スピリチャルTIMES 「とにかく生きてみる!」

スピリチャルTIMESの編集長北村洋一が、この不確定な社会に生きている人々の喜怒哀楽をレポートする。

歓喜花の占い研究会・・「通りゃんせ・・」の巻き。

2011年10月27日 | オリジナル空想スピ系小説

 大学に入学して、新入生のオリエンテーションの日に、長ランをきた先輩につかまりクラブに勧誘されようとした。部室に連れて行かれて話を聞かせれたあと、学内フリーパスの黄帽を借りて、学内を探検していたら。同じく内部から上がってきた江井華美という女の子と知り合い、その女子も同じく、占い研究会に入っているのか、既に高校時代から、大学の占い研究会に憧れていたのか、とにかく既に占い研究会の活動をしているのだった。その江井華美に頼まれて、桜で、オーラー写真のブースで試しに、僕がオーラー写真を撮ったところ、なんと私のオーラーは真っ白な色で、全くオーラーのない状態であった時に、突然私の見る景色な影が入り込み、何回か目をこすると、なんと昨日のH(セックス)をしたかどうかが、透視できることに気がついた。今までまったくそんな霊感もない僕が、当然持ったこのパワーにしばし呆然となりながら、午後から呼ばれている占い研究会の体験練習をブッチするかどうかで、気持ちが落ち着かないでいる。
前からくる女子大生の軍団を見ると、何個かの影が映るのがわかるが、あえてそれ以上に知りたくないと思って、目を擦ることをしなかった。それよりも、誰かにこのことを話して楽になったほうがいいのか、一人秘密にしていたほうがいいのかを考えていた。僕は、地方からこの大阪に来て、一人暮らしををこの春から始めた。まだ大阪に馴れていないし、それ以上に一人暮らしに馴れていないのである。実家からの仕送りだけでは、やっていけないという思いで、アルバイトをしながら大学生活を送ろうと決めていた。夕方からアルバイトの面接もあるので、やっぱりここは、占い研究会の体験練習をキャンセルすることにした。ただし、もともとから正直な性格というか、今後も大学内であった時に、気まずい思いもするのも嫌な気もするので、一旦占い研究会の部室に行って、事情を話して帰ることに決めた。

借りていた、フリーパスの黄帽と学食の無料飲食カードを持って、ドアーを開けた。
部室には、まだ練習まで時間があるのか、4名位の新2回生が、思い思いに占いグッズを手にして、練習をしていた。
「朝体験練習に誘われました新入生の長井ですが・・」「これからバイトの面接の予定がありまして体験練習に参加できませんので、これをお返しに来ました・・」と誰に言ったのか定まらない言い方、黄帽とカードをテーブルの上においた。
そうすると確か、立ち茶柱入りのお茶を入れてくれたギボという先輩女子が、私の前に来て、
「ちょと待って・・」「今細木先輩に連絡するから・」と言って携帯を取りだして、電話を架けた。
「当たりです・・」「はい・・はい・・はい・・了解いたしました。」と言って電話を切った。
「長井君・・帰ってもいいと言う許可をもらいました・・が、今日一日何も得ないで終わるのはモッタイナイ・・のでこれから(通りゃんせ・・)をやります。そしてそれが当れば・・帰っていいから・・
「通りゃんせ・・?てあの通りゃんせですか・・?」と聞いた。
「そうです・・ただ今回は、フォーメンで行きますので、4名の内の一人の、後の正面を当てればいいのですから、簡単です」とギボが言う。
「もし・・当らなかったら?」と逆に僕は聞いてみた。
「当たるまでやります・から」と笑顔を作りながら答えた。

