まりっぺのお気楽読書

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『20世紀イギリス短篇選』つまみ食いは楽し(⌒-⌒)

2008-08-24 01:31:13 | イギリス・アイルランドの作家
上下巻で23話が収載されています。

特に20世紀前半、後半とは分けられていないようで
上巻にはわりと英国スタンダードな作家を
下巻はユニークな作家を集めているように思いました。
あくまでも私が思うに・・・です。

こういう短篇集は、たぶん手に取らないだろうなと思うような作家のものも
ちょこちょこつまみ食い的に読めていいですよね。

上巻
このシリーズって『20世紀アメリカ短篇選』 もあったけど、時代は同じですかね?
アメリカと比べて、より100年前の感じが滲み出ています。
伝統大好き!古いもの万歳!! な国民性は小説の中にもよく表れていて好きだなぁ。

日本はちょいとほいほい壊し過ぎだもの。
東京丸の内郵便局は壊しちゃだめでしょう
あんな恥ずかしいビル建てるために。


下巻
少しだけ上巻より現代的。
英国的な殻を打ち破ろうという試みも垣間見えます、が、やっぱりイギリスなのでした。
当たり前かもしれないけど。

一番気になった作家はジーン・リース。
彼女が『ジェイン・エア』のロチェスター氏の妻を描いたという『広い藻の海』というのに
ものすごく興味があるのですが、1冊9,400円という高値に二の足を踏んでおります。
うーん どうしよう・・・

上下巻から好きな作品をひとつづつあげてみます。

『旅路の果て(At the End of the Passage)/1890年 R・キプリング』
過酷な植民地インドに駐屯する4人の英国人青年たち。
苦労して集まる週一度の夕食で、ホストの青年の異様な言動に客人3人が気付きます。
一週間後、3人は彼の変わり果てた姿を目にします。

とかく気楽で贅沢に思われがちな植民地への赴任ですが、クーラーも冷蔵庫もない時代、
灼熱の荒野で労働する英国人がどうであったのか?
作者の経験を生かして語られた物語です。

『別れられる日(How Soon Can I Leave?)/1973年 S・ヒル』
入り江のバンガローに暮らす二人のオールド・ミス。
芸術家のバートレッドはプライドを捨てきれずおせっかいのロスコモンを疎んじますが
離れてみて、初めて彼女の優しさに気がつきます。しかし・・・

女の人が二人で暮らしたり、余生を送ったりする話しってイギリスには多いよね?
男の人に頼らなくても生きていけるってことなのか、
女一人では生活が成り立たないってことなのか、
どちらか分かりませんが、年取った男の人と住むよりは楽しそうです。

私はあまり動的な物語は好きではないので、偏った意見になりますが
全編“こじんまり”した感じが『アメリカ短篇選』より好きでした。

20世紀イギリス短篇選〈上〉 岩波書店


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こちらは上巻

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