スピリチャルTIMES 「とにかく生きてみる!」

スピリチャルTIMESの編集長北村洋一が、この不確定な社会に生きている人々の喜怒哀楽をレポートする。

とにかく生きてみるvsNHKのど自慢vs日曜日のひと時

2017年03月26日 | 自分的エッセー
日曜日の正午プラス15分は、NHKのど自慢にチャンネルを合わす。
痴呆のオカンを定位置に座らせて、お昼を早めに食わせてコーヒーをテーブルに乗せてテレビを見る。
実は僕は20代の頃から日曜日の昼はNHKのど自慢を見ている。
約束があるときもこの時間を確保してから出かけるのである。
さて痴呆のオカンである。
5秒前のことを忘れるオカンも唯一この番組に没頭する。
それは、ツッコミ処がいっぱいあるからだと思う。
チンドン屋みたいな衣装で出演する方や、ヨボヨボで舞台の真ん中まで歩いて来て、はずしまくる歌や、若者がテレビに向かって「おじいちゃん元気になってくれ!」と叫ぶのを、笑いながら見ているのだ。
そして「鐘」!
キンコンカンが分かりやすいのだ。
鐘一つでコケる出演者に、「ああぁ」と言ってニヤリとする。
又合格の鐘が連打されると、「上手上手」と手を叩く!
この分かり易さがいいのだろうと思う。
それとこの番組には格差が無いというか、鼻につくような、嫌なお金の臭いがしないのがいい!
それと僕なりのNHKのど自慢楽しみ方は、想像力のドライブなのです!
「何故この歌をこの人がチョイスしたのか?」をモニターに映っている瞬間に物語を作るのだ。
そしてその出演者の向こうにある苦悩や悲しみを想像するのがいいし、それが楽しいのだ。
秀逸な短編を読んでいるいみたいで、脳が活性されるのがわかる。
外車を乗り回し、ブランド物を持って、お金の量でのみ、その人の成功というか「幸せ度」を見てしまう今の世の中に確実に「違うやろ〜!」と思わせる説得力がある。
また歌の力には凄いパワーがある。
その歌がオンタイムで巷で流行った時へタイムスリップさせる。
僕の中のあの頃の僕が現れる。
多分痴呆のオカンにも、あの頃の自分が登場しているのだろう。
そしてその頃の自分と対話をしているのだろう。
自分の記憶が飛ぶ中で一瞬だけやって来る、あの頃の自分をトレースして誰かを慈しんでいるのだろう。
優しい顔でテレビを見るオカン!
でも、ゲストの歌のときにでも「この人上手」と一人頷くオカンに、僕は無言にならざるえない。
このひと時が日曜日の正午の風景なのだ。
多分大切なひと時なのだろうと思う。

ここから「新婚さんいらっしゃい!」にチェンジする。
桂ぶんしが椅子からコケるのを見せて、僕は仕事に行く‼️
コメント
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