まりっぺのお気楽読書

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イングランド王ヘンリー8世妃 キャサリン

2008-11-01 01:39:31 | イングランド王妃・王女
王を看取った慈愛の王妃
ヘンリ-8世妃 キャサリン・パー


1513~1548/在位 1543~1547

キャサリン・ハワードの処刑から1年、ヘンリー8世が6人目の王妃に選んだのは
既に2人の夫を亡くしていた30歳のキャサリン・パーでした。
さすがのヘンリー8世も若くてきれいなだけじゃダメなんだということに
気がついたのでしょうか?

キャサリンは王から結婚の申し入れがあった時
3人目の王妃ジェイン・シーモアの弟トマスと結婚することになっていましたが、
「王が亡くなったら・・・」という約束を交わしてヘンリー8世に嫁ぎました。

      

キャサリンは才媛と広く知られていた人で
そのために宮臣たちが王に強く結婚をすすめたらしいのですが
王太子の教育にも熱心で、高名な学者を家庭教師に選び、エリザベスも同席させました。

また、メアリーやエリザベスを王と和解させたり
4人目の王妃アン・オブ・クレーヴズの居城を訪ねて慰めたり
すぐに癇癪をおこす王を諌めたりと、平穏な王家づくりに努めた
慈しみ深く思慮深い人でもありました。

キャサリンの手厚い看護に看取られてヘンリー8世が亡くなった時
宮廷は新しい王エドワード6世の王太后として残ってほしいと懇願しますが
彼女はさっさと宮殿を出てトマスと再婚します。

思えば王からの結婚の申し入れに
「陛下の臣下ゆえ、仰せに従います」と言って嫁いだくらいですから
完全に“お役目”としてやってたんでしょうねぇ。
ほぼ完璧に職務遂行して、ある意味立派ではありますが・・・

しかしトマスと再婚する際に、未成年だからとエリザベスを連れて行ったことが
彼女の不幸を招きます。

トマスはエドワード6世の摂政になった兄をねたんで王権に介入しようと画策し始めますが
なんと!妻がいるのにエリザベスにしつこく求婚します。
エリザベスは相手にしなかったという説と、関係があったという説がありますが
どっちにしたって気分がいいものじゃないですよね

キャサリンは再婚の翌年、36歳の時に初めての出産で亡くなります。
賢明で誉れ高い才女でありながら、なぜか結婚運が良くなかった彼女の人生。
1年後トマスは『シーモア事件』で処刑されますが
それを知らずに亡くなったのが、せめてもの慰めかと・・・

(参考文献 森譲氏『英国王室史話』『英国王妃物語』
      石井美樹子氏『イギリス・ルネサンスの女たち』)

これさえあれば、あなたも英国王室通
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賢妃の最大にして、最後の失敗 (メリエンダ)
2018-11-05 21:44:16
キャサリン・パー王妃は、ヘンリー8世の最後の正妻、王妃にして、ヘンリー8世の最期を看取った女性。ヘンリーは、先の王妃の所業からか、あるいは、ヘンリーは、歳を経て、頑健だった体に衰えを感じた為か、今度の王妃は、自らの最期を託せる、落ち着いた性格の、更には、会話を楽しめる程の教養豊かな女性を選ぶことにしたみたいで、これまでの“器量好み”から、一転、さして美人ではないが、“才女”と名高い未亡人、キャサリン・パーに白羽の矢が立ち、ヘンリーは、キャサリンと学問の会話を楽しんだり、病気のヘンリーを甲斐甲斐しく介護したりして、ヘンリーも遅蒔きながら、漸く落ち着いた生活を送るができたみたいですね。キャサリンは、夫だけでなく、生さぬ仲の義子達、メアリー、エリザベス、エドワードらを大事にし、メアリーとエリザベス“庶子”から“王女”の地位の復活をヘンリーに懇願し、“王女”に相応しい教育を受けさせ、二人姉妹は、キャサリンを“大好きなお母様”と呼んでいたとされていますね。
ヘンリーの最期は、これまでの所業が嘘のように、穏やかに、王妃に看取られながら亡くなりキャサリンは、“エドワード新王の摂政に”と懇願された、とらしいですが‥“今度は自分のお世話をする番!” と考えたかどうかは、わかりませんが、断り、再々婚することに‥ここまでならば、幸せな結婚生活を送れたでしょうが、思わぬ落とし穴が‥エリザベスと夫の良からぬ噂が‥キャサリンは、愛する夫、我が子のように慈しんだ義娘の裏切りに、深く傷つき、出産後、亡くなってしまったそうですね、気の毒過ぎます。
義母のことで、エリザベスと元々仲が良くなかった異母姉、メアリーの仲が更に悪くなった、という説があり、エリザベスが、生涯独身だったのは、義母を裏切った負い目もあったからでは?とも‥でも、エリザベスは、父の所業、自分の結婚で、国の混乱を招かない為に独身を貫いた、とも言われていて、エリザベスの生涯独身の理由は、ひとつではないと思います。
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