スピリチャルTIMES 「とにかく生きてみる!」

スピリチャルTIMESの編集長北村洋一が、この不確定な社会に生きている人々の喜怒哀楽をレポートする。

父の入院vsそして集中治療室へvsポリシーにより私が戒名を書く・・・・ 12/108

2012年07月18日 | 自分的エッセー

とにかく生きてみる。そしてとにかく生きている。生きてる限りはそれはそれでいろんなことがある。
深夜バイトは夏休み前の連休で、とんでもなく忙しいのである。深夜12時30分に入って、出てくるのは朝の10時ごろである。冷蔵庫の寒さと空腹と、足の疲れと眠たさで、もうどうにでもなれと喚きたくなる。それもこれも銭の為やと思えばの我慢のしどころであると、言い聞かせ頑張っているが、私の体にも限界の信号がともっている。歯茎がはれて顔が、次長課長の河本のようにエア張りになっている。歯医者に行き痛い痛い・・・・治療で、腫れは徐々に収まりかけている。

そこに・・・・・父の入院が起こった。
4~5日前に自転車でこけたそうで、左肘の裏がすりむいていた。ラグビーやサッカーでは日常茶飯事のことである。ところがその後3日くらいたって、急に体調が変化し始めた。
まず・・ロレツが回らなくなった。そして食べたものは戻すし、水系も、口に持っていっても、ダラダラと口の外へこぼしてしまう。話すことも歩くこともままならなくなった。年も80歳をまわっているので、てっきり痴呆から脳にきていると思った。物忘れの激しいのは母のほうである。その母が父の看病をするのだが、それはどう見ても風邪引きの看病であり、水枕や、冷たいタオルや、お茶やプリンを次から次に出すのだが、父はまったく受付けない・・・・・もう最後には母も気がおかしくなりかけてきた。たまたま外出中だった私に携帯がなり・・・「おとうちゃんもうあかんは・・・」と言う。びっくりした私は、すぐに救急車を呼び(外出先から)そのまま病院に直行した。
初めに運ばれた病院でMRを受けた結果・・脳・・内臓とも異常がないとのこと・・
ひょとしたら・・と思うのですが・・「破傷負・・・」の疑いがありますと診断され、ここでは設備がないので転送をしていいただき、緊急集中治療が出来る大学病院に行くことになった。
到着と同時に10名位のドクターが父を集中治療室に運びこんだ。
30分後「破傷負・・」です。とのことだった。去年でもわが国では50名位しか感染されなかった感染病であるとのことで・・「何処で転ばれたのか・・土のあるところかとか?」と聞くが・・私にはさっぱり判らないのである。しかし・・自力呼吸が出来ず、体に菌が、廻っている可能性があるので・・集中治療室で管に繋がれ生かされている状態になった。
薬でしか治癒する方法がないので、それに対応できる体力がいるとのことで・・・時間のかかることになりそうなのである。

年金暮らしの年老い父母には・・贅沢な貯蓄もない。
それも私がかなりの部分で迷惑をかけたことが大きいと思う。
でも・・何とか父以上に、毎日毎日、ちょっとしかない通帳を見ている母の不安を脱ぐわなければならない。役所に行き・・・高齢者の未収入者の場合の公共のサービスを教えてもらった。
私の持っている何とかのお金で、何とかいけるところまでの算段はついたが、それでも親戚の方からは笑われそうな計らいであるのは間違いない。

父は私と正反対の性格である。父は大変な倹約家であり、人付き合いもしなければ、酒を飲んで歌の一つでも・という陽気さもない。それでもただただ・・一人黙々と競馬だけは楽しんでいた。
楽しいみは競馬だった。父の財布にはいつも何枚かの当たり馬券が次のレース用の軍資金として納められていた。競馬の帰りもどこにも寄らず、母へのお土産も買って帰った、ためしがない。
私は・・いつも「セコイ、ビビンチョな男やな・・」と思っていたし、その血がこの私にも流れていることに何かを恨んでいるようであった。
父は本当に倹約家である以上に銭を使わん人なのだ。そんな父の万が一の時の用意は私がしなければならない。不謹慎だが、いろいろ調べた結果、僧侶に払う戒名について・・最低でも10万くらいはかかる・・それも最低である。そこそこなら30万は必要であるらしい。
まったく見ず知らずの坊さんにそれはちょっと・・・と思い始めた。あのケチな父も10万あるなら・・
あれも、これも直せて、何ヶ月食えるし、また一人残った母の負担になることも考えて、「そんな戒名ならいらんわい・・」と言うだろうと思う。もともと無宗教、無神論者というか・・まったく神仏を省みない男であるのだから。「それも・・いい??」とそこは納得する。

そこでだ、私が一世一代の思いを込めて・・私が戒名を書いてやろうか?!!と大胆な罰当たりな思考になった。銭がないからが一番の理由であるが、まったく父の人生を知らない僧侶に本当に、その人生にあった戒名がかけるのかが疑問であり、それを普通にしていることが当たり前なのかが、腑に落ちないのだ。

集中治療室に入って1週間になる。
せめて擦り傷の時に、医者にでも往って化膿止めでも処置してればと・・思う。
それをケッチタのか?安物買いの銭失いとは、よく言ったものだ。
それなら・・いっそ徹底的に、父子でそれを貫いてみせようじゃないか・・・
笑うものは笑わせておけばいい・・・・ 他人様はわかるまい。
それがオヤジのポリシーなんだから
どうだい?? オヤジよ・・・・・

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