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ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「海燕ホテルブルー」、3人の男が女をおいかけて……

2013-01-27 17:26:55 | 日本映画
おススメ度 ☆☆
    変わった映画好き ☆☆☆

この映画の監督、若松孝二は、昨年10月交通事故で亡くなった。76歳だった。

死は予感できるものだろうか。

若松は昨年3本の映画を立て続けに撮っている。

もともと、ピンク映画を撮っていたのでその頃のことを想えばどうってことないが、もう76歳だ。まして、昭和3部作で力を入れた作品の後だ。

そんな中、この映画は、若松にしてみれば息抜きか、初期のピンク映画の作法が随所に見られるからだ。

もともとピンク映画でも、メッセージ性があったが、この映画でも原発について反対の意見を客に述べさせている。

映画自体は、船戸与一原作の小説をドラマ化したもの。

刑務所を出所し、元の犯罪仲間を訪ね歩き、黒い浜辺、砂漠、火山と広々とした荒野に立つホテルにたどり着く、そこには妖艶な謎めいた女がいた。

この女が曲者で、幻想の中の存在のようでいて、男たちは女の虜となり、悲劇を生む。

全裸の女が荒野を疾走する姿は、昔のピンク映画っぽい。

そんな映画を若松はもう一度撮りたかったのか、その夢を果たせて冥途入りしたのだろうか。
コメント
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