おすすめ度 ☆☆☆★
原作 2016年・第13回本屋大賞を受賞した宮下奈都の小説。
高校時代にピアノ調律師に出会い、感化されて調律師学校に通い、高校時代に出会った調律師のいる会社に就職。
冒頭に、羊の毛から作ったフェルトのハンマーが鋼をたたいて音が出るという基礎から説明がある。
そして、主人公が育った北海道の森のシーンが、音の深さの表現に使われている。
一方、先輩に連れられて、調律を学ぶうちに、弾き手の個性が、調律に関係することが分かり、さらに、広い公共の場で弾かれるピアノは、その場の広さや音の響きを勘案して調律するなど、調律師の基本を学んでいく。
主人公の成長とともに、観客も追体験することで、いかにも調律を勉強している気になる.
その時どきに弾かれるピアノ曲が、映画の重要な部分を占めるが、聞いていて違和感はない。
山崎賢人が主人公・外村を演じ、まじめ風な雰囲気がマッチしている。
中で、光るのが、社長役の三浦友和。諭すような口調で、盛り上げる。
重要な役割を担う姉妹には、上白石萌音と上白石萌歌の実姉妹が演じていて、難しい役どころをこなしている。ピアノレッスンも大変だったろう。
調律師を題材にした成長物語なので、展開は地味。見る人を選ぶかも。