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国『ワクチン狂想曲』事情

2021年04月04日 | 米国○○事情
新型コロナウイルスのワクチン接種。
この事について昨年の秋頃からずっと考えて続けてきた。
夫もわたしも職業柄、他人の体に直接触れたり、身近に話しかけたりする。
だから感染しないように自分たちなりに最大限の注意を払ってきた。

インターネットを使って教えられるピアノ教師のわたしはまだいいが、鍼灸師の夫は感染被害が顕著になった昨年の3月から約半年間、ほぼ仕事ができない状態が続いていた。
今回の連邦政府や州政府からの手厚い補助や給付が無かったら、わたしたちは路頭に迷っていたかもしれない、大袈裟ではなく。

ともあれわたし自身はワクチンを普段から受けない方だったので、今回ももし避けられるなら避けたいものだと考えていた。
夫も若干の躊躇はあったものの、受けられるなら受けたいと思っていた。
                                                
が、しかし…。

下記のレポートより(詳しくはリンク先を読んでください)
■トランプ前大統領
2020年3月
民間企業に調達・増産を促す「国防生産法」を発動→ワクチン開発が急速に進む。
2020年12月
ファイザーとモデルナのワクチンに緊急仕様の特別承認が下り、使用が開始された。

■バイデン現大統領
2021年1月
ワクチン接種の前倒しを行い、公約「100日間で1億回接種計画」を59日間で達成、現在、就任「100日以内で2億回の接種」という新たな目標を掲げている。

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『アメリカのワクチン接種をめぐる状況』ー迅速なワクチン接種の背景に迫る
日本総研国際戦略研究所研究員・佐藤由香里氏                                                      https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/tanaka2/pdf/12526.pdf より

今日までの世界の約1億2770万人の新型コロナウイルス感染者(累計)のうち、約4人に1人は米国人であり、世界の総死亡者約279万のうち、約5人に1人の命が米国で失われ、米国は新型コロナウイルスによって甚大な被害を受けた。
                   
トランプ大統領(当時)は2020年3月、民間企業に調達・増産を促す「国防生産法」を発動し、米ファイザー/独ビオンテック、モデルナ製などのワクチンは急速なスピードで開発が進んだ。
2020年12月には、これら2種類のワクチンに緊急使用の特別承認が下り、使用が開始された。
バイデン政権はワクチン接種の前倒しを行い、公約「100日間で1億回接種計画」は59日間で達成され、現在、就任100日以内で2億回の接種という新たな目標を掲げている。
                   
このペースでいけば、5月中には成人(希望者)の接種を終え、6月中にはいわゆる「集団免役の獲得」 (定義的に人口の約70%~90%以上がワクチン接種を完了)を達成し、秋までには子供(12~16歳)の接種も出来るようになるとの見通しである(3月29日時点、ニューヨーク・タイムズ紙試算)。 

スケジュール通り「集団免役の獲得」の水準に達した暁には、米国は経済回復に拍車をかけ、更にワクチンの対諸外国向け提供の開始によって、今まで遅れをとっていた「ワクチン外交」など、国際連携の強化を通じ、国際社会での存在感を発揮していくことが考えられている。

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どこの会社のワクチンが最も安全なのか、副作用が少ないのか、効き目がいいのか、持ちがいいのか、信用できるのか…あれやこれやの記事や文献を読んだり人に尋ねたりしたがわからない。
余計にこんがらがってくる思考を持て余しながら、けれども今年に入ってから急にどんどんと増えてくる接種済みの人たちの噂を聞くたびに胸の中がざわざした。
生徒たちの親から、ワクチンはもう受けたの?と聞かれる回数が増えた。
ワクチン接種を済ませ、少しではあるが安心と開放感を手に入れた夫の両親が、久しぶりにうちに来てくれたので、ランチとミニコンサートをプレゼントした。
昨年の2月末から始まった新世界の暮らし方に適応しながらも、大小のストレスが日に日に積もらせている義母の気持ちが晴れるよう、彼女が一番好きなブラームスの曲をプログラムに入れた。
夫が、自分たちがワクチンを打ったら、もっと頻繁に、例えば2週間おきの週末に、彼らの家を訪ねることができると言い、それを何回か聞いているうちに、今回は特例として考えた方がいいのかな、と迷い始めた。
そうこうしていたある日、夫が「ワクチンの予約が取れた」と言った。
そしてわたしに、受ける受けないは別としてと言いながら、数件の予約サイトを教えてくれた。
覗いてみてびっくり!
場所、ワクチンの種類、予約可能人数が、分単位で変わっていく。
なんかもう人気アイドルのコンサート予約サイトみたいだ。
夜中だと予約し易い、などという噂も流れていた。

・アメリカの2020年の国全体の死亡率は、前年と比べて15%も増えた。
・経済的被害も極めて深刻で、大恐慌時代以来最悪の失業率14.7%を記録した。
・国内総生産の伸び率も、統計開始(1947年)以来最大の減少幅を記録した。
・さらに、米軍人の集団感染が発生し、安全保障にも影響が出るようにもなった。

アメリカの総感染者数は3070万人。
死亡者数は55万4千人。

CDCによると、アメリカではすでに、65歳以上の7割以上が少なくとも1度の接種を受けているほか、成人の約4割が少なくとも1度の接種を受けていて、2度の接種を終えた成人は20%を超えた。

誰がワクチン接種対象になるかについて、ルールは州ごとに異なるが、ほとんどの州で医療従事者や65歳以上の接種は数カ月前から始まっている。

ニューヨーク・タイムズによると、ジョージア州やアリゾナ州など一部の州ではすでに16歳超の全員に、ワクチンを提供している。https://www.bbc.com/japanese/56573514 より

夫は2日前に、モデルナのワクチンの第一回目を受け、4週間後に2回目の接種を受ける。
接種後は特別痛みも無く、夜になって少しだけ腕が怠いというだけだった。
夫は毎日朝から晩まで、その時々に応じて漢方を処方し、それを飲んでいる。
わたしはそこまでは細かくないが、夫が処方してくれた漢方を朝と夕方の2回、白湯に溶かして飲んでいる。
だから接種後にいやな症状が出にくいのかもと、自分に都合の良い風に考えたりする。
そしてわたしも、4月の中旬に、ジョンソン&ジョンソン社のワクチン接種(これは1回だけの接種で良い)の予約が取れた。
ファイザー、モデルナ、ジョンソン&ジョンソン。
それぞれに特徴があって、そのどれもが完全ではない。
今回の製薬会社と政府の絡みや成り行きに、一切の疑念が浮かばないわけは無いけれど、ひとまずこのワクチンは受け入れることにした。

ちなみにワクチン接種はPCR検査と同じく無料で、ドライブスルーや大型遊園地やフットボールスタジオの駐車場などを開放して行われている。
わたしが予約したのは大型モールの店内。
全米のドラッグストア、可動式のモバイル・ワクチンセンター、24時間体制のワクチンセンターなども増えてきている。
場所が増えたら当然注射を打つ人が必要になる。
そこで一時的に、公的医療機関のスタッフ、元医師(免許失効後5年以内)、医療系の学生、薬剤師、獣医師らをトレーニングし、特別認可の範囲を拡大し、雇用のための補助金を出している。
そこ此処が腐っていても、やっぱりアメリカはアメリカだ。
やるときゃやる…なんて思うのは甘過ぎるのかな?

打った後の様子はまた後ほど。