「集合・・」と声がかかり、ギボを入れて4人が手を繋いだ。名前を言わなくてもいいから、何色の服を着てるかで答えても良いと言われ赤・白・チェック・黒とにして、僕は輪の中に屈み、両手で、顔を抑えた。
4名の先輩が円を手を繋ぎ、円をつくり「通りゃんせ・通りゃんせ、ここは何処の細道じゃ・・天神様の細道じゃ・・・」と歌いながら、最後に「後の正面、誰れぇ・・」と言うなり4名が座った。
透視能力もなけれな、占いのウの字も判らない僕は・・背中に神経を集中させた。
セックス透視の力がここでは役にたった。女2名で男2名のこの輪の中にに、セックスした気配を、後に感じるのだが・・若干弱いのである。ジジィジィと機器音が微かに頭に聞こえる。
多分オナニーで終わった口であると思う。
男は外して、ギボも何も先ほど感じなかったので、残るは、チェックの服を着ている、大柄な女子だけである。そこで「チェックの人・」と答える。
「大当たり・・」と歓喜の言葉が続いた。「凄いやん素質あるで・・」と又声がする。
「そんなことありませんけど・・たまたまマグレです」と答えた。
僕はそれよりも、セックス透視がオナニーにも効くことのほうが、遥かに重要であった。
とにかく実証をしなければならない。そして確実に昨日Hしたとか、オナニーをしたとかの答えを貰わないことには、果たして僕のH透視が、正解かどうか、今の時点ではわからないのだ。
ただ・・その力がぼんやりから・・確信に変り初めている気もした。

「どうぞ・・通りゃんせ・・」といって、部室のドアーを開けてくれたので、僕は「失礼しました・」と声に出し部屋をでた。その時チェックの服の女子先輩の顔を一瞬みた。首につけてる十字架のネックレスが、ピンクロータに見えた。


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とにかく生きてみるvs最も憂鬱なこの時間

2011年10月22日 | 自分的な生きるエッセー

 とにかく生きてみる。このブログの連載小説が、自分が思っていた以上に読んでいただいていることにびっくりしている。しかしその反面、才能がもともと無い所に、深夜バイトで疲れてまったく続きが書けないでいる。ストーリは出来ているのだが、頭が立ち上がってこない。その結果、笑いにならないのである。そして今・・憂鬱な時間を過ごしている。
あと3時間もすれば、自転車を漕いで深夜バイトに向かう。結構きつい雨が降っているのが、さらに気分を落ち込ませる。カッパを着て、靴にビニール袋を巻いて、深夜の雨の中を突っ走るのだが、もう元気がないのだ・・そして日曜日は、残業があり零時から昼の14時まで作業をする。
お金になるから・・それは耐えられるのだが、そういつまでの良い子ちゃんに納まっていられない、もともと私の中にある、悪い子ちゃんがむくむくと芽が出てくる。
しかし悪い子ちゃんと言ってもまあぁ・・可愛いものだと思うのだが?
旅に行きたい。知らない街を歩いてみたい。
友達に逢って、鉄板焼屋でビールを飲みながらショウムナイ話をしたい。
女性を横に乗せて、近場の街に出かけてみたい。
出来れば、そのままホテルに入りたい。
その女性が、やらしく積極的に咥えて舐めまくってほしい。
仕事関係でない、仲間内のパーティに行きたい。
「最近どうしてる・・」なんて聞かれたら・・「とにかく生きてる・・」とさらりと言ってみたい。
親戚の集まりで、ぼろくそに言われながらも血につながりを感じてみたい。
子供達と飯を食いに行きたい。昔のように焼肉とすし屋をはしごして、腹一杯食わしてやりたい。
近所の寄り合いに出て、真面目に生活している人と、缶ビールとおかきで話がしたい。

おおぉ・・・したいことが一杯ある。
しかし迷惑を掛けた他人に返さないといけない物がある。
我慢だろう。ただ返せる日までひたすら我慢だろう。
それにもまして・・金がない日々が続く。電車に乗ることもためらいがちになる。
コツコツしかお金を呼ぶことが出来ない。何か腹も立たなくなった。諦めた・・のか?
この深夜バイトから抜けて、スカーンと気持ちのいい時がくるのか・・

益す益す外の雨が強くなった。もうカッパを着る気力はない。
腹も減らない。ただ喉が渇くだけである。足の指にたこが出来たのは、この夏くらいからで、何回か削っていくうちに、更に肉が盛あがり、指と指の間がピット引っ付いた。その影響で、靴の中で他の指が圧迫されて痛くなった。いづれこの指もたこが出来、さらに肉が盛り上がるのだろう。

