ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

ピアニッシモ

2012-08-20 21:21:39 | いわゆる日記
 ずいぶん前から探してるんだけど、”ピアニシモ”という曲に関する情報が見つからないんですわ。いや、そう聞いてあなたが思い浮かべられたその曲ではなくて。多分、別の曲です。
 なんか同名異曲の多い曲みたいで、検索かけても、題名は同じだけど全然違う曲がゴロゴロ出てくる。けど、私の探しているその曲の話題がさっぱり出てこない。まあ、古い曲だから忘れられてるんだろうけど、しかし、どこかに一つぐらい記事があってもよかろうに。You-tubeにも、上がってないみたいだなあ。

 私の探している”ピアニシモ”は、多分ヨーロッパのどこかの国(イタリアのような気がするんだが)の曲で、若い女の子がピアノの伴奏で歌っている。清楚な印象のクラシックぽい静かな曲、とはいえその声はか細くて消え入りそうで、それこそピアニシモだった。
 初めて聞いたのは遥か昔、さすがの私もまだガキの頃でした。深夜、眠られぬままにベッドの中でラジオに耳を傾けていると、ふと聴こえてくる。そんなふうにその曲とは付き合った。歌っているのがどんな人なのか、もちろんわからない。ヒットした曲なのかどうかも。

 ともかく深夜のラジオで、忘れかけた頃にひょっこり聞こえてくる、そんな状態がしばらく続いて、その後、全く聞くこともなくなった。この年になって思い出したら、妙に懐かしい。こんなふうに思い出してみると、まるで夜の静けさの中から生まれでて、また夜の中に帰っていった、そんな曲にも思えてくる。
 こういう曲はむしろこのまま、何もわからないままにしておいたほうが良いような気もする。ただ、もう一度聞いてみたい気もするなあ。

 昔、ヤング・マーブル・ジャイアンツなるニュー・ウェーブのバンドがデビュー時、「夜、ラジオに耳を澄ませていると、遠くの名も知らないラジオ局が懐かしい曲をかけているのが聞こえてくる、そんな感じの音を出したい」とかバンドのコンセプトを語っていて、ラジオ主義者としては非常に気になった。そのイメージするところ、すごくわかるから。
 この”ピアニシモ”って曲も、まさにそんなふうに聞こえてくるのがふさわしい曲なのである。
 その歌手のアルバムを手に入れてみると、全曲、”ピアニシモ”みたいな曲が収められていて。なんて空想をしてみると、ちょっと血が騒ぐんだけどね。