ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

日本の家電はもの作りで負けたのか?

2012年02月04日 | 雑記
産経新聞はソニーの凋落に関し、「原点であるモノ作りの力を取り戻すことが不可欠だ」と言っている。
記事「あせたSONYもの作りの原点を取り戻せ

本当かな?

この記事で参照されているiPhoneだって、もの作りの力で負けているとは思えない。アップルは生産をEMCに出しているし、デザイン、妥協をしないレイアウトと言った面ではアップルはもの作りにこだわっているが、産経新聞がいうトリニトロンのような傑出した技術で市場を席巻したわけではない。
むしろ、iTunesと直営ストアによる顧客囲い込みや、優れたオーナーシップ経験の提供がヒットの要因だと思う。

SONYだって、ウォークマンやPSをキーにこうしたビジネスモデルの構築にはトライしている。しかし、そのビジネス全体、というか最近の言い方で言えばエコシステム全体を見渡して、こだわりを持ってマネージメントする体制がなかった。簡単にいえば、ジョブスがいなかった。

シャープやパナもそれぞれの問題があるのだろうが、絶対にいえるのは「もの作りをないがしろにしたから」ではなく、デザインの一貫性やカスタマーエクスペリエンスなどを含めた「こと作り」を徹底的にしなかったことが敗因だと思う。

トヨタはKDDIと、Wi-Fiを活用した次世代テレマティクス向けアクセスネットワーク構築

2012年02月04日 | ITS
トヨタはKDDIと、Wi-Fiを活用した次世代テレマティクス向けアクセスネットワーク構築に向けた協業について合意した。ディーラーに配備するEV/PHV向けの充電ステーションにKDDIがWiFiアクセスポイントを設置する。
今年度末までに1500台を展開するという。
トヨタ報道発表1月30日

今のところは、WiFiを搭載したナビはない(多分)だろうから、対象はスマホ、タブレットやモバイルPCという事になる。充電の時間つぶしに車内で使うという選択肢はあり、ユーザーサービスとしては優れている。

しかし、それより気になることは、「トヨタは将来、トヨタ車に順次Wi-Fi機器を搭載する方針であり」というところ。
これにはいろいろな意味がある。WiMAXのような広域を想定して、車載器に走行中も使える通信環境を整備するのか、あるいはこうしたWiFiスポットでの利用を想定しているのか?
(自宅の車庫なら、自宅の無線LANが使えるし、これはありだと思っている)
それともスマホなどとの接続を考えているのか?

WiFiスポットでの使用ということであれば、ガソリンスタンドやコンビニの駐車場にWiFiスポットを設置することで集客などに使える可能性もあり、路側事業者との協業もありうる。
なぜなら、WiFiスポットの設置にかかる費用は極めて小さいからだ。

そうなると、高速道路のSAや道の駅に設置が進むDSRCスポットはどうなるのだろうか?
他社や市販がトヨタに追従し、車載器にWiFiが搭載が進めば、路面施設で使えるWiFiスポットが増える。そうなったらDSRCがスタンダードになる可能性はほとんど無くなる。
むしろ、SAや道の駅にもWiFiスポットをつくれ、という事になり、今設置しているDSRCスポットは朽ち果てることになりそうな予感がする。