一人言が頻繁にでる。「●●●したい・・」という欲望を丸だしに言う。
隣にたまたま他人が居ていることもある。ひょとしたら寝言でも言っているのかもしれない。
休みの日が楽しみにならない。それが終わるとまた6日連続勤務があることを脳味噌が知っているからなのか、休みの日がただ寝ているだけに終わっているからなのか・・ワクワクしない。

間もなく・出勤の目覚ましがなる。やっぱり雨はやんでいない・・・
やっぱりカッパを着るのだ。何のために・・
雨に濡れないために・・
何故雨に濡れたらいけないのか?
仕事が出来ないから・
仕事が出来きないことは何故いけないのか?
お金が入ってこないから・・明日からたちまち食えなくなるから、それはそのまま死へと繋がるから。 
それでも・・深夜同じようにカッパを着て仕事をしている人が居ることをで、勇気がもらえる。
その人達も、必死で自転車を漕いでいく姿を見て勇気が湧いているとしたら、それはそれで私は嬉しい。でもこのモチベーションだけでは今日は立ちあがれない。
明日はいいことがある・・という確信はない。明日は15時位に帰ってきて、何か食って、寝たら直ぐに深夜バイトというパターンがある。
明後日なら、なんかあるかも知れないと思うことにしようか?
何があると聞かれたら・・具体的には判らない。
判らないということが今は非常に意味がある。
判らないから・・面白いのだ。

雨が強く降る深夜、自転車を漕ぐ、カッパ姿の男。
憂鬱を雨が流してくれる。











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歓喜!花の占い研究会・・・・第6話「OH・マイゴッド!」  空創笑説シリーズ

2011年10月17日 | 創作小説

 僕は、江井華美にキャチされ、占い研究会オーラー写真ブースでサクラにされた。
 そもそもオーラー写真そのものが、今メチャクチャ人気があるわけでない。
 特殊なカメラとパソコンのソフトと手のひらの温度で、その人の体調パターンを選び、それに対して後付の説明をしているのだ。体の周りの色が、オレンジから赤ほく写れば、情熱的な正確であり、理想化であったり、正義感が強い・・また青ポク写れば、知的で現実的で、向上心が強いとか、紫色では、情愛が深く、思慮深く、強調性があるなど・・と判断する。それを後つけで、パソコンが、沢山のネタのなかから、ちょっとずつ話をピックアップして、「今・・人間関係で疲れているので・・(緑の色の輪郭がぼけている)、癒しの為の行動をとるように・・大自然の中に体と心を委ねてみたらいい・・」とかの診断をするのだ。コンピューター占いと言って過言ではない、そのオーラー写真に・・僕のオーラーがまったく写らないのだ。

「長井君・・・オーラーが出てこないねんけど・・・」「しっかり手を置いてくれた?・・」と江井華美さんは聞く。「はい・・ちゃんと右手を置きましたけど・・」と自信なく答える。
「試しに、私がしたら・・」と言って、江井華美さんがやると、パソコン画面には、江井華美さんの上半身に、薄い赤から外側に向かってだんだん水色になるのが確認できた。
「あなた・・・何かおかしいえわねぇ・・」と言って、私の手やらおでこを触った。
「何か心持ち冷たい感じがするけど・・」と考える素振りをしながらも、機械とパソコンのよくある、相性の悪さということで・・落ち着いた。
近くで話をしていた、女子大生のグループが、近づいてきて、興味ありそうに質問しながら、「うそぅ・・」とか「すごい・・ね」とか言って騒いでいるのを、僕は横で何にも考えずに見ていた。

