届け物

届け物があって、Ｏ氏の家に行った。

それが目的ではなく、ちょうどＯ氏邸方面に行く別件ががあったから寄ったんだよね。
でも、ボクが行く時間帯はＯ氏は不在らしい。

「じゃあ、玄関先にでも置いてて」

というので、言われた通りに置いて帰る。

けどね。

このまま帰るのもつまらないんだよね。

なんかしてやらねば。
ボクが来たという証しを残していかないと、ここに来たかいがない。

でもなにをすれば？

と、真っ先に思いついたのがウンコをしていくということ。
情けないが、これしか思いつかなかったのだから仕方ない。

原産先に友達のウンコがあったら、さぞかしビックリするだろう。

だが、今はそんな気分ではない。
こればっかりは頑張ってもどうにかなるもんではないしね。
おまけに、多少距離があるとはいえ、通行人から見られる可能性もある。

オシッコだったらいけそうな気もするけど、Ｏ氏が帰ってくるころには痕跡が消えているだろう。
それじゃ意味がない。

う～ん。
何かないかなぁ。

届け物に細工をしたり、別の場所に隠すという案もある。

けど、その届け物は重要な物。
もし紛失や破損してしまったら、困るのはボクだ。

それじゃ意味がない。
Ｏ氏が地団駄を踏んで悔しがってくれる事じゃないと、ダメなのだ。

底を見ると、広大な庭が広がっている。
一軒家なので、玄関以外にも窓がたくさんある。

それらを使って何か出来ないか…

う～ん。

でも、咄嗟に何も思い浮かばず。
いくら考えても、ウンコの事しか浮かばない。

無念だ…。

結局何も思いつかず、そのまま帰ってしまいましたよ。

悔しいわぁ。
かなり悔しいわぁ。

何もされてないけど、何だかＯ氏に負けた気分になったね。

結局ボクは何をすれば勝利出来たのか…
家に戻った今も、まだ応えは見つからない。