まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

LLC Operating Agreementについて

2018-06-08 23:52:15 | 商事法務
○ LLCについては、IRSの定める一定の要件を満たせば税金をpass throughできるということ、また 現物出資や組織運営を自由設計できるということで、米国で広く普及していますね。今回はpass throughの話ではなく、経営(Operating)契約についてです。LLCの法律では、一般的に取締役をManager、株主をMemberと呼んでいますので、以下でもその用法に従います。

○ LLCを2社以上で設立する場合は、株式会社で言えば(会社設立型の)合弁契約(JVA)ですね。この他に、当然会社ですから定款の作成が必要です。株式会社と同様LLCも1社でも設立できますね。その場合もLLCをどのように組織運営していくかを定めるためにOperating Agreementを、100% Equity Holderとの間で締結します。では、そのOperating Agreementでは、大体何を記載するのでしょうか?

○ まず1)定義ですね。次は、会社ですので、2)その組織概要を記載します。
例えば、FORMATION. The Members have formed a Delaware limited liability company under the laws of the State of Delaware by filing the Certificate with the Delaware Secretary of State and entering into this Agreement, which Agreement shall be deemed effective as of the date the Certificate was so filed.ですね。それに加えて、会社の目的等を記載します。

○ 3) 出資の内容 – 別に現金Cash Contributionのみではなく、権利・知的財産等を現物出資できますので、そういった出資額・財産を記載します。複数の出資者の場合で、Pass through税務を考える場合には、当然、出資者毎の資本勘定(Capital Account for each Member)を設けることも記載することがあります。

○ 4)としては、出資者(Member)の有限責任、追加の出資者を認めるか、認める場合の条件等を記載しますし、また出資者の議決権、出資者総会等について記載します。JVAの株主総会の規定のLLC版ですね。

○ 5) としては、会社の運営について記載します。株式会社で言えば取締役会ですね。LLCですのでManagement Committeeとか、Manager’s Meeting等と言います。
Manager (Committee member)の人数、指名・解任、任期、Committeeの権限、欠員の処理等、年次計画・予算の決定や責任等、会社のOfficerの選定・解職等を記載します。

○ 6)としては、利益分配、損失処理等を記載しますね。

○ 7)会社設立のJVAでは、株主に一定期間の持分売却の禁止規定を置きますが、その後は他方株主へ優先買取権を与え、それでダメなら第三者への売却を認める場合がありますね。LLCのOperating Agreementでも同じですね。あるいはPut OptionやCall Optionを記載する場合もありますね。

○ 8)は会計、記録、Memberへの報告、Memberの検査権限等

○ その他解散・清算とその時の分配、守秘義務、(米国では結構多い)人材引き抜き禁止、表明保証、特定履行、その他の一般条項等の規定が入りますね。
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