何か・・・目の前を影が行ったり来たりするのが、ちらつきだした。
僕は目を擦り、再度その女子大生のグループを見た。
さっきより・・その影の輪郭がはっきりして、言ったり来たりしている影を見る事が出来る。
そして耳から、ザーと言うノイズが入って来る。「何の音・・」と自問しながらも、ゆっくり深呼吸をすると、そのノイズが、人の会話に聞こえてきた。
それは、そのグループの中では、一番ブサイクな、ちょっと太目の女子大生の会話であると気がついた。
「気持ちよかった?」
「うん、メチャクチャ気持ちよかった・・」
「拓也に入れてもらうとき、本当に天国に登るみたいや・・」
「もう一回しよぅ・・今度は私が上になるし」
僕はおいおいと思いながらも、この女子大生の昨日したセックスを、僕自身の頭の中で見てしまった。これが当っているのか、僕の妄想かどうかは今判らないが、かなりリアルな光景がそこに映った。「やばい・・・」と思ったのもつかの間、今度はそのグループの中では、一番派手で、スタイルの良い女子大生の映像も頭に現れてきた。
「全然気持ちよぅない・・・!!」
「あんた下手やね・・もっとぐりぐりしたり・・早くしたり遅くしたりして・・考えてやりぃ・・」
「そんな下手クソのチンポなんか・・なんで私が舐めやなあかんの・・」
「前戯はいらんのよ・・とにかく入れて、突いて突きまくってくれたいいから・・」
「あかん、いかへん、今日はやめや・」と暴虐無人に男を虐げている。
僕はコイツ・・と思いながら目を再び目を擦った。
もう、そこには今映った光景が消えていた。
「長井君・・何に女子ばっかりガン見してるの・・」と江井華美が突っこみをいれた。
僕は、ボーとしたまま、「何もないけど・・」ととぼけた。

見える、女性のセックスの様子が見える。えらいこっちゃである。
しかしこれは偶然であるかもしれないし、見えてる内容も全く僕妄想である可能性だってある。いや、絶対これは僕の妄想なのだと思うことにしようと決めたのもつかの間、さっき食堂でランチを出してくれた、おばちゃんが通りかかった。
おばちゃんはこっちを見て、軽く会釈をしてくれた。おばちゃんの体に影が行ったり来たりするのが見える。目をこする、その時・・・
おばちゃん裸で、後から・入れられているのが見える。
気持ちよさそうに、朗らかに腰を振っている・・
おばちゃんの顔が・・だんだん絶頂に向かっていく・・
「いいいぃ・・・もっともっと・・来る来る・・・あぁ・・・」と言う瞬間
おばちゃんの口から、悲鳴のような叫び声があがる・・・
「OH・・マイゴッド!!・・・・・」
おばちゃんは気絶していた。

思いは確信にかわろうとしていた。見える・・視える。


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歓喜!花の占い研究会・・・・第5話「オーラー写真」  空創笑説シリーズ

