「ローン・サバイバー」、想像を絶する三日間！

おすすめ度　☆☆☆★

Unext鑑賞　　2013年製作　　PG12

世界最強の特殊部隊ネイビーシールズ創設以来、最大の悲劇と記録された"レッド・ウィング作戦"。200人を超えるタリバン兵の攻撃にさらされ、絶体絶命の状況下でなぜたった1人だけが生還することができたのか?衝撃の実話を映画化! !

2005年6月、アフガニスタンの山岳地帯で偵察活動中の4人のシールズ隊員は、あるひとつの決断によって、200人を超すタリバン兵の攻撃にさらされることになる。極限の状況を生き延び、奇跡の生還を果たした唯一の隊員マーカス・ラトレルが執筆し、全米ベストセラーとなったノンフィクション「アフガン、たった一人の生還」が原作。

前半は、ネイビーシールズの練習風景。まさに死闘を想定した迫力の実戦練習。これを勝ち上がった猛者が、実戦で命を失うのだから過酷。

4人の運命が暗転したきっかけは、作戦遂行中に遭遇した山羊飼い3人を拘束しながらも、生かすか殺すか迷った末に解放してしまったこと。軍規に照らせば正しい決断だが、それはタリバンの軍勢を呼び寄せ、最悪の事態を招く結果となった。では、子供も含む民間人を“殺す”べきだったのか？　その問いの答えを見出すのは容易ではない。

最後に19人の隊員たちの写真や、ラトレルを助けてくれた村長との写真が胸を撃つ。

 

 

 

 

「イ・チャンドン アイロニーの芸術」、９０分のタイムトラベル、見えないものの真実を探す！

おすすめ度　☆☆☆★

フランス・韓国合作

監督はフランスのドキュメンタリー映画作家アラン・マザール。

「オアシス」「シークレット・サンシャイン」などで知られる韓国の名匠イ・チャンドンの創作の原点と人生に迫るドキュメンタリー。

オアシスは境界を、ペパーミントキャンディーは時間を、バーニングは格差社会と若者を描いたという。

イ・チャンドンが自ら水先案内人を務め、作品のロケ地や幼少期に過ごした場所などゆかりの地を訪れながら、43歳にして小説家から映画監督に転身した異色の経歴や、自身の芸術に対する思い、創作の原点について率直に語る。さらに、ムン・ソングン、ソル・ギョング、ソン・ガンホ、チョン・ドヨン、ムン・ソリ、ユ・アインら、これまでイ・チャンドン監督作を彩ってきた豪華俳優陣や制作スタッフも登場し、撮影当時を振り返る。

 

「サイレントラブ」、そして愛は動き出す！

おすすめ度　☆☆☆★

喧嘩の仲裁で喉を切られた沢田蒼(山田涼介)と事故で失明した音大生の甚内美夏(浜辺美波）人生に絶望した美夏が飛び降りを図るも偶然居合わせた蒼が救ったことで2人は出会う。声を失った蒼と光を失った美夏の静かな純愛ストーリー。

山田涼介×浜辺美波、日本のエンターテインメントにまぶしいほどの輝きを与える2人の共演。
『ミッドナイトスワン』監督：内田英治×音楽：久石 譲、映像と音楽の奇跡的な融合から生まれた現代の純愛物語。

ある出来事をきっかけに声を発することをやめ、毎日をただ生きているだけの青年・蒼。不慮の事故で視力を失ったピアニスト志望の音大生・美夏と運命的な出会いを果たした彼は、絶望の淵に追い込まれながらも夢を諦めない彼女にひかれていく。美夏をすべての危険から守ろうとする蒼だったが、彼女に思いを伝える方法は、そっと触れる人差し指とガムランボールの音色だけ。そんな蒼の不器用な優しさがようやく美夏の心に届きはじめた矢先、運命の渦が2人をのみ込んでいく。

横恋慕や裏カジノの借金トラブルの巻き添えで浜辺が窮地に立たされたりと、青春映画特有の突飛なエピソードが連打される。

ラストは出所後に港湾作業員として働く山田の元に浜辺が会いに行く。水溜りを物ともせずハイヒールで歩き続ける浜辺の姿からは本気度が十分伝わった。出会ったときからキーアイテムだった盲人用の鈴がここでも活躍。二人が初めての口づけを交わしてエンディングとなる。

かなり危険なラブストーリー！

 

 

 

「コット、はじまりの夏」、やっとみつけた私の居場所！

おすすめ度　☆☆☆☆

アイルランド映画

1980年代初頭のアイルランドを舞台に、9歳の少女が過ごす特別な夏休みを描いたヒューマンドラマ。

第72回ベルリン国際映画祭で子どもが主役の映画を対象にした国際ジェネレーション部門でグランプリを受賞し、第95回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートもされた。

私事で失礼だが、１０歳の夏、疎開で親戚の家に預けられた。

境遇も、人間関係も全く違うが、年代と親離れして他人と暮らすという心情が切々と身に染みた。

この物語は、子を亡くした夫婦と、愛の無い家族の中で孤立した少女の、それぞれの虚しさと哀しさの共鳴を描く。

美しい自然と、夫婦の愛情たっぷりな生活。

少女の成長を静かに描く。

 

 

 

「キング・オブ・キラーズ」、

おすすめ度　☆☆☆

劇場未公開

アメリカ・カナダ合作

一流暗殺者マーカスは病気の娘を救うため、東京で開催される“暗殺者コンテスト”に参加することになり……。グラフィックノベルを実写映画化したバイオレンスアクション。

トップクラスのスタッフが日本の名所でロケ！犯罪都市・東京を舞台に、＜世界№1暗殺者＞決定戦を描いた超ド級バイオレンス・アクション！
ルールは＜生き残り＞1名になるまで殺し合う。賞金1000万ドル。

 

撮り方や演出に若干チープ感は有りましたが、想像以上にアクション的な満足度は高い!!

