ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

駐車場シェアリング

2017年09月10日 | ITS
ETCの駐車場利用で調べていたら、ETC2.0普及促進研究会という任意研究活動団体のサイトを見つけた。主に三菱電機が中心となって進めているグループのようだ。

静岡の駐車場実験を主催しているようで、現在トップページでその情報を見ることが出来る。
しかし、私がそれ以上に興味を持ったのは一般住宅や農家の駐車スペースのシェアリング。

一般住宅で駐車ポートがあるが車を持たない家は多い。また農家には駐車スペースが空いている。(農村で駐車場需要があるケースは限られるだろうが)。これを駐車場として活用するというアイデアはとても面白い。しかしDSRCでの実現は難しそうだ。
研究会の提案は、料金収受や駐車時間管理などを無人で出来るETCポストの設置ということだが、もちろんネックは設置コストだろう。1台分、しかもいつも利用されるわけではない駐車場。月に1−2万円の収入があれば御の字だろうが、設置する機器のコストがそれに見合うだろうか。

コスト的に現実的なのはやはり前回エントリー同様、カメラと画像認識の組み合わせだと思う。
車が枠内に入ったらカメラ画像をサーバーに送り、クラウド側で画像認識とナンバー読み取りを行い、ユーザーのスマホに駐車開始の通知をする。出庫は画像認識で自動的にに処理でも、スマホからの出庫送信と画像の確認でも良い。
このような仕組みであれば駐車場側の設備投資はカメラと通信機器だけでかなり小さくて済む。

駐車場キャッシュレスの可能性とETC2.0

2017年09月10日 | ITS
ETC2.0関連のサイトには、この先ETC2.0で可能になるサービスとして駐車場のノンストップ決済が挙げられている。
しかし、この取組については以下のような障害がある。
まずは、商業施設利用時の料金割引をどう処理するか。精算機等を使わずに完全ノンストップにするためにはETCカードを持ち出し商業施設で精算時に提示し、請求金額を調整してもらう必要がある。技術的には大きな問題はないが、ETCカード持ち出しやシステム導入がネックになるだろう。商業施設側にコストが掛からない方法としてはETCカードの親カードで決済し、カード会社で照合、引き落としから割引くという方法もあるが、果たしてETCカードの親カードが常用支払い方法であるかどうかはわからず消費者にはあまり使い勝手は良くない。
次に、駐車場側の機器導入コスト。具体的な金額はわからないが結構なものだろう。費用対効果が明らかでないと駐車場側は導入しない。一般的にユーザーが駐車場を選ぶ基準は目的地との距離と値段であり、ノンストップ精算だから遠くてもいいと思う人はいない。

こうした状況から簡単には普及しないだろうということはETC側も理解しているようで、ETC2.0限定をやめてETCなら利用できるようにするらしいが、それでも私は実証実験や公共駐車場での利用にとどまると思う。
(なお、私は駐車場のETC利用拡大自体は大賛成。上記の制約がない空港や公共駐車場はどんどん進めてほしい。)

そこでちょっと考えたのが、ナンバー読み取りとスマホ連携でもっとうまい仕組みができないか、ということ。

日本でもナンバー読み取り式駐車場は増えているが、駐車券は発行され精算機で精算(割引処理を含む)、出口はノンストップというパターンが多い。

中国では入り口にチケット発行機がなくナンバー読み取りでバーが開き、出口で有人精算というパターンが多い。割引はチケット提示。

いずれの方式も出入り双方のノンストップは実現できていないが、これをスマホ連動させれば新しい展開があるのではないか。
専用ソフトとそれに連携する駐車場システムを構築する。それには料金収受システムも必要だから統一プラットフォームがある中国ではやりやすい。

ナンバー読み取りでノンストップ(読み取る時間は一旦停止)で入場。ナンバーとスマホの支払いプラットフォーム(中国で言えばアリペイやWeChatペイ)を紐付けて出口では自動精算。
商業施設での利用割引は施設用のソフトを作り、料金精算時にQRコード読み取りなどで一瞬で処理ができる。

これは技術的なハードルは高くないし、駐車場が負担するナンバー読取機はコスト的には大したことはない。
多分中国では近いうちに出て来るんじゃないかな。