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活かされていない教訓

2008-01-28 | ラジオ
アメリカは民主主義の輸出において、自国の路線の崩壊から来る結論を受け
入れたくはないのだ。
ロシアの声の政治評論委員は、この様に考えており、さらに次のようにコメント
をまとめている。
今年も昨年からの重要な課題が残されている。
世界の政界では、まだ世界的な脅威や安全保障に関連した、一つの不安定要
素がある。
多くの危険を孕んだ政治危機は、実際には核保有国であるパキスタンで起こっ
ている。
過激化しているイスラム国家であるパキスタンは、核兵器を自国の管理下に置
こうとしている。
アメリカ指導部が予め計算していなかった、このような最悪のシナリオの結果に
付いては特に言う必要も無いのだ。これは明らかなことなのだ。
AX
アメリカではアメリカスタンダードで行なわれるパキスタン議会選挙が、パキスタ
ンの今後の体制を確立し、そしてパキスタンに民主主義をもたらすだろうと考え
られている。
勇敢な女性として知られていたパキスタンのブット元首相は、政界から排除され
るべき人物となったのだ。
議会選挙に民主主義を確立するために、ブット首相がパキスタンに登場したこと
は、そうでなくても限界まで緊張していた情勢の悪化を引き起こし、民主主義へ
の一歩とならなかったばかりか、国内情勢をより不安定なものにした。
ブット元首相の暗殺事件は予想できないことではなかった。
ブット元首相自身ですら自分に身の危険があることを自覚していた。
これに付いてはブット元首相の悲劇的な死の後、明らかになった事実が証明して
いる。
しかしこの死によって彼女が何をしようとしていたのか、今はもう知る由もないのだ。

いずれにしてもブット元首相がパキスタンに現れて選挙に立候補したことは宗教、
民族、政治上で対立している国内の現状に関わらず、民主主義を普及するために
作られたシナリオに充分見込まれていたことだ。
このシナリオ違う国に、異なる政治体制や西側の民主主義の批判を移行させるこ
とを見込んだものだ。
以前のルールに則ったゲームの続きや、議会選挙を2月に移行させると言うことは、
パキスタンでの政治危機を打開する助けにはならないだろう。

恐らくアメリカの民主主義のシナリオ作成者には、もう一つの頭痛の種が出て来る
筈だ。
完全な誤算や間違いから、必要な結論を導き出すことが出来ないということは、政
治的破綻の証明となる。
またこのようなことはイラクでも起こっている。爆弾やミサイルの力を借りて民主主
義を輸出しようとすることは、(?)沿岸で行き詰まり状態を引き起こした。
現在イラクでは民主主義の代わりに権力や政治のカオスが起こっている。
アメリカの軍事介入以前に、こういった国連に正式加盟している主権国家の崩壊危
機を現実のものとした。
現在のイラクは世界にとって、危険な国際的テロ基地のある超国家に変わった。
世の中で(?)によって地獄に(?)と言われている。
この(?)と言うのは民主主義を広げた人が、同時にイラク攻撃をも計画実行したことに
よるもので、そうでなければ政治的軍事的な地獄の道は無かったかも知れない。

アフガニスタンは外国の政治システムを、自国政治に持ち込むことは不可能で、自
国の歴史や伝統、社会習慣を外国の政治体制と両立できないという国の、もう一つ
の例だ。
外国軍隊も無力だった。
今日首都カブールは包囲された街であるかのようだ。
民主主義的手段で役割を行なうNATO軍は、次々に敗北をきしている。
アメリカも他のNATO加盟国も、現状をどうやって脱したらいいのか判らなくなってい
るようだ。
イラクやアフガニスタン、現在のパキスタン、レバノン、パレスチナのガザ地区では
テロ組織ハマスが政権を握っている。
より説得力のあるアメリカの民主主義体制に輸出することが、絶望的であることを
示す教訓は他にあるだろうか。
しかしアメリカ政府はこういった重要な課題から脱する必然性があるにも関わらず、
アメリカは今のところ脱しようとしていない。もしくは脱することが出来ない様なの
だ。

唯一のそして真の民主主義国家であると自負するものの、無力の野望に対して一
体誰がどのように清算しなければならなくなるのだろうか。
まだ手遅れにならない内に、この問題に取り組むべき時が来ているのだ。

(?)は発音が不明瞭で聴き取れず

アメリカは環境に優しいのか―環境意思決定とアメリカ型
民主主義の功罪


諏訪 雄三
新評論


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1月14日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル