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「クー嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」、台湾の古典的名作!

2018-11-08 17:08:38 | TSUTAYA発掘良品

おすすめ度 ☆☆☆☆

236分の長尺なので、これに耐えられる人限定。

いつか見たいと思っていたが、劇場では、4時間の鑑賞に堪えられないので、DVDを借りた。

1991年 台湾映画 PG12 台湾でのタイトル「牯嶺街少年殺人事件」

第28回金馬奨で最優秀作品賞を受賞。第4回東京国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門審査員特別賞、国際批評家連盟賞受賞。1995年には、イギリスのBBCによる「21世紀に残したい映画100本」に選出。2015年には釜山国際映画祭のアジア映画ベスト100の第8位に選出された。

監督のエドワード・ヤンの生誕70年、没後10年となる2017年3月に、日本では約25年ぶりに236分の4Kレストア・デジタルリマスター版が公開された。

61年夏、14歳の少年が同い年のガールフレンドを殺害するという、台湾で初の未成年による殺人事件が起こる。映画は、これを題材に、当時の閉塞した台湾の、学校教育の、外省人と内省人の軋轢、加害少年と被害少女の家庭問題、若者・不良グループの存在など、様々な要因を絡めて、社会の、人生の軋轢を浮き彫りにしていく。

加害少年は、閉塞感からか、常に反抗的、おかげで、夜間しか行けず、それも退学となる。だが、それは、社会や家庭そして仲間たちの軋轢があったからだ。

戦時中、日本の住宅だった家が、当時は使われており、どこか小津を思わせる映像の数々。

引きの映像が、物語にふさわしい。

被害女性も、時代と家庭環境、そして男性社会の被害者だ。誰からも好かれるが故の小悪魔的存在。

加害者男性には、気のいい兄、二人の姉、弟がいる。その家庭がいじらしい。父親は、外省人であるため、共産主義を疑われ、捜査の対象に。

そこここにちりばめられた、せりふの数々が意味深長。

当時、アメリカかぶれだったのか、プレスリーの歌が。

少年たちのグループ同士の争いも、そこでは、殺人事件も。

それにしても、運命のいたずら。心に残る映画だ。

 

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