スピリチャルTIMES 「とにかく生きてみる!」

スピリチャルTIMESの編集長北村洋一が、この不確定な社会に生きている人々の喜怒哀楽をレポートする。

とにかく生きてみるvs椎名誠的エッセイvsさらばリンス

2018年02月27日 | 自分的エッセー

「リンス」
あれだけ人気者で時代の寵児やったオイラもそろそろ消えて無くなる時がそこまで来ているのだ。
シャンプーの横で風呂桶に入れてもらい、銭湯に行く時の優越感は本当に堪らんかったなぁ!
シャンプーの横で「どやワシが今や泣く子も黙る、ハゲのおっさんも使うと言う天下のリンスや、髪の毛がツヤツヤでサラサラになるんや!」と肩で風きり薬屋や化粧品店の棚に並んでいたもんやが⁉︎
それが、それが今は何や?「あいつらは何や?」
コンデショナーって言う、「貴方の髪サラサラで自然な感じに整えますよ!的な媚びたあの名前は」
今やドラッグストアでは、センターに立っている奴らは、いつからあんなに偉そうになったんや!
坊主でも、角刈りのにいちゃでも、禿げた男でも
シャンプーの後にリンスが来る洗髪の方程式にもここに来て漸く慣れたと言うか市民権を持ったと言うのに、それが今はリンスの出番が完全に減っているし、このままなら、多分あと2年でリンス族は完全にこの世の中から消えてしまうのだ。
そこで、我々リンス族はここに反コンデショーナ運動に立ち上がらなくてはならないしそれがリンスに受けた恩返しなのではないか?

「我々リンスは坊主、角刈り、ハゲの頭にも、何とか粘って粘って、時には、「その頭でリンス?するの?」と蔑すさまれ、田舎者と呼ばれ、無駄な努力と笑われたけど、今ではイカツイ兄さんの風呂カゴの中にもちゃんとメンバーに入れらているリンスの、この歴史を終わらせる訳にはいかないのです〜〜思えば大きなピンチもありました。
薬師丸ひろ子が訴えた、チャンリンシャンと言う我々リンスとシャンプーを合体させたあの事件です。あれで我々リンスは、完全にその使命感に揺らぎが起こり、シャンプーとの間にあったお互いを認め合う隣人愛が、イニシャティブの奪い合いに変わった事を、それを乗り越えてリンスの一本立ちに汗水流して努力をして来たのに、ここに来て、コンデショナーなる、スマートで切り口がハッキリした奴らに、シャンプーからのリンスと言う勝利の方程式を奪われているのです〜〜
そもそも我々リンスは、「ゆすぐ」と言う意味を持ってこの世に表れました。
シャンプーの洗剤性を中和させる事が当初の目的であったのですから、あの時代、我々が背負った期待は我々の実力以上だったのです。
健気に髪の毛の為に持てるスペック以上にオーバーワークだった事は正直に認めましょう。
だが、コンデショナーと言うその鮮やかな名称にここで屈する訳にはいかんのです〜〜
また未だに石鹸で頭と身体を行きよる漢なる奴も少ないけど存在します。
彼らの無骨さと、その演歌的生き方に敬意を払い、彼らにすり寄る事も生き残ると言う点であればありとも思う。
それともコンデショナーのネガテイブキャンペーンを張ろうと言うのか?
「男よ炙ったイカとリンスする!」のコピーもいい!
それか、リンスは今年の9月に完全撤退!今までの感謝を込めての全国ツアーでもするか?
コンデショナーよ!
時は移ろうのだ。リンスも行く川の流れの様に静かに流れて行くのだろう。そうなんだ!それなら最後に阪神のJFKの勝利の方程式の様な、洗髪の黄金の方程式に参加しないか?
シャンプーの後のリンスで抑えにコンデショナーと言う方程式を作ろうじゃないか?とも思っている。

でもやっぱり雨の降る日を待ってさらばリンス達!と言おう!
僕には君達を応援出来る髪がもう少ないのだ。
ありがとうリンス!
僕はコンデショナーにロマンは感じられないしこっぱ恥ずかしいしやっぱりコンデショナーに演歌は無い!
だから僕は認めない事にした。
一人で行く銭湯に持って行ったコンデショナーから湧いた湯船の妄想は一人でも楽しいのかい。

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とにかく生きてみるvs中高年就職vsバッター楽に楽に!

2018年02月15日 | 自分的エッセー
この間からの職探しも、こんな中高年でも正社員という事で二次面接に来てくださいとの事です〜〜
給料や待遇がよければ、仕事は心臓に負担の多いヘビーな事になる!それをバランスシートに表しどう考えるかなのだろう?

しかしこれからは楽に生きようか!と思うし、身体はゴリゴリの仕事を欲していない。
という事で面接の帰りに、国道沿いにあるバッテイングセンターの横をチャリで走っていた。
打って帰ろう!と思いついた。
追手門学院高校野球部の血が騒ぐ!
左バッターの血が騒ぐ!
インローが僕の壺だった。
インローが苦手なフリしてボックスに入り、そこに投げてくる球を狙って打ってやった。

バッターボックスに入り、右脇を締めてヘッドを走らす!
ボールがくるが当たらない!
スイングが波打つ!
それでもインローを空けてボールを呼び込むが、機械が投げるボールはあくまでも真ん中に集まる。
空振りが続くのだ。
僕は真ん中は弱いのだった!
数発が芯を喰らう打球が飛ぶ!
最後は一本足で打っている!
僕の目線は今は無き日生球場のライトスタンドを見つめている!
そして三塁側のベンチから声が出ている!

「バッター楽に楽に〜〜飛ぶよ!当たれば飛ぶよ!」
確かにあいつらの声が聞こえている。
肩の力を抜いてもう一度構える。
そこに春が来ている!


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とにかく生きてみるvs「屁こいで寝る!」vs芥川賞にほど遠い短編

2018年02月03日 | 自分的エッセー

昔むかしの遠い国の話しです〜〜
その地方のお寺での事です。
棍面寺には得度した三人の若い修行中の坊主がいてました。
その中の一人洋繁は貧しい家の出で、破れた木綿
の衣一つと、お爺さんに作って貰った下駄だけが自分の荷物でした。
他の二人の修行中の坊主は、豪農の倅とその地方の年貢を管理する下っ端役人の倅で、どちらも家の跡継ぎに長男がいてるので、家の中で親は一人くらいは僧侶になるのもよかろうと言う考えで出家をさせたのです。
だから豪農の倅英在と、下っ端役人の倅幸損はそれほどやる気も無く、ただただ、僧侶にでなれば楽して暮らしていけると言う事で、まぁ仕方無しに修行をしているのです。
二人の修行坊主の親元から季節の野菜や果実や珍しいものが、棍面寺の住職の元に届けられたり、それ相当にお布施も寄付されていました。
それにひきかえ貧しい家の洋繁には、何の荷物も届く事はありませんし、自分の食べる物でさえきちきちだったのです。
ある夜なんかは、英在の実家から届けられた粳餅を火鉢で炙りながら醤油を塗って食べてている二人に、洋繁は腹が減っていて、その醤油の匂いに思わず「その粳持ちの焼いた奴一つワシにもくれんか?」と頼みましたが、「お前の家から何にも送ってこんなぁ~ お前にはやらん!」と言って二人で食ってしまったのです。
洋繁は腹は減るは情け無いやらで、悔しくて泣きそうになるのですが、いつまでも執着しても何もいい事も無い事は知っているので、幼い頃から身についた楽に生きる方法と言うのでしょうか、さっと自分の布団を引いて、「粳餅食いたいけど、まぁこっちもなんも振舞ってないから当たり前やろ!」と呟き、横になる前に「まぁしゃあないなぁ、屁こいで寝たろ!」といつもの調子で自分に呪文を掛けて今日の出来事を忘れる様に眠りました。

そんな日が続き三人の修行坊主がある日、棍面寺の僧侶に呼ばれ、本堂の板間に座る様に言われました。
「お前達も此処に来てもうすぐ二年になる、修行の成果を試すのに良い機会じゃ」と言って、明日問答の席を設けるので今から自分の思いや自訓を考えておくのだ〜ー」と告げました。
翌日、その村の人々が数十人集まって問答会が催されました。
中年男が「儂は沢山のお金を持って美味い酒や美味いご馳走が食いたいといつも思っておるのじゃ!が、こんな貧乏ではどうする事も出来ない、どうすればいいか?」と尋ねました。
豪農の倅英在は、「もっともっと更に働く事に尽きる!」と答えました。
次に下っ端役人の倅幸損は、「お金を持ってる人と仲良くする事が近道!」と答えました。
そして最後に洋繁に廻ってきた時、じっと目を瞑って、破れた袈裟を整えて答えました。
「屁こいで寝る事です!」とその言葉の宛名が自分自身である様な語り口で答えたのです。
そこに集まっていた村人も、一瞬あっけに取られた様に静かになった後から誰かが「屁をこいで寝たら!って言わんでも屁はでよるで!」とちゃちゃを入れましたし、またほっかむりをした色黒の女性は、「芋も食われんから、屁もだせんわーーー」と突っ込みを入れました。
「屁が出るとか出ないとかはどうでもいいのです〜〜」
「屁をこいで寝る!と言う宣誓が、まで眠っていない近未来へする事で、その眠りが何の執着も持たなく、何の恨みも無くなるのです〜」と洋繁は答える。
事実、生まれて来た境遇を恨んだところで何も変わらない事を、洋繁は毎晩感じていたのです。
また洋繁は笑いながら「それを言った所で銭もかかりません!」と付け足した。
また村人の中から、「やっぱり同じ言うなら屁を鳴らした方が有難いのではないかね!」と言うと、そこら辺から笑い声が広まった。
最初にお金が無いと問うた村人の男も満面の笑い顔をしている。
その様子も見ていた棍面寺の僧侶は、「愉快愉快!」と言って立ち上がり、「屁こいで寝る!」は、サンスクリット語では「ヘイコンデネール」と言って今日の辛さは溜めないでさぁ眠ろう!されば明日も起きれる」と言う意味があるのだと説方をし始めるのです。
側にいた洋繁は「その話しなんか臭い!」と思いましたが、本当でも作り話しでもどちらでも構わないと思いました。二つの中でもがく事が成熟につながると知っていました。
この世がそんなもんなんのだからと一人で悦に入りながらも、ちょっと臭い匂いが本堂に漂ってきました。
そして洋繁は本堂のその臭いを吸い込もおうと、大きく深呼吸をしました。
甘い香りが洋繁の鼻から体の中に入っていきます。まだ行った事がないけど西方浄土の香りが暖かく包んでくれます。
その時、遠く大和の国の舎那仏の腰が少し浮いて鐘の様な音が響いた事は誰も知らないのです。

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