駐輪場に停めてあった僕のチャリの下に何やらチラシが落ちているというか、「これを見ろ〜〜」的な積極的なアピールをしているのが、目に付いたのだ。
一瞬ドッキとしたものの、僕はこの次元とは違う次元にチューニングをする為に、目を閉じて鼻呼吸をした。
そして未だかって届いたことの無い、この宇宙を司る存在に対して、こう呟くのだ。
「ほぉ〜そう来ますか?
この機に及んでこの僕にこんな試練をお与えになりますか?」
「宝くじですか?この状況なら当たりますよーね〜」
というか、「当ててやるから買いなさい!」と言ってるのが聞こえ切迫してくるのです。
僕はチャリ下のチラシを眺めながら、
「10億ですか! やっと最近少しでも安いスーパーで買い物をする様になったし、1000円以上の昼飯には気遅れもするし、時給910円からスタートして、辿り付いた1100円に、めちゃくちゃやり甲斐も感じてる今日此の頃に、持たざる者の苦悩から、持ちたる者の苦しさを授けたもう〜〜と言う事なのかと、イサクの心境の如く激しい緊張に見舞われる。
10万しか持っていない今の僕の切迫が、10000倍に膨らんでしまい、金の量の物差しでイロイロなご機嫌を図る事を嫌った僕に、今更何をさせたいのであろうか?と思い患うのだ。
そこで言える答えは、「ヨーセ(モーセみたい)、この10億を君に与える! 貧しさの裏にあるもう一つの困難、そう「富」に苦しむが良い! 持つ者の悲愁を、人の醜さを見て、成熟せよーー」と言う事では無いだろうか?
還暦パーティも終わり、一汁五菜と晴耕雨読で生きようと思っていた矢先にこれだ。
引き受けるには、この身体はもたないかもしれないと思いながらも、この10億を引き受けるしかないのだろう〜〜思う。
もうボヤくまい。
持つ者の苦しさを僕は引き受ける事にする!
貧しさの苦労と持つ事の苦労を知るためにも。
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