スピリチャルTIMES 「とにかく生きてみる!」

スピリチャルTIMESの編集長北村洋一が、この不確定な社会に生きている人々の喜怒哀楽をレポートする。

とにかく生きて見るvs中高年の就活vsクリエィティブは老害!

2018年01月08日 | 自分的エッセー
新しい仕事を探しています。
年齢は58歳です。
そしてツーアウトランナー無しであと1球でゲームセットと言う状況であるから、決して余裕のある就活では無い。
また生活のリズムが変わると言うことに対する不安と邪魔くささがドッシリと僕の肩に被さって来ている。
そんな中で、美容系のリクルートな情報雑誌の制作会社の募集をindeedで発見した。
既にサイトに僕の履歴があるのでワンポチで応募できるのが便利な事もあり、又年齢制限も無かったので、クリエイターや雑誌ライターの業界的な想像を抱いてボタンを押した。
暫く経って、興味があるとのメールが届き、面談を受ける手筈になった。
ネットでその会社を調べ僕なりの目利きで、何か感じくる物を掴もうと努め面接に向かった。
お洒落なフロアーにデザインされたロゴタイプのサインに、僕もかっての業界人的な顔を作って、
「面談に来ました!」と挨拶をして頭を下げました。
その瞬間僕の目の止まったのは、採用担当者のいでたちである。
膝がクラッシュしたダメージジーンズにカナブンの背中のような勾玉色の光った革靴を、裸足で履いてるイケてる野郎だった。
デニムシャツにネクタイとコーデロのジャケットを着て、iPad を脇に抱えて僕を、コンセプトや切り口や、アイデアなどの音が流れてる様な打ち合わせルームに案内された。
暫くその会社が出している雑誌を見て下さいと言って退席をしたのだ。
お洒落で尖っていて、エッジの効かせたその場とそのメンバー達に、さぞやクリエイティビティな仕事をしてるのではと、期待と敬意を持ってその雑誌を開いて見る。
「なんか軽いなぁ! ぺジーレイアウトがチラシぽいなぁ!」と思いながら10分位待っていたのです。
そして一番気になったのが、写真が全部甘い印象がするのです。
僕のコンビを組んでいたグラフィックデザイナーのKなら、カメラマンを変える事を即進言するだろうし、仕事を取りに来たアドマンなら、その場で、「こんな写真でこんなページネーションの方がもっと厚みが出るのではーーーー当社ならそれが出来ますので、一度プレゼンをさせて頂ければ!」と言ってその場の主導権を握るだろうと思う。
でもこれは就活のそれも中高年のおっさんの面接と来てるから、話は変わるしちょっと違ってくる。
今までの経験とか、制作物とかの事を尋ねてくるのですが、僕が最近作ったものは自分のブログくらいしか無いのだ。
iPad で僕のブログをサクサクと読んで、褒めちぎった制作物の話を聞きながら、面談は終わった。
当然だが、数日して貴殿のこれからの活躍云々の!メールが届いた。
僕はその場で仕事してる自分を想像する事は出来なかったし、あのクラッシュジーンズに裸足で革靴を履くにいちゃん達には共感はしなかった。
それよりそこに座らせて、「カッコも大事かもしれんけど、創るものがダサいもんなら、一番恥ずかしいで!」と説教をカマスかもしれないと思ったら、それは老害ではないだろうか?と言う気持ちに変わったのだ。
歳を取り昔の事を今よりすべて良かったと頑固に言う事も老害だし、逆に若い連中の中に入ってイキリ倒すのも一つの老害かもしれない!
もうそれは彼らに裸足でカナブン色の革靴を履く奴らに頑張って貰うのが自然なのだろうと気がついた。
唯、雑誌の画像が甘いフラットな写真だった事に気づいた僕には、この寒い日々、パッチと厚手の靴下はどうしても必要だと思った!
この場所には若い人達の為に空けておこぉと決めたのだ。そして老害の被災を未然に防いだ事に安堵しながら、寒雨の中濡れた毛糸の手袋に息を吹きかけながらチャリを漕いでいる。


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