ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

Clarion テックショー

2011年10月15日 | ITS
Clarionさんの技術展示会Tech showを拝見させてもらいました。

感じたことは以下の3つ。

1.カメラ技術による安全装備がこの先まだまだ進化する。

前回エントリーの通り、日産がアラウンドビューモニターで駐車場区画線を認知して急加速を抑制するという技術を公表したが、このアラウンドビューの画像認識も実はクラリオンさんの技術らしい。(明言はされなかったが)
ショーでは、アラウンドビューモニターをつかって、周囲で動くものを察知しモニターに赤で表示するというデモをしていたが、これは非常に良いと感じた。
さらに、リヤビューモニターによる車線逸脱警報(LDW:Lane Departure Warning)など、画像認識による安全技術はまだまだ先がある。

例えばイスラエルのMobileye社は、映像認識で接近警報、追突警報のシステムをすでに上市している。

国のITS政策は通信を一旦忘れて、こうした実効のある装備に対する普及支援に考え方を切り替えたほうがいい。

2.車に装備されるのは情報スクリーンだけになる。

ディスプレイユニットにスマホ(なんでスマフォじゃないのかな、といつも思うけど)の画面を映すデモがあった。
このシステムは、車載器がスマホを使って通信するのではなく、車載器はスマホ画面を表示し、インターフェース機能を提供するだけ。

まだスマホのナビとカーナビの性能差は大きいが、軽のセカンドカーのように時々しか使わないユーザーはこれで十分。また、スマホのナビも年々進化している。
いずれは、車に装備されるのはモニター、アンプ、スピーカーとリヤビューカメラだけになり、コンテンツはクラウドから、という時代がくる可能性が高い。

それはナビメーカーとしては脅威であり、如何にエコシステムに自社製品・サービスを組み込んでいくかがキーになる。

3.デジタルスピーカーがすごい

圧縮デジタル音源に対応する2つの技術が公開されていた。
一つは、圧縮オーディオ音源をエンハンスするプロセッサー。従来からサラウンドなどのプロセッサーは色々あったが、これはかなりの臨場感。

もう一つは、デジタルスピーカー。デジタル音源からデジタル信号のままスピーカーまで持って行き、スピーカーで処理し再生する。プレミアムスピーカーに匹敵する音質を、驚くほど少さい電力で駆動する。

電力消費を抑えたいEVにはうってつけの装備だろう。