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アメリカ、中国の軍事的封じ込めへ

2011-11-23 | ラジオ
アメリカ国防総省に対中国に関する特別部門が設置されたことを受けて、ロシアの専門家らはアメリカが中国を、軍事的に封じ込める戦略に出ていると見ている。
アメリカは中国に対して海上および空中のみならず、宇宙やサイバー空間においても対抗する姿勢を示しており、同時に中国の対衛星ミサイルおよび対艦ミサイルを奪取する計画を持っている。

ロシア科学アカデミー付属世界経済国際関係大学の国際安全保障センターで所長を務めるアルバトフ氏はVORからの取材に応じ、アメリカがこのような対中国戦略を策定したことは、他ならない中国を地域における脅威と見なしていることを示しているとして、次のように述べている。
「これは何もアメリカが、中国に対する戦争を準備しているということではない。
これは将来中国が経済的にアメリカを追い抜くか、また並び立つかといったことが予想されるなかで、米中が経済的および政治的にライバル関係となったと
いうことだ。アメリカは中国を抑え込むために軍事力をも活用し、中国との衝突
を避けようとしている。もしもそのような軍事衝突が起こった場合には、アメリカは中国に対して短期決戦の形で打撃を与えようとしている」
アルワトフ氏は、このようにコメントしている。

アルバトフ氏はアメリカが、政治的な責任を負っている台湾の状況を心配していると見ている。中国は最悪の場合には、台湾問題を軍事的手段で解決することも辞さないとしているからだ。
その際、アメリカの重要なメッセージとしては、地域の他の同盟国に対しても、見捨てることはない、という姿勢を示すことにある。
それは第一に日本と韓国。アルバトフ氏は、日本と韓国に対して中国に対する封じ込めが、確信を持ったものとならなくてはならない、ということを行動で示していると見ている。

ロシア科学アカデミー・アメリカカナダ研究所のゾロタレフ副所長は、アメリカが新たな世界の中心となりつつあるアジア地域に、軍事力を展開しつつある動きだと見ている。
「アメリカは新たな中心としてBRICs諸国を見ており、その中でも特に中国を重視している。この地域ではインドも力をつけている。
しかしアメリカにとってインドはパートナー国と映っている。そして中国が実際に世界のリーダーとなろうとしたときのために、ロシアは潜在的なパートナーとなっているのだ」
副所長は、このようにコメントしている。

ゾロタレフ氏はアメリカが特に懸念しているものとして、中国による対衛星システムやステルス機能を備えた第5世代戦闘機、空母部隊に対するミサイルなどの開発を挙げている。
またアメリカが日本と共同で開発している対ミサイル防衛システムに対して、中国が自国の戦略核能力を向上させていることも懸念材料となっている。

11月15日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル