まりっぺのお気楽読書

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『クローヴィス物語』愉快な仲間で、イヤーなヤツ

2016-07-28 18:15:13 | イギリス・アイルランドの作家
THE CHRONICLES OF CLOVIS 
1911年 サキ

クローヴィスという上流の青年が主人公だったり、その友人がクローヴィスに
聞かせた話しだったり、クローヴィスがまったく登場しなかったりする短編が
笑える話し、ゾッとする話しとりまぜて、28篇おさめられている短篇集です。
ほとんどが『ザ・ベスト・オブ・サキ』で読んだものでした。

好きというよりは、気になったものをいくつか …

『エイドリアン(Adrian)』
ほどよく脚色された身の上話しをすることで、しょっちゅうルーカスにおごってもらっている
エイドリアンは、ルーカスの叔母ミセス・メバリーに気に入られ、アルプス旅行に同行する。
一緒に行っているクローヴィスからの、ルーカスへの便りによると
叔母一行は、エイドリアンのせいでホテルを転々としているらしい。

一般人が、上流の方々と旅行に出かけて、おおいにはしゃいでしまったのね。
いつも思うんだが、たとえば、比較的裕福でなく育った人が、有名人になるとか何かで
ものすごく大金持ちになった時に、急に上流社会に出てうまく対応できるものなんだろうか?
まぁ、私にはまったく関係ない悩みなんですけどねっ。

『イースターエッグ(The Easter Egg)』
軍人の家柄に生まれたレディ・バーバラは、愛息レスターの小心さが気に食わなかった。
ある時、つきあいのある公国の町長に、ゲストの大公殿下のもてなしについて相談を受けた。
すると、宿の泊まり客の女が、おずおずと、自分の幼い息子に、イースターエッグの
カゴを持たせ、大公殿下に贈呈させてはどうかと提案してきた。

少しタネあかしをしてしまうと、テロの話しなのです。
たぶん、今だからすごく気になったんだと思う… 既読ですが、以前はスルーしてたもの。
こういう話しを読んでしまうと、誰も信じちゃいけないな… なんて、思えてきます。
思っちゃいけないとわかっちゃいるが、誰が何を考えてるかなんてわかんないもんね。

『閣僚の品格(Ministers of Grace)』
神秘主義者の若い公爵は、政局を嘆く悲観論社の友人ベルタルビットに
閣僚たちを天使と入れ替え、閣僚たちを一時的に動物に変えてしまうという。
訝るベルタルビットの前で、まず、不人気な大臣がいきなり好人物になり
その隣には怒れるスズメがいた。

笑い話なのかな? 善人ばかりの政治家と大企業家がいる国は良い国か… っていうお話し。
誤解を怖れずに言ってしまえば、ものすごく清廉潔白で正直だけど無能な政治家より
多少いかがわしくても有能な政治家の方が、うまく国を動かしてくれそうな気がする。
清廉潔白で有能っていうのが一番いいのでしょうが、なかなかねぇ… 会社でもそうでしょ?

さて、クローヴィスですが、彼が登場している話しを読む限り、善い人ではない!
むしろやなヤツだと思います、が、仲間にいたら楽しそうよ。
他人の悪口とかすごく上手そうだし、イタズラとかいやがらせなんかを考えさせたら
すごく面白いアイデアを出してくれそう。

できたら敵にはまわしたくないですね。
それから、心から友だちになりたいというタイプでもないですね。

多数の作家が愛するサキの短編
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ひとことクラフトコーナー
わけあって、ここ1ヶ月ちかく、空き時間はこれにかかりっきりでした
ねこやまさんのあみねこの編み図で編んでみました

 



ひそかに誰かに似せてあるんだけれども、似てないので秘密にしときます 




中に載っているあみねこたちを見ているだけで楽しいですよ
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