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ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

号泣する準備はできていなかった!

2011年05月18日 | ひとりごと
今回こそは、なにがなんでも、どんな邪魔が入っても、どんな臨時の出費が重なっても、絶対にやり終えてみせるぞ、おぉ~!

やっとのやっとで見つけた、腕の良さそうな歯科医ボイジャー先生の元に、ドキドキしながら通い始めたのは2月の17日。まだまだ寒~い日だった。
ハイシャ復活戦と銘打って、その日のことを明るく書いているわたし……。
まだなにも知らなかったからなあ……。

ほとんど毎週一回の割合で通い続け、そのたびに深く深く掘っては埋め、削っては埋めしてもらった歴代の虫歯さん達。
最初の日に、それが理由で治療を決心するに至った伝説の『ビューティー虫歯ペア』(右下の親知らずと奥歯)をゴリゴリ削ってくれたボイジャー先生。
「これはもう、インプラントにするかどうか、本当にギリギリのギリギリなので、今日は薬で治療して仮詰めだけ、しばらく時間をおいてみましょう。それで全く痛みが戻ってこなかったら、まだ大丈夫。神経も歯も残せると思うわ」
ということで、少なくとも様子見に2ヶ月は空けなければならないので、その間に他の虫歯を治療してもらうことにした。

他の虫歯も、その大御所に負けず劣らずの立派なもんで、治療には必ず麻酔の注射が必要。
まあ、わたしも五十路のど真ん中。注射を恐がってる場合ではない。
でもでも、毎週毎週、けっこうキツい治療が続き、もちろんその分治療代だって嵩み(歯科治療のための保険が無いので)、心身ともにイタイ日々が続いていた。

それが今日、とうとうのとうとう、終わりを迎えるってんで、ルンルン気分で病院に。
診察台に座り、前の窓から見える景色も、これで当分見納めだなあ……などと思っていたら、
「念のためにレントゲンをもう一回撮ります」と言われ、その結果、やっぱりクラウンにした方がいいということに。
でもね、でもね、これは治療が全部終わってからわかったこと。
実はこの時、誰も何も言ってくれなかったので、わたしは全く普通の、いつもよりはちょいと深めに削った歯の、仕上げ治療が行われると思い込んでいた。
ところが、治療が始まり、ボイジャー先生の持つ研磨機の先っちょがどんどんどんどん、まだまだぁ~とばかりに削り続け、
そしたらいきなりピリピリと、どうにもいやらしい、癖の悪そうな痛みが出てきて、その度合いがどんどんと増し……。
痛っ!痛っ!痛たたたた!!
なんでなんで?麻酔効いてるはずやのになんで!
これは我慢するべきかどうか、数秒迷ったけれど、すでに痛みが尋常ではなかったので、思わず手が上がってしまった。
「え?痛い?」
うんうんうんうん!と、大口を開けたまま激しく頷くわたし。
そこで麻酔の注射が追加され、数分後また治療開始。
そしたらなんと、まだ痛い?!
いったいどないしてしもたんやろう……これはわたしの恐怖心が作ってる痛みなんか?
「う~ん、しょうがない、あなたに苦痛を与えるわけにはいかないし。じゃ、直接患部に麻酔します」

三度の強力な麻酔でやっとこさ痛みが治まったわたし。
それからいろんな薬が詰め込まれては外され、また詰め込まれ、強烈な匂いのする型取りのようなグネグネしたのを5分間噛みしめたり、日本では受けたことの無い治療が延々と続いた。
で、うがいをしたら、とんでもない量の血が。
のっぺりと固まったのやら、ドロドロとしたのやら、いったいなにが起こっているのかわからなくて、気がふうっと遠くなりかけた時、あまりにも帰りが遅いので心配したのだろう、そこに旦那から電話がかかってきた。
「どこ?」
「まだ病院」
「え?」
「まだ治療中」
わたしのけったいな声を聞いてすっかり心配になった旦那。「迎えに行ったろか?」と聞いてくれたのだけど、気持ちだけありがたくいただいといた。
結局3時間、そんなこんなのヘビーな治療が続き、やっとこさ開放され、血だらけの前掛けを外してもらってフラフラと立つと、
「また来週ね」

えぇ~!?なんで~?!(←まだクラウン治療だったとは知らなかったので)

支払いのカウンターに行くと、「300ドルです」と言われびっくり仰天!(しつっこいけど、知らなかったので)
だって、昨日、予約確認の電話が病院からかかってきた時、念のために、今日の治療代がいくらぐらいかと尋ねたら、「いつもと同じぐらいと思いますよ」と言われたので、もちろん300ドルなんてお金を持っていかなかった。
「どうして300ドルもするんですか?」と聞くと、
「クラウンの治療ですから」と言われ再びびっくり仰天!
「ク、ク、クラウンだなんて」と言いながら、やっと納得がいったわたし。
あの悪夢のような3時間は、クラウン2本のための治療やったんか……。
「で、最終的にいくらになるんです?」
「677ドルです」
「これはディスカウントしての値段ですか?」
「そうです」

号泣する準備はできていなかったが、もちろん号泣させていただいた、心の中で。

今日の治療は二日分の治療をいっぺんにやったので時間がかかったこと、
けれども、とりあえず、これでもディスカウント保険が利いているので、実費よりは安くなっていることを聞き、自分で自分を慰めながら家に戻った。

今晩、麻酔が切れてくると、傷ついた部分がかなり痛んでくると思うので、痛み止めを二錠、必ず飲むように。
それと、ぬるま湯に小さじ半分の塩を溶かしてうがいをするように。
これがボイジャー先生からの言いつけ。

すぐに仕事を始めなければならなかったので、旦那に痛み止めのツボにマグネットを貼ってもらい、うがいだけをした。
とりあえず今のところ、ドヨヨンとした鈍痛だけで大したことはない。
あと二回、今度こその仕上げをしてもらいに通院しなければならないのだけど、
今年の夏こそは、まさに十年以上ぶりの、Pain Free!の毎日が過ごせることを楽しみに、もういっちょ頑張りまっす
って、最後の最後の最大課題。二十年前の詐欺差し歯の根っこの感染部分除去手術ってのがドッカ~ンと残ってはいるのだけど……はぁ~……