ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「こちらあみ子」、応答せよ、応答せよ!

2023-03-31 17:42:22 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆★

芥川賞作家・今村夏子が2010年に発表したデビュー小説を映画化。

広島に暮らす小学5年生のあみ子(大沢一菜)は少し風変わりだが、優しいお父さんの哲郎(井浦新)と赤ちゃんがお腹にいる母親のさゆり(尾野真千子)、一緒に登下校をしてくれるお兄ちゃん(奥村天晴)らに見守られながら自由に過ごしている。しかし、あみ子のあまりにも純真な言動が、周りの人たちに影響を与え始める。

風変りな小学生あみ子が、継母の流産を契機に起こる家族の崩壊に翻弄される姿を描く。

母親の変容、兄の変容、そして、父の変容。父親はずっと優しい言葉遣いなのだが、態度の冷たさはぞっとするほどだ。お化けの音におびえたあみ子を部屋から追い出すしぐさの、モノに接するかのような冷たさ。映画で描かれた最悪の心的虐待の描写である。

一筋縄ではいかない映画。

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「シンドラーのリスト」、一つの命を救えるものが、世界を救える!

2023-03-30 19:35:37 | アメリカ映画

おすすめ度 ☆☆☆☆

感動の実話の映画化 ☆☆☆☆★

NHK BS プレミアム 鑑賞 1993年製作

スティーブン・スピルバーグ監督が、ナチスによるユダヤ人大虐殺から多くの命を救った実在のドイツ人実業家オスカー・シンドラーを描いた名作。

第66回アカデミー賞作品賞、監督賞受賞。

1939年、ナチスドイツ占領下のポーランド。戦争を利用して一儲けしようと狙うドイツ人実業家シンドラーは、軍の幹部に取り入り、ユダヤ人の所有していた工場を払い下げてもらう。軍用ホーロー容器工場を立ち上げた彼は、安価な労働力としてユダヤ人たちを雇い入れ、事業を軌道に乗せていく。しかしナチスによるユダヤ人の迫害は日ごとにエスカレートし、ついに虐殺が始まる。凄惨な光景を目の当たりにしたシンドラーは、私財を投じて彼らの命を救うことを決意する。

実話の重みがあるのと、実際にアウシュビッツ収容所で撮影したとあって、その虐殺のありさまが生々しい。

実業家の観点からユダヤ人を労働者として使っていたが、ナチスの隊長のあまりにもひどいユダヤ人虐殺を目の当たりにし、彼らを救うことになっていく。

白黒の画面が、リアリティを増し、非道な行いが胸を撃つ。

主演のリーアム・ニーソンの好演も相まって、シンドラーの人間が描かれている。

 

 

 

 

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「ザリガニの鳴くところ」、全世界百万部突破ミステリー!

2023-03-30 17:12:44 | アメリカ映画

おすすめ度 ☆☆☆★

全世界で累計1500万部を売り上げたディーリア・オーエンズの同名ミステリー小説を映画化。

ノースカロライナ州の湿地帯で、将来有望な金持ちの青年が変死体となって発見された。犯人として疑われたのは、「ザリガニが鳴く」と言われる湿地帯で育った無垢な少女カイア。

この物語は、ひたすら、主人公の女性カイア(キャサリン)の孤独(人間社会との完璧なまでの没交渉)と、自然との共生を語りたおす。本作の本質はそこにある。

学校にも行かせてもらえず、たった独りの力で湿地の花や虫や鳥たちと共に生きてきたキャサリン。まだ幼い時に社会から断絶されてしまったキャサリンは、本来なら庇護されるべき存在だ。
しかし時に人は哀れな境遇にいる人間を残酷なまでに蔑み、排除しようとする。

美しい自然と、寂しい美女の物語。

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「前科者」、未来に寄り添い続ける!

2023-03-29 19:34:46 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆★

罪を犯した前科者たちの更生、社会復帰を目指して奮闘する保護司の姿を描いた同名漫画(原作・香川まさひと/作画・月島冬二)がWOWOWでドラマ化された。

本作は、そのドラマの延長で、岸監督のオリジナル。

非常勤の国家公務員、保護司を始めて3年の阿川佳代は、仕事にやりがいを感じながら「前科者」のために奔走していた。

殺人をおかした工藤誠を担当することになる。物静かな工藤は更生を絵に描いたような人物で、社会人として自立する日は近いと思われた。

誠には弟がいて、彼の復讐劇に付き合って、再び罪を犯してしまう。

阿川にも、苦い過去があり、それらがオーバーラップして、ラストへ。

誠にも希望を残しつつ終わる。

誠を演じる森田剛の演技が光る。

 

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「ブルース・ブラザース」、ついに出現スーパーロックヒーロー!

2023-03-29 16:46:18 | アメリカ映画

おすすめ度 ☆☆☆

コメディ・ミュージカル好き ☆☆☆★

NHK BS プレミアム 鑑賞  1980年製作

アメリカのコメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」でジョン・ベルーシ&ダン・エイクロイドが演じた人気キャラクターを映画化し、黒いハットにサングラス、黒いスーツを身にまとったブルース・ブラザーズが巻き起こす騒動を、笑いとアクション、歌と踊りを散りばめながら描いた傑作コメディ。

刑務所から出所したジェイクは、共に孤児院で育った弟分のエルウッドに迎えられる。二人は自分たちを育ててくれたシスターの元に向かうが、税金を払えないために孤児院は閉鎖の危機に瀕していた。二人は5000ドルという大金を手に入れるために、かつてのバンドメンバーを集めてコンサートで一山当てようと計画を立てるが。

カーチェイスあり、ミュージカルありのドタバタ喜劇で、正直かなりお馬鹿な要素がてんこ盛りの作品。

ジェームズ・ブラウン、レイ・チャールズ、アレサ・フランクリンといった大御所ミュージシャンの共演で、ミュージカルシーンは圧巻。

ラストのカーチェイスシーンは、まさにハチャメチャで、なにおかいわんやである。

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「オードリー・ヘプバーン」、名声に隠された本当のオードリーを描く!

