ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「ピースとハイライト」「クスノキ」「HUMAN」に込められた、桑田さんと福山さんからのメッセージ

2015年01月02日 | 日本とわたし
母親になって以来初めて、息子のガールフレンドにおせち作りを手伝ってもらって、大感激していた大晦日。
おせち作りのバック・グラウンド・ミュージックといったらコレでしょう!とばかりに、
まなっちゃんが、ユーチューブで紅白歌合戦を聞けるようにセットしておりました。

台所に紅白歌合戦の歌声が流れるというのは多分、15年以上無かったかもしれません。
まなっちゃんはたまに、『東京ディズニーランド』が好きで好きでたまらない!とか言って、わたしや旦那を驚かせたり戸惑わせたりしてくれるのですが、
今回も、『紅白』が楽しみで楽しみでたまらない!と言う彼女に、そ、そうなん…とだけ言って、言葉を濁したのでした。

何十年ぶりかに出演した、サザンオールスターズの桑田さんが最初、チョビ髭を付けて画面に現れ、さらに『ピースとハイライト』を歌ったということから、いろいろと意見が交わされています。
福山さんが、『クスノキ』や『HUMAN』を選んだ意味などとともに、もっともっと、考えたこと感じたことを話し合うことは、今のこの時期にとても良いことだと思います。

どちらも、精神の、命の営みを、そして人々によって紡がれてきた、時には紡がされてきた歴史を思い、その中の真実を求め、決して愛を失わない、
そんなメッセージが言葉とともに込められていたと思います。

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色んな事情があるけどさ
知ろうよ 互いのイイところ!

希望の苗を植えていこうよ
地上に愛を育てようよ

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2015年は、希望の苗を植えましょう!
地上に愛を育てましょう!





『クスノキ』

我が魂は この土に根差し
決して朽ちずに 決して倒れずに

我はこの丘 この丘で生きる
幾百年越え 時代の風に吹かれ

片足鳥居と共に
人々の営みを
歓びを かなしみを
ただ見届けて

我が魂は 奪われはしない
この身折られど この身焼かれども

涼風も 爆風も
五月雨も 黒い雨も
ただ浴びて ただ受けて
ただ空を目指し

我が魂は この土に根差し
葉音で歌う 生命の叫びを



『HUMAN』

ただ豊さを求めながら
僕ら地上に拡散して
満ち足りること
永遠にない
生の欲動に…
気づいたら 目覚めたら それが合図さ
まだ間に合う 真実への冒険者でいたい

もつれ絡まったイデオロギー
正義と正義が衝突する
清算できない
歴史に建つ
砂上の平和に…
気づいたら 目覚めたら それが合図さ
まだ間に合う 真実への冒険者でいたい


この街で 何を信じ どんな夢を見よう
愛したい 愛されたい 君と生きたい

強き者たちが 弱き者を
喰らい 種を繋ぎ 勝ち残って
それが生命の正体でも
それが僕らの
本当の姿でも






『ピースとハイライト』

何気なく観たニュースで
お隣の人が怒ってた
今までどんなに対話(はな)しても
それぞれの主張は変わらない
教科書は現代史を
ヤル前に時間切れ
そこが一番知りたいのに
何でそうなっちゃうの?

希望の苗を植えていこうよ
地上に愛を育てようよ
未来に平和の花咲くまでは Blue(憂鬱)
絵空事かな?
おとぎ話かな?
互いの幸せ願うことなど


歴史を照らし合わせて
助け合えたらいいじゃない
硬い拳を振り上げても
心開かない

都合のいい大義名分(かいしゃく)で
争いを仕掛けて
裸の王様が牛耳る世は Insane(狂気)
20世紀で懲りたはずでしょう?
燻(くすぶ)る火種が燃え上がるだけ


色んな事情があるけどさ
知ろうよ 互いのイイところ!

希望の苗を植えていこうよ
地上に愛を育てようよ
この素晴らしいふるさと(地球)に生まれ
悲しい過去も 愚かな行為も
人間(ひと)は何故に忘れてしまう?

愛することを躊躇(ためら)わないで





【おまけ】

今日届いた日刊IWJガイドの中で、IWJのぎぎまきさんが、こんなことを書いておられました。
↓以下、一部を引用させていただきます


IWJのぎぎまきです。

-中略-

大晦日から元旦にかけては「紅白のサザン」で、ツィッターのタイムラインは大盛り上がりでしたね! みなさま、ご覧になりましたか?

私は紅白の生放送を観ることはできなかったのですが、後からタイムラインを遡って、「よくぞやった!」という視聴者の興奮ぶりに触れることができました。

ちょっと出遅れながらも、私なりに調べてみると、色々なことが分かってきました。

大晦日の直前の28日、横浜アリーナで行われたサザンオールスターズのライブを、安倍首相と昭恵婦人が来場して鑑賞しています。
実は、その日も「ピースとハイライト」を披露しましたが話題にはならず、注目されたのは、「爆笑アイランド」という曲の歌詞を替え歌にしたくだりでした。

ボーカルの桑田佳祐氏は、歌詞の一部を変更し、「衆院解散なんてむちゃを言う」と安倍総理の前で熱唱しました。
総理に面と向かって、権力の維持のための解散を批判したわけですね。

紅白では2曲を披露しましたが、「ピースとハイライト」の歌詞をご存知ですか?
歌詞の一節には「都合のいい大義名分(かいしゃく)で争いを仕掛けて」とあります。
この曲が書かれたのは2013年の8月ですが、翌年7月に閣議決定された、集団的自衛権の行使容認における憲法解釈を、まるで予見していたかのようです。

さらに、ライブ会場にいた桑田氏は、紅白に中継がつながった途端、チョビ髭をつけて登場。
これが「ヒトラー」を模していると話題になりました。
あのチョビ髭は、ヒトラーを痛烈に風刺したチャップリンの、「殺人狂時代」のパロディのようでもありました。

また、ライブ会場では、バックの映像に、ヘイトスピーチに対するカウンター映像が流れ、
NHKの中継が終了するやいなや、桑田氏は、おもむろに安倍首相の批判を始めたといいますから、
当日まで、紅白の出演を発表しなかったことも含めて、サザンがこうした演出を、用意周到に準備してきたことがうかがえます。
単なるアドリブでもおふざけでもありませんよね。
覚悟を決めてのプロテストでしょう。

そもそも「ピースとハイライト」という、タバコの銘柄のようでいて、「平和と極右」とも読み取れるタイトルの、痛烈な反戦・反権力の歌を、2013年中に作詞作曲しリリースしていたことも、
紅白出演の承諾も、考えに考え、練りに練った作戦だったのではないかと思えます。

今の政府に対し、一言、言わずにはおれなかった心境を、ひそかにあたため、桑田氏らは、40%超えする高視聴率番組の中で「やらかした」のでしょう。

すごい勇気だと思います。

サザンオールスターズの風刺が、ちょっとした思いつきなどではない証拠に、以下の「アベーロード」も、ご覧になってみてください。
ビートルズの傑作アルバムのアビーロードをカバーして、全編、すごい批評精神にあふれた作品になっています。




アベーロードA: http://t.co/MDuSLRjXVr