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リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

讀賣新聞ぎらい その1

2011-04-23 09:31:14 | オヤジの日記
ネットで見た記事だが、讀賣新聞による、「早く帰らせてくれ」…避難所で首相に怒号、というのがあった。

詳しい記事は、下記のようになる。


 菅首相は21日、福島県の佐藤雄平知事と会談後、福島第一原発周辺の住民らが避難する同県田村市の市総合体育館を訪れた。

 菅首相が姿を現すと、約50人の避難者からは「早く原発を抑えてくれ」「早く、うちへ帰らせてくれ」と怒号が上がった。

 避難住民の一人、同県葛尾村の東海林みゆきさん(51)は、菅首相の去り際に「早く家に帰らせて」と窮状を訴えた。首相は「全力を尽くします」と応じたという。東海林さんは「どんな思いで生活しているか、わかってほしかった」と声を詰まらせた。


起承転結のない文章だ。
もちろん、記事に起承転結は必ずしも必要ないというのは、わかっている。

ただ、首相が訪問した先で、おそらく色々あったであろう出来事の断片だけを切り取って、「避難所で首相に怒号」と見出しを打つタブロイド誌(大衆向けのスキャンダラス記事を書く新聞)のような書きっぱなし記事を書く記者の神経に、私は呆れる。

「うちへ帰らせてくれ」と怒鳴られたときの、首相の反応が書いていなければ、それはただ「怒鳴られた」ことだけを伝える記事にしかならない。

避難所を訪問した首相が怒鳴られた。
そして、怒鳴った人の意見を一つだけ紹介しておしまい。
この文章を読むと、首相が姿を現すと、すぐに怒号が上がったようだが、そのいきなりの怒号に対して首相がどう反応したのかわからない。

首相が去り際に窮状を訴えられ「全力を尽くします」と言うまでのことが、この記事には、まったく触れられていない。
首相の言葉は、「全力を尽くします」だけ。
まさか、重要なことは、それしか言わなかったということはないだろう。

これでは、一国の首相が、避難者に「怒鳴られに行っただけ」ということになってしまう。

記事を完結させるには、首相と避難者との会話が、一番重要なのではないか。

私には、この記事は、ただ「首相に怒号が浴びせられた」「福島の避難者は、怒っているんだぞ」ということを強調するために書かれたように思える。
ようするに、意図的な記事だ。
誘導文である。

プロの書く文章としては、どうかな、と私は思うのだ。


たとえば、レストランを紹介する記事で「ハンバーグを食べました」だけで、文章が終わっているなどということがあり得るだろうか。

「代官山のAというレストランで、評判のハンバーグを食べた。有機野菜を煮込んで作ったデミグラスソースとの相性が抜群で、口の中に入れたら、肉がとろけた。その柔らかい歯ごたえは、初めて経験するものだった。これは、ぜひ肉好きの友人に勧めたい店だ」

というような文章を書いてくれないと、何を伝えたいのかわからない。


讀賣新聞は、今はどうか知らないが、長らく「体制派」だった。

自民党創生のときからの所属衆議院議員であり、初代原子力委員会委員長の正力松太郎氏が社主だった讀賣新聞は、「マスメディアは、いかなるときも中立であらねばならない」という理想論を嘲笑うように、時の政府に肩入れし、「自民党の機関紙的存在」であり続けた。

だから、自民党を脅かすものに対しては、記事が批判的になることが、身に染み付いているのかもしれない。

ナカソネ氏、コイズミ氏、イシハラ氏のシンパ(政治的信奉者)である讀賣新聞は、他の党の、あるいは政治家の失態が好きなのかもしれない。
だから、自分が支持する政治家、あるいは政党以外の記事では、タブロイド誌に成り下がってもいいと思っているのだろう。


「『早く帰らせてくれ』…避難所で首相に怒号」

この中で、「首相に怒号」だけが伝われば、中身はどうでもいいのだ。
見出しが重要。
記事など読んでもらわなくてもいい。


こんな人を馬鹿にした記事を載せる、讀賣新聞が、私は嫌いだ。