2023-03-28 19:57:57 | イギリス映画

おすすめ度 ☆☆☆★

ヘップバーン好き ☆☆☆☆

世代を超えて愛され続けるハリウッド黄金期の伝説的スター、オードリー・ヘプバーンの知られざる素顔に迫ったドキュメンタリー。

私自身は、「ローマの休日」のヘップバーンの印象が強く、その後の映画も、個人にも興味なく過ごしてきた。

もう30年も前に亡くなっていたのだ。

幼少期は、第二次世界大戦に翻弄され、食べるものにも事欠いていたようだ。

バレーが好きであったが、女優を目指し、主演作「ローマの休日」で一躍有名になった。

その後、ファッションの世界でも注目を浴びた。

男性関係は、映画の共演者との浮名はあったが、メルファーラーと結婚、一子をもうける。だが二人の仲は良くなく、その後離婚、結婚を繰り返している。

美しさが、幸福とは限らない。

後半生は、ユニセフの親善大使として、貧しい国の子供たちを支援している。

改めて、オードリーの人生を目の当たりにし、美の裏にいろんな出来事が往来していたのだと感じいる。

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「リベンジ・マッチ」、ハナタレどもこれが人生をかけたたたかいだ!

2023-03-28 16:21:00 | アメリカ映画

おすすめ度 ☆☆☆★

ボクシング映画好き ☆☆☆☆

NHK BS プレミアム 鑑賞  2013年製作

ともにボクシング映画の傑作として名高い「レイジング・ブル」のロバート・デ・ニーロと「ロッキー」のシルベスター・スタローンが、ライバル同士の老ボクサーに扮し、人生最後のボクシングマッチに挑む姿を描いた。

67歳のシルベスター・スタローンと70歳のロバート・デ・ニーロの2度目の競演作。

サリー(キム・ベイシンガー)・レーザー・キッドの三角関係、ダンテ(ケヴィン・ハート)の拝金主義、キッドと息子B.J.の確執と、エピソードは豊富。

ラストの二人のガチンコのボクシングシーンは圧巻。

それにしても、体は、ぼてぼて、よく試合ができたもんだ。

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「ライフ・イン・ア・イヤー 君と生きた時間」

2023-03-27 17:12:16 | アメリカ映画

おすすめ度 ☆☆☆★

劇場未公開  Unext鑑賞

一目惚れした少女は病気だった。それでも諦められない一途な少年。主役はウィル・スミスの息子です。

17歳の少年ダリンは貧しい地区で暮らす少女イザベルに恋したことをきっかけに、自身の将来について見つめ直すように。そんなある日、ダリンはイザベルの余命があと1年しかないことを知る。イザベルに自身のすべてを捧げることを決意したダリンは、彼女との一生分のイベントを計画する。

鉄板のラブストーリー。

ラップとか、髪の毛の色とか、映画的。

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「ハナ 奇跡の46日間」、この感動に国境はいらない!

2023-03-26 19:19:31 | 韓国映画

おすすめ度 ☆☆☆★

スポ魂映画好き ☆☆☆☆

2012年製作  Unext鑑賞

第41回世界卓球選手権千葉市の日本コンベンションセンター(現幕張メッセ)イベントホールで1991年4月24日から5月6日まで開催された。韓国と北朝鮮は統一チームコリアで出場[1]、女子団体で優勝した。

30回以上朝鮮半島を訪れた国際卓球連盟会長(当時)・荻村伊智朗の尽力により、1991年の世界選手権では、南北朝鮮が分断後初めて統一チームを結成して出場することが[3]、同年2月の南北スポーツ会談で合意された。

映画は、韓国のエースヒョン・ジョンファが、どうしても中国の選手に勝てず、優勝できなかった。

ところが、合同チームになると、北朝鮮のリ・プニと組み中国を圧倒できる。

上からの命令で合同チームになるが、最初は、習慣の違いなどでぎこちなかったが、さすがスポーツ。46日間ですっかり仲良くなる。

一時は、北朝鮮側で、選手たちが韓国の風習に染まったとのことで、北朝鮮の監視員に試合の中止を申し渡されるが、何とか乗り越えて、中国との対戦をものにする。

手に汗握る試合運び。今回の世界野球の日本のような盛り上がりだ。

友情に国境はない。

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「プアン 友だちと呼ばせて」、言えなかったことがあるんだ!

2023-03-26 16:32:44 | アジア映画

おすすめ度 ☆☆☆★

タイ映画  PG12 

ウォン・カーウァイがプロデュースを手がけた。2021年サンダンス映画祭のワールドシネマドラマティック部門で審査員特別賞を受賞。

タイのバズ・プーンピリヤ監督が、余命宣告を受けた男と親友の旅を描いた人間ドラマ。

ニューヨークでバーを経営するタイ出身のボスは、バンコクで暮らす友人ウードから数年ぶりに電話を受ける。

ウードは白血病で余命宣告を受けており、ボスに最後の願いを聞いて欲しいと話す。

バンコクへ駆けつけたボスが頼まれたのは、ウードが元恋人たちを訪ねる旅の運転手だった。

かくして、華麗な音楽に乗せた元カノ訪問の旅。

だが、後半はがらりと変わって、ボス目線。

ボスとウードの彼女をめぐってのさや当て合戦。

ウードが死んでボスの手に。

ニューヨークとタイの美しい風景と音楽は心地よい。

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