「偽りの忠誠 ナチスが愛した女」、彼らが選ぶのは、祖国か愛かそれとも！

おすすめ度　☆☆☆

Unext　鑑賞　　2016年製作　　イギリス・アメリカ合作

ナチス政権下、イギリスの女スパイとドイツ軍将校による許されぬ恋と、陰謀の応酬−

メイドでイギリス人スパイのリリーと皇帝の警備役となるドイツ軍大尉のコートニーの　ラブロマンスを描きながら皇帝夫婦の危うさを含んだ復権への野望、うごめくスパイ活動、　屋敷を統括するドイツ人、訪問するヒムラ―　多彩な人間模様。

第二次大戦下のドイツ。オランダに亡命した元ドイツ皇帝の屋敷が舞台。

前皇帝とナチス側ヒムラーとの決定的な違い ー残酷極まりない人権侵害ー が明確になる晩餐会。

信念。祖国愛。暗殺計画。ヒムラー。時代の狭間を膨らませた物語。

 

 

「スピットファイア 孤高の撃墜王」、勝利のために飛ぶ、それが俺の使命！

おすすめ度　☆☆☆

劇場未公開

名戦闘機・スピットファイアの実機とVFXの巧みな融合により、CGならではの表現力で大迫力の空中戦を実現。大空で戦い、散っていった国家的英雄の壮絶な物語。

第二次大戦下、アイルランド出身のブレンダン・フィナケーンは英国空軍に入隊。ドイツ空軍によるイギリス侵略、バトル・オブ・ブリテンが勃発し、フィナケーンはスピットファイアでドイツ軍機を撃墜するが、その戦功を認められ第452中隊の指揮官となる。

空中戦がリアル、迫力満点。

 

「恐るべき子供たち」、それは同性愛か、近親愛か？

おすすめ度　☆☆☆

Unext鑑賞　　　1950年製作　PG12

ジャン・コクトーの同名小説を、後に「サムライ」「仁義」などのフィルムノワール作品を生むジャン＝ピエール・メルビル監督が映画化し、ヌーベルバーグの先駆的役割を担った作品。

母を亡くし、ふたりきりになったエリザベートとポールの姉妹。ポールの友人ジェラールや、エリザベートのモデル仲間アガトがふたりの生活に入り込むなか、エリザベートを見初めた富豪が死亡。屋敷を受け継いだ彼女は、4人で共同生活を始める。
家族愛を超えて弟を愛する姉と、同性のクラスメート・ダルジュロスの面影を女性のアガトに重ね合わせる弟。屈折したふたりの想いが、激しいほどの自己主張の会話で交わされ、息をのむ。ちなみに冒頭に登場するだけのダルジュロスは、コクトーの少年時代の友人の名であり、彼自身の芸術の根源ともなる存在。ダルジェロスは亡霊のように最後までドラマを支配していく。詩のように美しい言葉が羅列させるナレーションはコクトーによるもの。

同性愛×近親愛というまさに偏愛すべきジャンルを描いた破滅的な作品

恐るべき、という看板に偽り無し。姉と弟の超絶いびつな近親愛。

難解。

「最悪な子どもたち」、問題だらけな子どもたちと、完璧じゃない大人たち！

おすすめ度　☆☆☆

PG12

北フランスを舞台に演技未経験の問題児たちを配役した映画撮影の行方を描き、2022年・第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリを受賞した人間ドラマ。

オーディションで選んだ子供達をそのままに映画を撮影していくというフィクションの中で描いていく作品、カットとカメラの編集で巧みにリズムを生み出していく手腕は見事。問題児たちという前提から綺麗事に発展するありきたりな作劇ではなく、辛辣な視点はそのままに、微妙な心の葛藤を背後に忍ばせて、ラストはささやかな感情の解放と、甘酸っぱい青春の瞬間を描きだして終わらせる。

フランス北部の荒れた地区を舞台にした映画が企画され、地元の少年少女を集めた公開オーディションが行われた。キャストとして選ばれたのは、異性との噂が絶えないリリや怒りをコントロールできないライアン、心を閉ざしたマイリス、出所したばかりのジェシーの4人で、シナリオは彼ら自身をモデルにした物語だった。波乱に満ちた撮影が始まり、4人は映画の登場人物を演じることで自分自身と向き合っていく。

「市子」、本当の川辺市子を誰も知らない！

おすすめ度　☆☆☆★

過酷な境遇に翻弄されて生きてきた市子を杉咲花が好演。主演女優賞に輝く。

戸籍がなく、日々の生活に困窮し、難病の妹の世話をして、母の再婚相手に性的虐待を受けた市子。再婚相手と妹を殺し、行方をくらました市子。北に殺人の手助けをさせた市子。梢とケーキを食べ、キキと夢を追いかけた市子。長谷川との生活を大切に続けてきた市子。関わった人たちを通じて語られる彼女の人生。人が誰かを語る時、本人が話すよりも不思議に説得力がある。

川辺市子は3年間一緒に暮らしてきた恋人・長谷川義則からプロポーズを受けるが、その翌日にこつ然と姿を消してしまう。途方に暮れる長谷川の前に、市子を捜しているという刑事・後藤が現れ、彼女について信じがたい話を告げる。市子の行方を追う長谷川は、昔の友人や幼なじみ、高校時代の同級生など彼女と関わりのあった人々から話を聞くうちに、かつて市子が違う名前を名乗っていたことを知る。やがて長谷川は部屋の中で1枚の写真を発見し、その裏に書かれていた住所を訪れるが……。