ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

愚の骨頂

2011年02月25日 | 家族とわたし
昨日の夜から降り始めた雨は、強弱をつけながら今日一日中降り続き、久しぶりの冷たい湿気が部屋の中までひたひたと忍び込んでいる。
こういう日は、体調を崩す人が多い。
我が家も然り。
ビルは朝から頭が痛いと言い、恭平は風邪が酷くなり(熱と喉)、わたしは家猫を襟巻き代わりに巻いているみたいな重さを感じていた。

今日はさっきまで12℃あった気温がマイナス5℃まで下がり、明日は晴れるけれどすごく寒いのだそうだ。
もうどうにでもなってんか~……の境地。

明日までにどうしても回復しなければならない息子は、今日は治療に専念するべく、どこにも出かけずに、せっせと生姜湯とレモン湯、そして家庭料理を食べている。
オヤジに鍼を頼むべきか、ジンク入りの薬を飲むべきか、はたまた西洋式に、強力な風邪薬を飲むべきか、それを決めかねている。
旦那が家に戻ってきて、さっそく検診。
治らなければならない時間までにあともう数時間しかない、ということで、西洋式のピルを飲んだ恭平。
初めての経験だからか、異様な早さで元気になり、夕飯をパクパク、まるで普通に食べた。

そして気分の良くなった彼は、いつものように、大学の授業で習っている事柄をあれこれと話し始めた。
*ニワトリが先か、卵が先か。これは実は、卵が先なのである。なぜか……。
*ある曲が頭の中に入り、それが一日中、酷い時には数日間、ずっと流れ続けている現象は、ウィルスが体に影響を及ぼすこととよく似ている。

などなど。

続いて日本語の授業の話に移り……。
彼は将来、心理学の資格とともに、ニュージャージー州の高校で日本語を教える資格も取ろうとしている。
日本人といっても、小学5年生の時にこちらに引っ越してきた彼は、今じゃ英語の方が自然で得意。
もちろん普通に話せるし(彼なりに)、本(漫画だけど)も読めるのだけど、書くとなると話が違ってくる。
それで、最近あった漢字テストの話になった。

「郵便局って書ける?」
と、聞いてくる以上、彼は書ける自信があるのである。
「書ける?」と聞かれると、なぜかムラムラとライバル意識が盛り上がるレア家の面々。
恒例、漢字大会の始まり始まりぃ~!

なぜか、バラバラの場所で頭を絞る男たち。


この時旦那が書いた『局』の漢字を、写真に撮ってお見せできないのが非常~に残念!


そしてその後、恭平がなにかおバカなことを言い、わたしが「そういうのを愚の骨頂と言う!」と嗜めながら、念のために「この言葉の意味知ってる?」と聞くと、「そ、そんなことぐらい知ってるわい!」と、とっても怪しい様子を見せるKの字。
いきなり先生癖が出て、「ほなら言うてみい!」とすかさずツッコムと、「ぐぐぐ」と押し黙るKの字。
こらあかん、ここでちゃんと教えといたらなあかん。とわたしが言おうとすると、「書けるけどな」とKの字。
なにぃ?書けるとな?ほな書いてみい!この母の目の前で書いてみい!と、わたしの机の前まで連れてきた。
「ええと、ぐ~は、ぐ、ぐ、カレーの具?」
「たぁわけぇ~!どけんかぁ~い!母ちゃんが書いたる。よう見ときんさい!」

禺。
あれ?
なんかちゃう?
これやと全然オロかっぽくないやん。
ええとええとええとええと~……。

「かかあ、そういうのをまさしく、愚の骨頂言うんちゃうん?」