![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/46/e3c63b01432f8ff600ec53922b47e6af.jpg)
ふとウクレレなど手にとって何を弾くでもなし、ポロポロやっていると、たとえば「森の小径」なんて小曲をなんとなく弾いてしまっている事があります。
「森の小径」といえば、知っている人は知っている、日本ウクレレ協会の会歌であります。灰田勝彦氏、1940年のヒット曲。
♪ほろほろこぼれる 白い花を 受けて泣いていた 愛らしいあの子よ♪
いかにもウクレレに似合いの、シンプルな愛らしいメロディ。ただ弾いているだけなら楽しいのだけれど、私は切なくなってしまうのですね、この曲の背景を思うと。
1940年のヒット曲。つまり、この曲の流行と前後して、日本は第二次世界大戦の只中に突入してしまう訳で。こんなに優しい曲の思い出を胸に抱いて、多くの日本人が過酷な戦火の中に身を投げ出していったのだ、と思うと、たまりませんな。
そして今、この時間にも戦火のうちに置かれている人々が、この地球上には数え切れないほど。その人たちはどんなメロディーを胸に秘め、過酷な運命を生きているのだろう・・・
添付した写真は私が贔屓しております日系ハワイ人のウクレレ名手、オータサンことハーブ・オオタの若き日の姿です。軍服を着てウクレレを奏でております。彼、海兵隊員として朝鮮戦争に従軍しているんですね。しかも、第2次世界大戦中の私の父と同じく、兵隊が嫌で通訳志願だったそうで。ちょっと苦笑してしまった次第。
♪憶えているかい 森の小径 僕も悲しくて 青い空仰いだ ♪
灰田勝彦の甘い声……切なくなります。
私、「東京の屋根の下」も好きです。
敗戦まもない日本で、
♪なんにもなくてもいい
口笛ふいてゆこうよ ♪
と歌ったあの歌……。
なんだか、あまりのほがらかさに………胸がしめつけられてしまいます。
おお、お好きですか、灰田勝彦!良いですよねえ。あれ以外の灰田のヒット曲も、いずれここで取り上げてゆきたいと思っています。
「東京の屋根の下」・・・何もなくなっちゃった東京の街を、あんな風に希望に満ちて歌い上げる。確かに逆に胸が締め付けられますね。
ちょうど私の父と母が出会った頃もあんな感じだったのかなあ、などと思うと、ますますです。
時代と歌・・・さまざまな物語を生みつつ・・・