2011年10月14日 | 創作小説

 学生交流広場では、占い研究会の人達が、学生服姿で、正面のステージに立った。
7名の部員が、一列に並び、手を後にして凛々しくたっている。真ん中にいる羽織はかま姿の、リーダーらしい人間の口上が、始まった。
「遠く日和山より聞こえる、天の声、晴れなら耕せその土地を、雨なら本でも読んでいよう・・
本校占い研究会がおとどけする、お昼のお天気占い・・・信じるものこそすくわれようぅ・・」と大きな声が響く。そして、7名のお天気占いの部員達が、肩を組んで、右足をぶらぶら前後に振り始めた。そして7名が一斉に大きな声で「あーした天気ななーれ・・」と言って右足の靴・・ではなく下駄のようなものを飛ばした。「カラン・・コロン・」と乾いた音と共に、その下駄は、コンクリート製のタイルに落ちた。3つの下駄が、表を向いていた。3つ下駄が裏返えっていた。そして一つだけ、下駄が横向きになっていた。
リーダーは、「晴れ・晴れ・晴れ・雨・雨・雨・・雹(ひょう)・・」と言った。
何人かの見物学生はその雹の下駄に近づき、携帯で写メールを取っている。
近所の農家らしいおじさんも、日に焼けた顔をにやけさせ、「雹が出るのは、今年で2回目やわ・・」と隣の婆さんに話している。婆さんも「雹が出たからの・・・ありがたや、ありがたや・・」と一人呟いている。そしてリーダーの部員もちょと興奮した様子で、雹のでた下駄だけをそのまま現所維持にして、黒と黄色の立ち入り禁止と書かれたテープで結界をした。
「晴れ3下駄、雨3下駄により・・明日の天気はサドンデスに入ります・・」とやや興奮したリーダーが声を上げた。再度6名による「あーした天気なーれ・・」との声と共に下駄が、右足からバンカーショットのような方物線を描いて乾いた音を立てて落ちた。「晴れ、晴れ・晴れ・晴れ晴れ・・雨・」と発表され、明日の天気は「晴れ・・」と決定された。体育会系のクラブマネージャーは、素早くその報告に戻り始め、農家の夫婦は、「明日はビニールハウスを起こそかいな・・」と言って帰った。またその場の学生もめいめいに話をしながら、下駄を飛ばすカッコウをする物も何人かいた。学食の仕入担当も明日はざるそばを多めに作る計画をした。
僕は、黄帽を被ったまま・・・テレビで見る天気予報より遥かに制度の落ちるものの、心に残る「hare」を感じさされていた。そしてその学生広場では、問題の雹の下駄が検証されていた。
アシックスのシューズ開発チームが、その下駄の飛んだ軌跡の解析と、その下駄の形状や重さを調べていた。
黄帽を被っているから目だったのだろう・・同じように女子用の黄帽を被り、タータンのミニと揃えのベストを着た、長い髪を後でシュシュで掬んだ女の子が、話しかけてきた。「あなた・・占い研究会に入ったの?・・」
僕はその女の子の顔をみて、ちょと間をおいて「はいぃ・・でも勧誘されているけど、まで入った訳ではありません・・」と、入部してもいいかなぁ的な曖昧さを入れながら答えた。
「私は、江井華美といいます。この大学の内部から来たの・・」「高等部時代も占い部に入っていたから、結構大学とは交流があるのよ・・」と、江井華美嬢は話してくる。
「あの横に立った、雹の下駄どうするんですかね?・・」と聞いた。
「なにか・・アシックスでは、占い研究会と共同で、お天気占い専門のサンダルを開発していて、晴れと、雨のタイプは完成してるらしいのだが、究極の雹と、かがとで真っ直ぐにたつ吹雪を、今開発しているらしいよ・・」と感じよく教えてくれた。「それとね・・・これは秘密だから人に言っちゃいけないんだけど・・晴れているけど雨が降るという狐の嫁入りタイプも狙っているらしいの・・」とトップシークレットも教えてくれた。江井華美は、どう「今日体験練習来るんでしょ・・」と聞いてきた。「どうしようかな・・と思っている・・」と言うと、「これから時間ある・・?」と聞く。
「あるのはあるけど・・」と煮え切らない返事を返す。
「私が、貴方を占ってあげる・・今後の学生生活がどうか・・?」と占なってあげたい年頃のような偏見のない表情で僕の背中を押して、学食2Fのカフェテリアに連れて来た。そのカフェの入り口では、占い研究会・春の特別セッション「オーラー写真で自分が解る・・」を開催していた。なんと1回3500円もしていた。僕はキャチされたのだ。
「さくらでいから・・・貴方は無料にしてもらうから・・」と言って江井華美は、先輩の受付の女子に話をつけた。
「高等部では、動物占いを専門としていたけど・・大学でオーラーをやりたくて密かに勉強もしていたの・・」と嬉しそうに喋る。
「じゃーここに右手を置いて・・」言って、手の形になった金属の板の上に手を置いた。
それから正面にセットしてあるカメラに向かって、軽く深呼吸をする。
「パシャ・・」とシャッターが切られた音がした。

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歓喜!花の占い研究会・・・・第4話「明日天気になーれ」  空創笑説シリーズ

2011年10月12日 | 創作小説

 部室につれこまれた僕は、早くこの場から逃げたかった。大呑さんに「オリエンテーションに行きたいので・・・いいですか?」聞いた。
「おぉおそうやったな・・」と言って、「この用紙に名前と生年月日と、住所と携帯の電話番号とアドレスを書いてもらえる・・」と言って用紙を渡した。
僕は、それを手に持ち、ちょっと呆然となりかけていたら、「大丈夫やから・・・」と長ランが言う。
「はあぁ・・・これで即入部と違いますよね・・」と念を押す。
「これは、入部見学者へのサービスで、君の運勢を無料で占なうので・・・心配せんでもいいから・・」と言う。「それから君の名前の漢字は、しっかりと書いてってや・・字画数もみるから・・」とやや丁寧な口調で説明する。
僕は、その用紙に、「長井道雄・・」と書いた。それからこれを持って行きなさいと、お守りみたいな物を渡された。白い名刺位の大きさで、「通行安全 学業成就」と書かれていて、裏には「この方を、占い研究会導き者とする旨」と書かれてあった。
それからこれを被っていてくださいと、黄色い帽子を渡された。
「それを被っていれば、他のクラブからの勧誘もなくなりますし、その御札を見せれば、学食が無料になりますから、今日は好きな物を食べて下さい・・」と大呑は言った。
「それから、今日の3時から・・体験練習に参加してください・・」と言い残して、私を部室の外まで送ってくれた。

