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1966年 ジーン・リース(エラ・グウェンドリン・リース・ウィリアムズ)
いわゆるスピンオフなのでしょうか?
『ジェイン・エア』で非業の最期を遂げたロチェスターの妻バーサが主人公の物語。
確かに … 『ジェイン・エア』では主役のジェインに注目するあまり
監禁されていた妻の存在をそんなに気にしていませんでした。
実は以前『イギリス短篇選』でこの物語の存在を知ってから読みたかったんですよね。
でも高くて… 今回この、河出書房から世界文学全集で出していただけて良かったです。
こちらではアントワネット(アネット)という名前で、バーサという名は
ロチェスターが同名で狂人の彼女の母親を嫌ってつけた呼び名となっています。
植民地生まれの作者が、バーサが植民地生まれだから狂人になったとでも言いたげな
ロチェスターの言い分に反論する形で書かれたとされる物語。
うーん 、どうなんでしょうね? 難問です。
あらゆる要因がアネットを追いつめたような気がするのです。
まずは生い立ち、ジャマイカ(イギリス領)生まれのアネットなんですが
母親がマルティニーク(フランス領)出身ということでイギリス系の白人からは
相手にされず「白いゴキブリ」などと蔑まれる始末。
父親が横暴な奴隷商人だったので、奴隷解放後島民からは憎悪の対象になりました。
アネットは母親にも相手にされず、友達も無く、困窮した生活を送っていました。
その後母親はイギリス人と再婚したのに、やはり白人にも島民にも恨まれて
とうとう屋敷が焼き討ちにあいます。
白痴だった弟が亡くなり、夫を恨んだ母親は狂気に落ちていきました。
あずけられていた修道院を出たアネットは、義父と義兄のすすめで
イギリス人のエドワード・ロチェスターと結婚しました。
これで幸せになれると思ったのに、アネットにはさらなる災難が襲いかかります。
酷い中傷、使用人たちの意地悪さ、夫の冷たさと裏切り、思い出したくない母の最後
もう次から次へと … これで冷静さを保つ方がどうにかしている。
ラストはイギリスの館でのバーサが書かれています。
ご存知グレース・プールが登場して一気に『ジェイン・エア』の世界へ。
しかしアネットは獣のようなバーサ像とは違う女性のように思えます。
あまりこの物語を引きずるとジェインが不幸になりそうな気がしてくるのですが
別ものと考えるべきか、ロチェスターは心底変わったのだと考えるべきか?
悩ましいなぁ … この先なにをどれぐらい感情移入して
『ジェイン・エア』を読んだらいいんだろう?
ただ、ジェインが自分の境遇に負けず道を切り開くタイプの女性だったのに比べて
アネットはかなり受け身人生だったことは否めません。
強くなりたい時は『ジェイン・エア』を読もうと思います。
余談です
ロチェスターとアデールの母親のフランス人ダンサーの恋も激しくて
スピンオフになりそうじゃない? ありがちな話ではありますが…
みすず書房にはジーン・リースのシリーズがあるみたいです。
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1966年 ジーン・リース(エラ・グウェンドリン・リース・ウィリアムズ)
いわゆるスピンオフなのでしょうか?
『ジェイン・エア』で非業の最期を遂げたロチェスターの妻バーサが主人公の物語。
確かに … 『ジェイン・エア』では主役のジェインに注目するあまり
監禁されていた妻の存在をそんなに気にしていませんでした。
実は以前『イギリス短篇選』でこの物語の存在を知ってから読みたかったんですよね。
でも高くて… 今回この、河出書房から世界文学全集で出していただけて良かったです。
こちらではアントワネット(アネット)という名前で、バーサという名は
ロチェスターが同名で狂人の彼女の母親を嫌ってつけた呼び名となっています。
植民地生まれの作者が、バーサが植民地生まれだから狂人になったとでも言いたげな
ロチェスターの言い分に反論する形で書かれたとされる物語。
うーん 、どうなんでしょうね? 難問です。
あらゆる要因がアネットを追いつめたような気がするのです。
まずは生い立ち、ジャマイカ(イギリス領)生まれのアネットなんですが
母親がマルティニーク(フランス領)出身ということでイギリス系の白人からは
相手にされず「白いゴキブリ」などと蔑まれる始末。
父親が横暴な奴隷商人だったので、奴隷解放後島民からは憎悪の対象になりました。
アネットは母親にも相手にされず、友達も無く、困窮した生活を送っていました。
その後母親はイギリス人と再婚したのに、やはり白人にも島民にも恨まれて
とうとう屋敷が焼き討ちにあいます。
白痴だった弟が亡くなり、夫を恨んだ母親は狂気に落ちていきました。
あずけられていた修道院を出たアネットは、義父と義兄のすすめで
イギリス人のエドワード・ロチェスターと結婚しました。
これで幸せになれると思ったのに、アネットにはさらなる災難が襲いかかります。
酷い中傷、使用人たちの意地悪さ、夫の冷たさと裏切り、思い出したくない母の最後
もう次から次へと … これで冷静さを保つ方がどうにかしている。
ラストはイギリスの館でのバーサが書かれています。
ご存知グレース・プールが登場して一気に『ジェイン・エア』の世界へ。
しかしアネットは獣のようなバーサ像とは違う女性のように思えます。
あまりこの物語を引きずるとジェインが不幸になりそうな気がしてくるのですが
別ものと考えるべきか、ロチェスターは心底変わったのだと考えるべきか?
悩ましいなぁ … この先なにをどれぐらい感情移入して
『ジェイン・エア』を読んだらいいんだろう?
ただ、ジェインが自分の境遇に負けず道を切り開くタイプの女性だったのに比べて
アネットはかなり受け身人生だったことは否めません。
強くなりたい時は『ジェイン・エア』を読もうと思います。
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ロチェスターとアデールの母親のフランス人ダンサーの恋も激しくて
スピンオフになりそうじゃない? ありがちな話ではありますが…
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