ITSを疑う

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自動運転と3D地図データ

2015年07月16日 | 自動運転

欧州最大手のデジタル地図メーカーhere(旧navteq)は、欧米での3D地図データ作成に乗り出した。

自動運転を実現するため には、通常の2DのマップとGPSでは不十分であり、3Dのデータが必要。実際の建物や標識の3D画像データとカメラ映像をマッチングさせて自車位置をセ ンチメートル単位で割り出さないと完全自動運転はできない。さらに、道路、建物や標識は変化するので、常に最新状況へのアップデートが必要になる。道路の 陥没とか一時的な車線封鎖などは車両のカメラで判定することになるが、事前に分かっていたほうがより安全な走行が可能になる。

こうしたリアルタイムに近い情報を自社の計測車両で常時アップデートしていくことは現実的ではなく、ユーザー車両のカメラを使った最新情報をクラウドにアップロードしていく方向になるのだろう。そしてその最新情報はすべての自動走行車で共用することになる。

3Dの地図データはとてつもなく大きい。これら膨大なデータがすべての自動運転車とクラウドの間でやり取りされるといなると、そのトラフィックは想像を絶するものになる。この技術がすでに確立しているかは私は専門外なのでわからないが、いずれ実現するのだろう。

hereを所有するNOKIAはこの事業を売却しようとしており、ドイツ車メーカー連合(メルセデス、BMW、アウディ)が買収に名乗りを上げている。自動運転車に対していま最も真剣に取り組んでいるこれらドイツメーカーとしては、当然の動きだといえよう。

そ もそもドライビングパフォーマンス、走る喜びを売り物にしているドイツのプレミアム系メーカーにとって、加速、コーナリングに運転者が関与しない自動運転 車は悪夢以外の何物でもない。かといって看過すると自らの存在自体が危うくなる。彼らはこの市場に先に乗り込んでそれなりの居場所を確保する方向に動いて いるのではないか、と私は見ている。



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