家の電話が鳴った。
近くにいた愚妻が出る。
が、すぐに受話器を置き「切れた」と言う。
ふ~ん。
まあ、今どき家の電話にかかってくるのなんて8割が営業電話だからね。
残り1割が間違いで、最後の1割が愚妻の車を買った車屋さんから。
だからあんまり気にしなくていいだろう。
と思っていたらすぐにまた鳴る電話。
そして愚妻が出る。
でもまた「切れた」といって受話器を置いたんだけど、そのすぐ後。
「なんかピーピー言ってたから、もしかしてFAXだったんかな?」
と言う。
あら、そりゃFAXだよ。
我が家のFAX付き電話は、FAXの時に自動で切り替わって受信しないんだよね。
こうして一旦受話器を取った後にスタートボタンを押して受信しなくちゃいけないのだ。
愚妻はあんまり受信した事ないから使い方を知らなかったんだな。
まあFAXも最近は全く使わなくなっちゃったもんね。
このネット社会でわざわざFAXを使う機会ってボクも年に1、2回くらいしかない。
息子(6歳)はたまに勝手に両方の婆ちゃんのとこへFAXしてるけどさ。
でも仕事で使う事はほぼ無い。
といっても大事なFAXだったらどうしよう…。
なんて思っていると、愚妻に母・美智子からメールが届いた。
「FAX送ったけど送信出来ない」
母・美智子だったか。
まあ相手が誰か分かったら安心だ。
「今度は大丈夫」と愚妻が返信し、しばらくするとまた電話が鳴る。
しっかりとスタートボタンを押して、ようやく受信し始めた…
かと思ったら、ピーピーピーとエラー音。
「用紙が詰まっています」
あら?
給紙するところがおかしくなっちゃったんかな?
そこを確認し、再びスタートボタンを押す。
と、またピーピーピー。
「インクリボンをチェックしてください」
ああ、もう!
インクリボンをチェックする。
が、どこもおかしくないし残量もいっぱいある。
再びスタートボタン。
またピーピーピー。
「用紙が詰まっています」
ああもう!
どうなってんだよ!
何度かそんな事を繰り返し、しばらくしてようやく動き出したよ。
やっとだ。
たかだか母・美智子からのFAXごときにこんなに力を注いでしまってもったいない。
ここまでやって、くだらない内容だったら許さないぞ!
なんて思いながら出てきた用紙。
くっ…
真っ白。
母・美智子め。
裏返しに送信してやがる…。