1010 Radio

ラジオから色んな情報が発信されるように、車いすの視点から情報や思いを発信。

チャイコフスキー・コンクール50年の歴史を記念した、クリンのチャイコフスキーの家博物館

2007-05-20 | ラジオ
モスクワ郊外のクリンにある、ロシアの偉大な作曲家チャイコフスキーの家の
博物館では、チャイコフスキー縁の展示品が陳列されており、この展示は「世
界の音楽の春」と名づけられている。
世界の音楽の春というイメージが生まれたのは、1958年に有名なフランスのピ
アニストが、第一回チャイコフスキー記念国際コンクールの歓迎の挨拶を贈っ
た時のことだった。
若手音楽家の最大級のコンクールとして知られる、チャイコフスキー・コンクー
ルは今年の6月の大会で、第13回目を迎える。

モスクワ郊外のクリンにはチャイコフスキーが晩年の8年間を過ごし、多くの作
品を作曲した、チャイコフスキーの家博物館があるが、50年の歴史を持つチャ
イコフスキー・コンクールを記念した展覧会が、このチャイコフスキー家博物館
で開催されている。
モスクワ郊外のクリンにある、チャイコフスキー家博物館は、今とても美しい季
節を迎えている。
こじんまりとした2階建てのチャイコフスキーの家は、優しい春の緑に包まれて
いる。
実はここは少し前に敷地内で、火災が発生するという不幸に見舞われた。
しかし幸いにもチャイコフスキーの家も、チャイコフスキーに縁の品20万点以上
保管されている博物館も、被害を受けずに済んだ。

チャイコフスキー博物館の、展示品の中には、チャイコフスキー・コンクールに関
連した資料も少なくない。
例えば博物館の陳列台には、コンクールの入賞者や審査員、来賓の写真が並
べられている。
知られているように第一回目のコンクールで優勝を飾ったのが、アメリカのピア
ニスト、ヴァン・クライバンだった。
クライバンはロシアで有名なピアニストとなった。博物館ではクライバンの才能を
敬愛する、ファン達からの手紙が保管されている。
また博物館ではすでに黄ばんで来ている、コンクール出場者の採点表も展示さ
れている。
審査員の採点は後々まで公表されない場合もあるが、ここでは人々に知られて
いないコンクールの裏側が明らかにされている。
さらに採点表にはロストロポービッチ氏等の、偉大な音楽家のサインも残されて
いる。
この他コンクールに出場する、若き音楽家達にとっての栄光の記である、賞状や
一種の祝福を各種メダルも展示されている。

チャイコフスキー・コンクール 神話の終焉

早稲田出版

このアイテムの詳細を見る

第13回コンクールに出場するためにモスクワにやってくる、新しい世代のピアニス
トたちは、これら全てを目にするだろう。
出場者達がチャイコフスキーの家博物館を訪れるのはすでに恒例となっている。
ここにあるチャイコフスキーのピアノで演奏する機会に恵まれた人々は、自分を最
も幸せな人間と感じることだろう。
チャイコフスキー博物館館長は、これに付いて次のように語っている。
「コンクールの前に、チャイコフスキーに敬意を表すためにここを訪れる人々は、一
種の祝福を請けている。そしてこのことが若手音楽家達の助けとなっている。
ミハイル・プレトーニフもアレクサンドル・ルーチンも、ここを訪れた。
彼らはここで演奏し、その後コンクールで見事な演奏をし優勝している」
チャイコフスキーの家博物館館長は、この様に述べている。

チャイコフスキー:大序曲「18
ボストン交響楽団, タングルウッド祝祭合唱団,
チャイコフスキー, デイヴィス(コリン)
ユニバーサルクラシック

このアイテムの詳細を見る

5月2日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル