スピリチャルTIMES 「とにかく生きてみる!」

スピリチャルTIMESの編集長北村洋一が、この不確定な社会に生きている人々の喜怒哀楽をレポートする。

とにかく生きてみるVSイタイ写真である。VSドンブリカエル

2013年08月16日 | 自分的エッセー

とにかく生きてみる。去年の7月に、今時めったにないという、破傷風になり、約3ヶ月半の間、集中治療室で、寝たきり、意識半不明のまま過ごしていた。それから、5回の転院で、今はようやくリハビリ系の老健の施設にはいっているし、またようそこまで回復したな・・・というか、「よう・生きたな・・」と感心する。3回くらい親戚や、子供らを緊急招集したのだが、狼少年のごとく、僕は大げさ男になってしまった。

この施設では、介護が必要とする老人が、50名くらいで生活している。
親父は、もとから無口で、人付き合いのうまいほうではない。無骨で、仲間や周りに空気を読み、場を盛り上げるようなタイプでない。また、破傷風の後遺症で、車椅子でしか動けず、言葉もはっっきりと言えないのだ。また、たまにスイートホーム症候群が出るのか、「帰る・・帰る・」を連発して、向こうのスタッフを困らすこともあるらしい。
 僕も、半分痴呆のお袋をつれて、月に数回訪れるのだ。お袋も半ぼけであるから、おやつの時間になると、お袋の分はないのに、ヨーグルトとカステラが、自分にはあたってないと言って、まだテーブルの上にある配膳前のそれを食べてしまう始末であり、突っ込みのない、ボケかましをそこ等じゅうで繰り広げる。施設のスタッフも毎回毎回、それらの老人につっこんでいたら、もたないのか?ボケのかまし放題を容認しているというか、しかたがないと言うか、ナチュラルは大変インパクトの強い空気を醸し出す。

そしてその施設の談話室の壁に貼ってあった写真をみた。

 

施設でのレクレーションの時の写真である。
なにかその日は、ノンアルコールスナック・・・ごっこが行われたようである。
みんなで、歌を唄うたり、手拍子をしている写真もあった。 
まずは、施設の方のこのようなレクレーションの実施について感謝をしたい。
また、親父も喜んでいるのだろう・・・と思う。でもでも、この写真をみた僕はなんかソノ場所で、居着かれてしまた。なんか・・・「イタイ」」のである。

しばらくそのイタサが、ややおさまりするのを待ちながら、何故この写真がイタイのか?を考えてみた。

ここからの話は「誰を非難するものでない」という断りをいれて進める。

まずはこの写真は、身内意外は案外軽く流せるものであり、他の人の同じような写真をみても、「ふーんん・・」な??という感じが僕もする。それがいざ自分の身内であり、また親父であるとなると、「おぅ・・おぅ・・イタイ」という気持ちになる。どこがイタイのかと言うと、目の奥なのである。目の奥には、脳がある。多分脳みそがイタイのであると思う。
それは、親父とお袋のセックスのところ見た?(みたことがないけど) ような気分なのか?
年の老いた老婦人が、厚化粧で踊るストリップのようなものか?
校長先生が、薬やでコンドームを買うところを見てしまった時の気分なのか?
見てはいけないものを見たという、いたたまれない気持ちになった。

この写真のメタメッセージは、こんなに元気でやっていますよ!ということである。仲良く、楽しく施設で過ごしているから、ご家族の方は安心してくださいということである。それは、まともに半ボケのお袋には伝わる。
「おとうちゃん・・・こんなに元気になって、可愛らしいリボンまで付けてもらって・・よかった!」と言う。シンプルである。でもシンプルに考えられないというか、そういう風に受信できない僕がいてる。

あまりににもベタなのである。私たち家族というか親族には、それがもう回復してこない、片方向に進む寿命をなんの抵抗も出来ずにいて、時間だけが過ぎているようにしかみえないのである。 いやこれはあまりにも優等正の親戚受けのする長男的意見である!と「はぁっと・・」我にかえる。
僕はそんなことでイタイと思ってのではない。
「似合っていない・・・・」ということか。いや違う。

それは、私のソウルというか潜在意識では、このスタイルをした親父に「やられた!!!」と 思ったのだ。
思ったのではない、瞬間的に 「もっていかれたのだ」

親父は、この写真のシャッターを切る一瞬前に、「ドンブリカエル ・・・」とは、このことや!「覚えとけ」と世間に発信したのである。そしてそのパフォーマンスに僕はその場に居着かれずに、いられなかった。

まだまだである。私のパフォーマンスは。青臭く、理屈ポク、自分をまだ庇っているところがある。突き抜けていないのである。82歳にして始めて教えてくれた芸の道である。

親父から、師匠にかわったのだ。
 

 

 

 


 

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