僕は朝からまるでトワイライトゾーンに遭遇したような気持ちのまま、これ以上ややっこしいのもごめんだと思い、渡された黄帽を被り、新入生が集まる講義室に向かった。
道の両側には、沢山のクラブが、新入生の勧誘をしているが、不思議なことに僕にはどのクラブを声を掛けてこなかった。さらに、ぶつかりそうになった他のクラブ上級生も、すーと道を譲るように僕を通してくれる。なんか鬱陶しい時間やったけど、ちょとこの優越感が嬉しくもなったりしていた。
オリエンテーションは退屈な時間であり、どうでもいいようなことを前で喋っているので、全然頭に入らなかった。終わり近くなり、一足先に講義室を抜けて、学食のほうに歩いて行った。
無料で食べれる御札を持っていることもあり、朝飯も食べないで学校に来たので、腹が減っていたから、Cランチとカレーうどんを頼んだ。もう既に、ランチは出来上がっており、ご飯と味噌汁を横に並べる作業があるだけで、カレーうどんは、お湯に通して茹でたうどんにカレーライスのカレールゥを掛けるだけだった。それでも美味そうに見えた。
白い制服にゴムな前掛けをつけた、うどん担当のおばさんが、僕の持ってる占い研究会のカードと私の顔を交互に見ながら、「おばちゃんの今日の運勢はどうなんやろ・・」と聞いてきた。
「ドッキッ・・」とした。何か言わなあかんと咄嗟に思いついたことを言った。
「口紅を変えて見たらいことが起こる・」と適当なこと言った。「何色がいいのやろ?・」と聞いてきたから、「パールピンク・・」と言ってそそくさとそこを離れた。おばちゃんはそれをメモしていた。「ありがとう・・・買ってつけてみるは・・」と背中越しに僕は聞いた。「かまぼこをつけとけ・・」と、口には出掛かっていた。

食後は、一人で黄帽を被り、校内の探索に出かけた。学校の生協にぶらーと入ってみた。今後の学生生活に必要な物も見ときたかった。コンビニの倍くらいある生協では、教科書から、文具、家電、衣服、レトルトな食料品まで揃っていた。そして、クラブ用品のコーナーに行った時に、ナニワ大学占い研究会公認・・幸せグッズがコーナー展開されていた。
パワーストーンブレスが、恋に成就用、進級達成用、就職内定用などの目的にあわせて置いてあり、これを聞けば発想力100倍・・とのキャチで、イージーリスニングCDもあった。そして、今一番売れ筋商品と書いてあるポップの前で、僕はひっくり返りそうななった。
「絶対立つ!茶柱君デラックス」が・・・・売っていた。中国産と書いてあり、心沈んでいる方にこの茶柱入れて上げたら・・元気出ること間違いなし・・・とのコピーがグーンと目に付く。またその隣には、「100%天然・茶柱君マーベラス」が売られていた。僕が飲んだあの茶柱は・・・・これやったんかと思うと腹がたってきた。しか、なんか面白そうなので、茶柱君デラックスを1パック買った。
その時に校内放送が、ドリカムの「晴れたいいのに・・・」の曲がかり、女子放送部生のアナウンスが始まった。
「間もなく午後1時になります・・・本校学生交流広場で、只今から、占い研究会によります明日の天気予想・・「明日天気になーれー」が始まります。なお本日は片桐君の、出て来い片桐2号による週間予報も合わせてお伝えいたします。」とアナウンスしたあとドリカムの曲が続いた。

僕は、まぁ見といてみてもいいか!と思いながら学生交流広場に向かった。
すでに学生交流広場は結構な人が集まっていた。その中には、本校学生以外にも、近所の農家の方も混ざっていた。そして広場の横には、アシックスのサービスカーが停まっていた。





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