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イスラエル軍による支援船拿捕をめぐる国際社会の批判

2010-06-04 | ラジオ
国連安全保障理事会はイスラエルが、トルコの支援船を拿捕したことを非難し、拘束された乗組員や貨物を引き渡し、独立調査を行うことを要求した。
トルコとレバノンの要請で開かれた、安保理の緊急会合は12時間以上にも及んだ。

参加国の多くはこの事件を、国際規範の侵害だと見なしている。
5月31日イスラエル軍は、ガザ地区の海上封鎖を撤廃しようとしていた6隻の船を襲撃した。
この船にはパレスチナ自治区住民への、人道支援物資が乗せられていた。
また様々な国からの人道支援活動家700人が乗船しており、襲撃時には少なくとも10人が死亡、90人が火傷などのケガを負ったということだ。

この事件の全貌はまだ判っていない。拿捕された乗組員や、ジャーナリスト、平和活動家は拘束され、外部との連絡が途絶えたままだ。
負傷者数も正確には判っておらず、世界中が心配している。
現在判っている僅かな情報に基づいて31日、トルコや中国、ロシアその他の国は、この襲撃は許しがたい国際規範侵害であると非難している。

モスクワ国立法学アカデミーの準教授は、次のように話している。
「今ある情報から判断するに、イスラエル軍によるガザ地区沿岸に向かう支援船攻撃は、海洋法条約で自由に航行可能だと規定されている公海上で起こった。
ですからこの状況は国際規範を、大きく侵害していると判断されるし、国際的な評価とも一致している」
準教授はこのように話している。

イスラエルの行動への反対運動は31日、多くの都市で行われた。
イスタンブール、パリ、アテネでは反対運動は、イスラエル大使館が破壊されそうなところまで発展した。
またこれ程ではないがワシントンやロンドン、ローマ、ブリュッセルオ、オスロ、ストックホルムでも反対運動が起こった。
反対運動の参加者達はイスラエルに対し、謝罪とガザ地区封鎖を解くよう求めている。
同様の要求は国連安保理会議でも起こった。
国連の事務議長補はイスラエルが多くの要求に耳を貸し、非生産的で許し難いガザ地区封鎖を終結していれば、このような流血惨事を回避することが出来ただろうと強調した。
世界はこの事件がイスラエルと、パレスチナの調停問題に暗い影を落とすだろうと危惧している。

国連ロシア代表部の副大使はこの点を指摘している。
「最近安定化を進めるための複数の仮説が立てられていたが、この事件の後、パレスチナは交渉を拒否する構えを見せている。イスラエルは火に油を注いでいる。
イスラエル政府は自らの非を認めようとせず、相手が拳やナイフ、斧で攻撃をしてきたので射撃を行ったとして、軍の行動を正当化している。
さらにイスラエルは今後も同様の行動を続ける姿勢を見せている。
現在ガザ地区に向けて、もう1隻の人道支援船が航行している。イスラエル海軍は完全に準備を整えて、これを迎えると宣言している」

アメリカはなぜイスラエルを偏愛するのか―超大国に力を振るうユダヤ・ロビー

佐藤 唯行
ダイヤモンド社


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6月1日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル