ITSを疑う

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ETC2.0 従来型は使えなくなる、の嘘

2019年02月03日 | ITS
自動車関連WEBサイトの記事に、「ETC2.0はつけるべきか?将来従来型は使えなくなる」という趣旨のタイトルの記事をよく見かけるが、だまさせてはいけない。
典型的な例はこれなど。

これらの記事をみれば、かなり専門的な知識がない限り
「いずれ普通のETCが使えなくなるのであればETC2.0を買っておこう」と思ってしまうだろうが、それは事実ではない。
今販売されている普通(2.0ではない)のETCが将来使えなくなるということはないのだ。
少なくとも使えなくなるという理由では一万円以上高額なETC2.0を買う必要はない。

使えなくなるETCについては二つの違う話がある。
まずは、スプリアス問題。スプリアスとは設計上意図されていないが発生する電波で、2005年にそれの規制規格ができた。2007年以降すべてのETCはその規格を満足している。きわめて初期の一部メーカー製に非対応機が存在するが、ほとんどの人に関して関係ない。もちろん現在販売されているものには問題はない。これは2022年までに使えなくなるとアナウンスされている。

もう一つは新規に導入されたセキュリティ強化。
現在のETCにどんなセキュリティの問題があるのか具体的には情報を見つけることができなかったが、国交省は2017年にセキュリティのグレードアップを実施した。
現在販売されているETCは普通のETCも2.0もどちらもこの新規格に対応している。
これはETC2.0とは全く別の話なのだが、それを誤解する人は多いだろう。(国交省は意図的に誤解しやすい記事をライターに書かせているのでは、といったら邪推が過ぎるか?)

旧規格のETC,ETC2.0は2030年をめどに使えなくなるとアナウンスされている。まだ10年以上先の話なので、いまついているETCに関して慌てて何かをする必要はまったくない。

以下やや蛇足となるが。
スプリアス規制未対応品は2022年、新セキュリティ未対応品は2030年以降使えなくなるというが、これら旧規格のETCが本当に使えなくなるかは大いに怪しいと思っている。

未対応品であるか否かは製造番号やメーカーのWEBサイトを見ないとわからない。全く知らずにゲートを通ろうとする車両は決して少なくないだろう。今まで通れていたゲートがある日突然あかない、パニック、急ブレーキ。それが原因で追突事故などが発生する可能性は非常に高い。
未対応品であっても料金収受は可能であり、国交省や道路会社は事故発生とその責任のリスクを冒してまで使用できなくするだろうか?