エア

車を走らせている時に歩道を見ると…

エアサッカーをしている少年がいますよ！

エアボールを操り、エア相手に向かってフェイントかけ、エア味方にパスしたりしてんの。
そして一生懸命エアゴールに向かって走っている。

それも生半可な動きではない。
まだ小学校低学年と思われるが、かなり機敏な動きなのだ。

おおぅ！
すげぇ！

こりゃ大物になるぞ！

このまま成長すれば、かなりのプレーヤーに成長するだろう。
将来はカミソリシュート打ったり顔面ディフェンスするようになるんだろうな。
日本代表として彼が登場するのを楽しみにしておこう。

いや。
まて。

見方を変えたら『ボールを買ってもらえない可哀想な子』ともとれるな。

トランペットを欲しがってショーウィンドウにへばりつく黒人の子供のように、
自分の物欲を世間にアピールしているだけなのかもしれない。

ここまでアピールしてりゃ、親も根負けしてボールを買ってくれるかもしれない。
見るに見かねたご近所さんがサッカーボール買ってくれるのを期待してるのかもしれない。

だとしたら、かなりの性悪だぞ。

一見純粋にサッカーに打ち込んでいるように見せかけて、かなりの腹黒少年なのかもしれない。

とはいえ、将来どうなるかは分からない点は変わらない。
ここでボクが彼にサッカーボールを買い与えれば、彼には一生感謝されるだろう。
そして彼が日本代表になった時は、ボクに毎日ご飯をおごってくれるに違いない。

その為の先行投資として、ボールを買ってあげるべきかどうか…。
迷いながらも車を走らせていましたよ。