
おすすめ度 ☆☆☆★
第77回ベネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。
旧ソ連が抱える暗黒史のなかのひとつとも言えそうな労働運動を発端にした市民虐殺の真相を生々しく描く。
だが、本映画は、事件そのものを描くのではなく、一人の共産党員(女性)に焦点を当て、問題点を明らかにしていく。
1962年、フルシチョフ政権下のソ連。政府の経済政策の失敗で、物価高騰と食糧不足が深刻化する中、国家に忠誠を誓うリューダは熱心な共産党員としての恩恵もあり、父と18歳の娘スヴェッカの3人で穏やかな生活を送っていた。そんな中…。
1962年6月1日、ソ連南部ノボチェルカッスクの機関車工場で大規模なストライキが発生した。
危機感を抱いたフルシチョフ政権は、スト鎮静化と情報遮断のために現地へ高官を派遣。そして翌日、約5000人のデモ隊や市民に対して無差別に銃撃が行われる。
そして、隠ぺい工作が。
組織の一員である女性が、デモ隊に参加した娘の安否を気遣って、町中を走り回る。
香港とかウクライナとか、不条理に市民が殺されている現状にかんがみ、考えさせられる映画だ。
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