SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

映画「皇帝ペンギン」 ~ 彼らの生きる意味

2005年12月22日 | 映画(カ行)
 皇帝ペンギンの一年を追っている。原題は「皇帝の行進」。

 一年のある時期に、人間で言えば全成人男女が集合しての集団見合いがある。そのために彼らは目的地を目指して黙々と行進を行う。時には腹ばいになってソリのような前進方法もとっている。そして相手を見つけて求愛、産卵、孵化と続く。
 求愛の光景は官能的ですらある。

 メスは産卵後、自身の栄養補給と生まれる子供の餌のために海に捕獲に行く。そのためにまた往復の行進が続く。その間生まれた卵はオスが抱く。
 オスの方はその後メスとバトンタッチして捕食の行進に出かけるまで、合計4ヶ月飲まず食わずの絶食が続くそうだ。メスの帰りが遅いと生まれた子は飢えのために死ぬ。絶妙のタイミングが求められるわけだ。

 再会時にあれだけの群れから再びお互いの相手を見つけることができるのも不思議だ。我々の目にはどれも同じ顔で雌雄の区別さえつかないのに。

 動物の本能がいかに綿密にプログラミングされているかということが良く分かる。
 南極の過酷な自然の中で子供を産み育てる、ある意味ではそのためだけに生きている印象を受けるが本能とは本来そのようなものなのだろう。

 命の尊厳が輝く。


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